「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい!新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。
小規模なオフィスであっても、働きやすさやデザイン性に優れた空間づくりをあきらめる必要はありません。むしろ限られた面積だからこそ、空間の使い方や動線、エリアごとの設計によって、オフィスの印象や使い勝手を改善できる余地があります。
本記事では、主に50坪程度の小規模オフィスにおいて、スペースを有効活用しつつ働きやすい空間を実現している4社の事例を紹介します。小規模オフィスのリニューアルやレイアウト変更を検討している事業者様は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 小規模オフィスでも、デザイン性と機能性は両立できる
- 事例1|一体感のあるオープンな空間を実現
- 事例2|本社とは異なる雰囲気の多目的空間を構築
- 事例3|企業のアイデンティティを表現したオフィスを実現
- 事例4|自然とコミュニケーションが生まれるカフェ風オフィス
- アイデア1:カフェのようなリラックス空間を構築
- アイデア2:利用シーンを想定した機能的なゾーニング
- アイデア3:部分リノベーションも可能なコンセプト
小規模オフィスでも、デザイン性と機能性は両立できる

結論からお伝えすると、小規模オフィスでもデザイン性と機能性を両立させた空間づくりは実現可能です。一方で、限られた面積に執務席・会議室・収納・応接スペース・リフレッシュ/コミュニケーションエリアといった機能を無理なく併存させるための工夫が求められます。まずは「どのような働き方を実現したいのか」「誰がどのような目的で利用する空間なのか」を明確にすることが重要です。
事例1|一体感のあるオープンな空間を実現
比較的小規模なオフィスでありながら、おしゃれで機能的な空間を実現している企業の事例を紹介します。1つめの事例は、オープンな空間と一体感を両立させているオフィスです。
株式会社アイキューブドシステムズ様の事例
スマートデバイス向けソリューションの開発・販売を手がける株式会社アイキューブドシステムズ様の事例です。ソファ席、カウンター席、1on1ミーティングスペースなど、多様な働くシーンを限られたスペース内に実現しています。昼夜で印象が変わる照明の設置をはじめ、受付の役割も担うカフェスペースへの導線設計など、さまざまなアイデアが凝縮されているオフィスです。
【事例詳細】一体感のあるオープンオフィスへ居ながらリニューアル|株式会社アイキューブドシステムズ 様
アイデア1:限られた面積に複数の働き方を組み込む
小規模オフィスでは執務席だけで空間が埋まってしまい、打ち合わせや1on1、気軽な相談、集中作業といった多様なシーンに対応しにくくなりがちです。アイキューブドシステムズ様の事例では、ソファ席・カウンター席・1on1スペースなどを設けることで、限られた面積の中に複数の機能をもたせています。さまざまな働き方に合わせて利用できるよう、緻密なゾーニングの計算にもとづいて設計されたオフィスといえます。
アイデア2:受付機能を兼ねたカフェスペースを設置
オフィス面積によっては、受付や待合スペース、リフレッシュ/コミュニケーションのためのスペースを別々に設ける余裕がないケースもあるでしょう。アイキューブドシステムズ様の事例では、受付カウンターの役割も担うカフェスペースへの導線設計が行われています。たとえば、リフレッシュエリアをレクリエーションにも活用できる多目的スペースにするなど、1つの空間に複数の役割をもたせる設計に活かせるアイデアです。
アイデア3:照明計画で空間の印象を変える
物理的なオフィス面積を拡張することができなくても、照明や色彩、素材の選び方などによって、開放感や居心地の良さを演出できます。アイキューブドシステムズ様の事例では、昼夜で変化する照明を設置することで、時間帯ごとに空間の見せ方を変える工夫が施されている点が特徴です。視覚効果によって空間の広がりや奥行き感をもたせる手法は、小規模オフィスだからこそ取り入れたいアイデアといえるでしょう。
事例2|本社とは異なる雰囲気の多目的空間を構築
2つめの事例は、執務空間とは異なるコンセプトで築かれた多目的空間を備えたオフィスです。
株式会社ネットワールド様の事例
ICT環境の構築に関するコンサルティングや、各種サポートサービスを提供している株式会社ネットワールド様の事例です。小規模空間を多目的に活用できる「サードプレイス」的な空間を、執務空間とは異なるコンセプトで構築しました。木材やタイルをふんだんに使った温かみのある空間は、ソロワークや新人研修、会議、社内懇親会といった多彩な用途に活用できます。
【事例詳細】本社とは違う雰囲気で利用できる多目的空間|株式会社ネットワールド 様
アイデア1:デザインコンセプトの明確化
ネットワールド様の事例では、「入った瞬間からワクワクする“大人の隠れ家”」という明確なコンセプトが打ち出されています。オフィスを単に「働くための場所」から「人と話したい」「気分を入れ替えたい」と思える場所へと解釈し直している点が大きな特徴です。面積が限られている小規模オフィスだからこそ、デザインコンセプトを練り上げておくことの重要性を示している事例といえるでしょう。
アイデア2:用途を限定しない多目的スペースに
