「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい!新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。
従業員がランチの時間を過ごし、リフレッシュしたりコミュニケーションを深めたりする上で重要な場所となる社員食堂。オフィスレイアウトを検討する際に、社員食堂やリフレッシュスペースをどのようにつくるべきか迷うケースは多いのではないでしょうか。
今回は、オフィスの食堂レイアウトを工夫するメリットと成功させるためのポイントについてわかりやすく解説します。実際の社員食堂やリフレッシュスペースのレイアウト事例もあわせて紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
目次
オフィスの食堂・リフレッシュスペースのレイアウトを工夫するメリット

オフィスの食堂やリフレッシュスペースのレイアウトを工夫することで、次のようなメリットを得られます。
- メリット1:社員間のコミュニケーションが深まる
- メリット2:従業員満足度が向上する
- メリット3:企業ブランドの強化につながる
それぞれ具体的に見ていきましょう。
メリット1:社員間のコミュニケーションが深まる
社員食堂・リフレッシュスペースの環境を整えることによって社員間の対話が促され、コミュニケーションが深まる効果が期待できます。社員食堂やリフレッシュスペースは、オフィスの中でも執務スペースとは異なる空間です。業務内ではあまり話す機会がない社員とも気軽に会話を交わせることは、社員食堂やリフレッシュスペースの環境を改善する大きなメリットといえます。
実際、非公式な場での会話がビジネスのアイデアにつながったり、課題解決の糸口となったりするケースはめずらしくありません。こうした場を提供するという意味においても、社員食堂のレイアウトを工夫する意義は十分にあるでしょう。
メリット2:従業員満足度が向上する
従業員満足度の向上に寄与することも、社員食堂・リフレッシュスペースのレイアウトを工夫するメリットの1つです。リラックスできる空間がオフィスに用意されていることにより、社員は適宜リフレッシュを図り、業務に集中できるようコンディションを整えられます。
ランチタイムが一日の就業時間に占める割合は決して高くはないものの、午前と午後の業務時間を区切りとなる重要なリフレッシュタイムです。そのための空間が社内に用意されていることは、従業員満足度を高める上で重要なポイントといえるでしょう。
メリット3:企業ブランドの強化につながる
社員食堂やリフレッシュスペースにユニークなレイアウトやデザインを取り入れることは、企業ブランドの強化にもつながります。執務スペースと並んで企業としての考え方や方針が表れやすいことから、企業を象徴する場所の1つとなり得るからです。
たとえば、企業Webサイトや人材募集ページに洗練された社員食堂の画像が掲載されていれば、求職者の目に留まる可能性は十分にあります。求職者は休憩時間に社員食堂で食事を取る自身の姿をイメージするでしょう。快適で洗練された社員食堂やリフレッシュスペースを備えておくことは、企業ブランドを強化していく上で重要な要素の1つといえます。
社員食堂・リフレッシュスペースのレイアウトを成功させる5つのポイント

社員食堂やリフレッシュスペースのレイアウトを成功させるには、どのような点を重視すればよいのでしょうか。とくに重要度の高い5つのポイントを紹介します。
執務スペースとは雰囲気を変える
社員がリラックスしてランチを楽しんだり、休憩スペースとして気軽に活用したりできる空間にするために、執務スペースとは意識的に雰囲気を変えることをおすすめします。一例として照明を変えたり、壁面や床、家具の色調に変化をつけたりするのも1つの方法です。
座席についても複数の種類を用意しておくとよいでしょう。カフェやバーのようなカウンター席やファミレス席、複数名でテーブルを囲める席などを設けておくと、用途や人数に応じて使い分けられます。執務スペースから丸見えにならないようパーテーションで仕切ったり、観葉植物などを置いてスペースを区切ったりするのもおすすめです。
動線の確保を重視する
レイアウトを検討する際には、動線の確保に関しても慎重に検討しましょう。社員食堂はとくにランチタイムを中心に混み合うことが予想されます。テーブルとテーブルの間に適度な空間を設けたり、余裕をもって移動できる通路を確保したりすることが大切です。
たとえば、ランチタイムに限り入口と出口を分けることにより、人の流れを一定方向に統一するのも1つの方法です。満席に近い状態になった際の人流をイメージし、ゆとりをもって動線を確保しましょう。
余裕のある座席スペースを確保する
座席の周囲には適度なスペースを設けることが大切です。目安として、一般的な飲食店では座席あたり2.2平方メートル程度の面積を確保しているケースが多く見られます。最低限このスペースを確保することで、満席時にも窮屈に感じにくい空間になるでしょう。
ランチタイムのピーク時に社員食堂を利用する人数を想定し、余裕をもって座席数を確保しておくことも重要なポイントの1つです。せっかく社員食堂を設置しても、ランチタイムに満席で利用できない社員が現れるようでは不満の原因となりかねません。社内でランチを取る社員の人数と頻度をあらかじめ調査するなどして、現実的な席数を確保するのがポイントです。
多目的スペースとしての活用も想定しておく
社員食堂は相応の空間を確保する必要があることから、リフレッシュスペースなど飲食以外の用途にも活用できるようにしておくのが得策です。簡易的なミーティングや社外関係者との打ち合わせ、イベントスペースなどとしても利用できるようにしておくと、オフィス全体の利便性が高まります。
たとえば、さまざまな目的に利用できるカフェスペースを併設するのも1つの選択肢です。軽食可のエリアと飲み物のみ可のエリアを分けるといったルールを決めておくと、目的に応じて柔軟に運用しやすくなるでしょう。
他社の事例を参考にする
社員食堂やリフレッシュスペースには企業ごとにユニークな工夫が凝らされているため、他社の事例を参考にしてレイアウトを検討することをおすすめします。実際の事例をいくつか見ておくことによって、完成イメージがつかみやすくなるほか、適切な座席の配置や確保すべきスペースを判断しやすくなるからです。
他社の事例を参考にする際には、自社が想定している面積や席数、コンセプトに近いものを参照するとよいでしょう。自社でも取り入れられそうな点を採用したり、デザイン例として内装業者に提示したりすることで、よりイメージに近い社員食堂を構築しやすくなります。
- 1
- 2