「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい!新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。
近年、ダイバーシティ(多様性)を尊重することの重要性が世界的に注目されています。オフィスづくりにおいても、多様性に配慮された誰もが働きやすい環境を実現することが重要です。
この記事では、ダイバーシティ&インクルージョンの基本的な意味や、多様性が重要視されている主な理由、誰もが働きやすい環境を実現する上で必要な配慮についてわかりやすく解説しています。多様性を尊重するオフィスづくりの注意点とあわせて見ていきましょう。
目次
ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と一体性)とは

はじめに、ダイバーシティ&インクルージョン(多様性と一体性)の基本的な意味を確認しておきましょう。ニューロダイバーシティなどの関連用語や、バリアフリー、ジェンダーレス、LGBTQといった関わりの深い用語とともに理解を深めていくことが大切です。
多様な人々の考えや違いを受け入れること
ダイバーシティ&インクルージョンとは、多様な人々の考えや違いを受け入れ、認め合っていくことを指します。たとえば、年齢や性別、性的指向、人種、国籍などの違いを享受し、お互いを尊重し合っていくことを表す言葉です。
企業においては、異なるバックグラウンドをもつ人々がそれぞれの強みを発揮し、能力を活かして働ける環境づくりが求められています。このような経営上のスタンスは「ダイバーシティ経営」と呼ばれています。
ニューロダイバーシティとは
ニューロダイバーシティ(Neurodiversity)は、神経多様性と訳されます。経済産業省によるニューロダイバーシティの定義は次のとおりです。
「脳や神経、それに由来する個人レベルでの様々な特性の違いを多様性と捉えて相互に尊重し、それらの違いを社会の中で活かしていこう」という考え方。
出典:経済産業省|ニューロダイバーシティの推進について
たとえば、ASD(自閉スペクトラム症)やADHD(注意欠如・多動症)などに関しても人それぞれの「特徴」と位置づけ、お互いを尊重するとともに、状況に応じて配慮していく必要がある、という捉え方をします。
バリアフリーやジェンダーレス、LGBTQとの関わり
ダイバーシティ&インクルージョンは、バリアフリーやジェンダーレス、LGBTQとも密接に関わっています。
- バリアフリー:多様な人の社会参加を妨げる要因をなくしていく考え方
- ジェンダーレス:性別による区別や固定観点を取り払う考え方
- LGBTQ:性的少数者の総称
身体的特徴や性差、性的指向にかかわらず、あらゆる人が心身ともに快適に過ごせる社会を目指すという点は、ダイバーシティ&インクルージョンと共通しています。オフィスづくりにおいても、すべての人が快適に就業でき、ストレスが軽減される環境を目指していくことが重要です。
多様性の尊重が重要視されている3つの理由

多様性の尊重が重要視されるようになった背景として、3つの要因が挙げられます。
理由1:少子高齢化の進行と人口減少
1つ目の理由は、少子高齢化と人口減少が予想を上回るペースで急速に進行しつつあることです。従来どおりの採用手法や人材育成では、事業の存続が危ぶまれることにもなりかねません。多様な人材が活躍し、能力を発揮できる環境を整えていくことは、あらゆる企業にとって喫緊の課題といえるでしょう。年齢や性別、国籍などにかかわらず、多様な人材が活躍できる職場環境を築いていく必要があります。
理由2:産業の急速なグローバル化
産業が急速にグローバル化していることも、大きな要因の1つです。外国との取引や企業の海外進出が進み、日本国内で長年にわたって通用してきた価値観や考え方では対応が難しいケースが増えつつあります。同僚や上司、経営陣が日本出身ではなかったり、主要な取引先の中に海外企業が含まれていたりすることも、現代では決してめずらしい状況ではありません。多種多様なバックグラウンドをもつ人材と協業・協調していく重要性が高まっています。
理由3:人々の価値観の変化
人々の価値観が変化し、社会全体として多様性が重んじられつつあることも重要な要因といえます。終身雇用の時代が終焉を迎え、人材の流動化が進みつつある今、優秀な人材が働きやすく能力を発揮できる環境を求めて転職するケースは少なくありません。こうした人材から選ばれる企業になるには、多様性を尊重する社風や企業文化を醸成していく必要があります。ダイバーシティ経営の実現は、人材採用・人材育成の観点からも欠かせない要素といえるでしょう。
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