「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい!新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。
工場において安全で快適な職場環境を整えることは、非常に重要なポイントです。職場環境を整備する方法の1つとして、休憩室の設置が挙げられます。
この記事では、工場に快適な休憩室を併設する効果やおすすめの設置方法、レイアウトの際に重視したいポイントについて解説しています。休憩室の快適性を高めるコツとともに見ていきましょう。
目次
- 工場における休憩室の設置は義務?
- 工場に快適な休憩室を併設する効果
- 工場の休憩室におすすめの設置方法
- 休憩室をレイアウトする際に重視したい5つのポイント
- ポイント2:動線やアクセスが考慮されているか
- ポイント3:防音対策が施されているか
- ポイント4:メンテナンスがしやすいか
- ポイント5:オフィス/事務所の環境にも配慮しているか
工場における休憩室の設置は義務?

そもそも、工場における休憩室の設置は法律で義務付けられているのでしょうか。結論からお伝えすると、法的義務があるのは「休養室」の設置です。休憩室の設置有無に関しては、法律で定められているわけではありません。
休養室とは、従業員が体調を崩した際などに休むためのスペースのことです。常時50人以上または常時女性30人以上の労働者を使用する場合には、男性用・女性用を区別して休養室を設置することが、労働安全衛生法に定められています。
一方、休憩室の設置については任意です。ただし、以下に挙げる効果が期待できることから、休憩室を設けておくのが望ましいでしょう。
工場に快適な休憩室を併設する効果

工場に休憩室を設けることで、さまざまなメリットを得られます。具体的なメリットとして挙げられるのは次の5点です。
効果1:ミスや事故のリスク低減
快適な休憩室が設けられていれば、疲労による集中力の低下を未然に防ぎ、安全かつ効率良く作業を進められる可能性が高まります。とくに立ったままの作業が中心の場合、定期的に座って休息を取ることが重要です。一度リフレッシュしてから作業を再開することで、不注意による事故の発生などを防げるでしょう。
効果2:従業員の健康維持
従業員の健康維持に寄与することも、休憩室を設けるメリットの1つです。快適な休憩室で過ごすことによって疲労回復を促進し、慢性的な健康問題の発生を未然に防ぎます。肉体的な疲労回復だけでなく、ストレスの軽減につながることも大きなポイントです。
効果3:従業員満足度の向上
働きやすい環境が提供されている職場では、従業員のモチベーションが高まり、職場に対する満足度も向上する傾向があります。ストレスが溜まりにくくなることで作業効率が高まるだけでなく、無理なく働き続けられる環境が整うことで、離職率の低下につながる点がメリットです。
効果4:社内コミュニケーションの活性化
休憩室は、社内コミュニケーションを促す場としても効果を発揮します。従業員間の交流が促進され、情報共有が円滑に進みやすくなるほか、問題が発生した際にも解決を図りやすくなるでしょう。チームワークを強化する意味においても、社内コミュニケーションの活性化を促すのは重要なポイントの1つです。
効果5:企業イメージの向上
休憩室は法定外福利厚生の一環として位置づけられます。従業員の働きやすさに配慮している企業として社内外に認知されることで、企業としての魅力が高まり優秀な人材を確保しやすくなる点が大きなメリットです。このように、休憩室の存在は従業員を大切にする企業のスタンスを示す象徴的な場所となる可能性があります。
工場の休憩室におすすめの設置方法

一口に休憩室といっても、工場に併設する際にはいくつかの方法があります。主なパターンとして挙げられるのは次の4通りです。
休憩室専用スペース
休憩室に特化したスペースを新たに設ける方法です。用途が明確に示されるため、従業員がいつでも安心して利用できるというメリットがあります。一方で、休憩室専用スペースを確保する必要があることから、どの工場でも実現できるとは限りません。スペースの確保が難しい場合は、後述する別の手段を講じることも検討しておく必要があるでしょう。
食堂兼休憩室
食事どきには食堂として活用し、それ以外の時間帯は休憩スペースを兼ねる方法です。従業員が食事をするためのスペースと休憩スペースを同時に提供できます。ただし、食事の時間帯が従業員ごとにまちまちになりやすい職場では、実質的に食堂がメインの用途となりやすい点に注意が必要です。休憩スペースと食事スペースをパーティションで区切るなど、工夫が求められるでしょう。
仮眠室兼休憩室
夜勤や交代制の勤務体制を採用している場合は、仮眠室を兼ねたスペースとして提供するのも1つの方法です。従業員がゆっくりと休めるスペースを確保できます。一方で、休憩中の従業員の話し声や工場の騒音などが仮眠の妨げにならないよう、設置場所や消音への配慮などが求められる点に注意が必要です。
フリースペース兼休憩室
休憩室のほか、簡易的なミーティングや接客にも活用できるフリースペースとして提供する方法もあります。状況に応じて柔軟に利用できるため、スペースを有効活用できる点がメリットです。注意点として、フリースペースとしての利用方法を明確にルール化しておく必要があるでしょう。休憩室としての意味合いが薄れてしまうことのないよう配慮が求められます。
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