多目的空間というコンセプトのとおり、会議室でも研修室でも休憩室でもなく、さまざまな用途に対応できる空間となっています。小規模オフィスでは、用途を特化した専用スペースを細かく分けて設けるよりも、時間帯や目的に応じて使い方を変えられる多目的スペースを設けるほうが合理的なケースが少なくありません。用途を限定しない柔軟なスペースを設けるメリットを、最大限に活かしたアイデアです。
アイデア3:木材・タイル・照明で居心地の良さを演出
内装材の素材へのこだわりも、本事例の大きな特徴です。木材やタイル、あたたかな色合いの照明などを取り入れ、まるでカフェのような空間を構築しています。空間を広く見せにくい場合は、素材や照明、家具を工夫することで空間全体を演出してみてはいかがでしょうか。たとえば、リラックスして会話を交わせる空間をつくりたい場合は、木目調の什器や暖色系の照明の活用などがおすすめです。
事例3|企業のアイデンティティを表現したオフィスを実現
3つめの事例は、自社のアイデンティティを空間全体で表現しているオフィスです。
タウン警備株式会社様の事例
交通誘導警備、駐車場警備、施設常駐警備、雑踏警備のサービスを提供しているタウン警備株式会社様の事例です。警備のプロフェッショナルとしての厳格さが感じられるオフィスでありながら、社員にとって快適で温かみのある空間を実現しています。信頼・堅実・貢献を象徴する四角いフォルムを軸とするデザインにより、企業のアイデンティティを象徴する空間に仕上がりました。
【事例詳細】厳格さと温かみが調和する、安心を感じるオフィスデザイン|タウン警備株式会社 様
アイデア1:企業イメージと調和したデザインコンセプト
小規模オフィスでは、空間全体が見渡せる範囲に収まることもめずらしくありません。だからこそ、企業イメージと調和したデザインコンセプトを打ち出すことで、来訪者の記憶に残りやすくなるというメリットもあります。タウン警備様の事例では、信頼性が第一に問われる警備という業種の特性を踏まえ、落ち着いた色合いの内装材で空間を構成しました。スクエアなフォルムの家具を中心に配置することで、堅実なイメージをさらに印象づけています。
アイデア2:グリーンが配置された温かみのある空間に
オフィスデザインは対外的なブランド戦略の一環であると同時に、そこで働く社員にとって1日のうち多くの時間を過ごす空間でもあります。洗練された空間づくりを目指す場合も、無機質な雰囲気になりすぎないよう工夫するのが望ましいでしょう。タウン警備様の事例では、木目調の家具や内装材を取り入れているほか、観葉植物を配置することにより、洗練されつつも温かみの感じられる空間に仕上がっています。
アイデア3:地域の街並みに調和するカラー
オフィスデザインは地域とのつながりを象徴する要素にもなり得ます。オフィス周辺の街並みとの調和や、地域特有のシンボリックなカラーを取り入れることで、地域との一体感を演出できるでしょう。タウン警備様の事例では、札幌の街並みに調和するカラーを取り入れることで、地域に愛される企業としての姿勢が表現されています。オフィス単体でデザインを検討するのではなく、地域の特色を空間づくりに取り入れてみてはいかがでしょうか。
事例4|自然とコミュニケーションが生まれるカフェ風オフィス
4つめの事例は、社内コミュニケーションの活性化を軸にデザインされているオフィスです。
日本リテイルシステム株式会社様の事例
流通システム機器・情報システム機器の開発・販売を手がける日本リテイルシステム株式会社様の事例です。“心地よさ”をテーマに、まるでお気に入りのカフェでリラックスしながら仕事をしているかのような「COZY OFFICE」を構築しました。見た目をおしゃれにするだけでなく、機能的・動線的に働きやすいゾーニングを採用し、自然とコミュニケーションが生まれる空間になっています。
【事例詳細】自然とコミュニケーションが生まれるカフェ風オフィス|日本リテイルシステム株式会社 様
アイデア1:カフェのようなリラックス空間を構築
小規模オフィスでは、社員がリラックスするためのスペースを確保しにくいと感じるケースも少なくないでしょう。しかし、必ずしも独立した空間を設けなくても、デザイン上の工夫によってリラックス空間を構築することは可能です。日本リテイルシステム様の事例では、テーブル席+ガラスパーティションを採用することにより、カフェのようなリラックス空間を実現しています。さらに、カウンターを備えたキッチンとシンボルツリーを囲むテーブルを設置することで、自然とコミュニケーションが生まれる空間に仕上がりました。
アイデア2:利用シーンを想定した機能的なゾーニング
限られたスペースを活かすには、利用シーンを想定した機能的なゾーニングも重要なポイントとなります。日本リテイルシステム様の事例では、営業部門をフリーアドレス制にし、業務に合わせて座席が選べるABWを導入しました。一方、書類やデータを扱う頻度の高い受託管理部門に関しては、ガラスパーティションで区切られた固定席となっています。空間の用途や業務内容を踏まえてゾーニングすることで、おしゃれな外観と機能性を両立させることに成功している事例といえます。
アイデア3:部分リノベーションも可能なコンセプト
日本リテイルシステム様の事例は、部分リノベーションにも応用できるアイデアといえます。たとえば、「まずは会議室から」「リラックススペースだけ」といった部分的な改修によって、オフィスをより過ごしやすい空間に変えることも可能です。限られた空きスペースを活用してカフェカウンターを設置したり、デッドスペースにファミレス席を設けたりするなど、工夫次第で働く方々の快適性を高めるオフィスを実現できるでしょう。
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