ペーパーレス化の賢い進め方!
利便性も兼ね備えた方法とは


【DXのはじめの一歩】プロが教える紙文書削減マニュアル

「事務所に紙が積まれてスペースがない」、「ため込んだ紙をどうしたらよいか分からない」。そんなお悩みをお持ちの方向けに、2013年から働き方改革に取り組み、全社オフィスの紙を86%削減したコニカミノルタジャパンの『文書削減のプロ』が、紙文書削減の効果的な進め方をわかりやすくまとめました!

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紙文書削減マニュアルイメージ


「ペーパーレス」という言葉を聞くようになって久しく経ちます。コロナ禍の影響を受けてテレワークの導入が進み、働き方に大きな変化が見られるなか、ペーパーレス化がいっそう推進されました。しかしいまだに、ペーパーレス化の進め方についての悩みを抱える企業も少なくないようです。

今回はペーパーレス化の効果的な進め方を解説します。また、日本企業に合うペーパーレス化の推進方法もお伝えします。

ペーパーレス化に取り組む必要性

近年、社会の各所で「ペーパーレス」という言葉が聞かれるようになりました。特に企業活動においては、ペーパーレス化の推進を課題のひとつとして取り上げるケースが多く見られます。

その大きな背景となっているのが、e-文書法や電子帳簿保存法などの、ペーパーレス化を促進する法改正です。国では内部の機関でのペーパーレス化を進めており、企業へも積極的な取り組みを促しています。

こうしたペーパーレス化への取り組みでは、以下の効果が期待されています。

企業のコスト削減:用紙・印刷・事務作業にかかる人件費などのコスト削減効果が期待できる。
また、保存書類がなくなることで、書庫の削減、オフィスコストの削減が可能となるほか、オフィススペースの有効活用といった効果も考えられる。
業務効率化・生産性向上:紙媒体からデジタルデータへの置き換えにより、作業スピードの向上、ムダな手間や作業が軽減する。
多様な働き方への対応:ペーパーレス化によりオンラインでの手続きややりとりが可能となることで、テレワークやリモートワークで働く人の業務遂行が容易になる。
BCP(事業継続計画)対策:クラウドを利用したデータ保管により、有事の際にも企業の重要な情報が守られる。本部以外の拠点からでも活用ができ、事業継続が可能となる。
情報共有:物理的な距離や時間にとらわれず、リアルタイムでの情報共有が可能となる。
セキュリティー・ガバナンスの強化:書類の置き忘れ、紛失、盗難などによる情報漏えいを防止できる。
SDGs・環境保護など社会的な動きへの対応:社会や環境への配慮をしながら事業展開を行う企業として認識されることにより、企業価値向上が期待できる。


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ペーパーレス化を効果的に推進するポイント

ペーパーレス化の重要性は理解していても、実施となると具体的な方法に悩むという企業もあるようです。ペーパーレス化を推進する方法について解説します。

社内体制を整備する

ペーパーレス化を進めていくうえで、もっとも重要なのは業務現場との意識のすり合わせです。トップダウンで強硬にペーパーレス化を進めても、現場の理解を得ていない状態では社員が不満に感じるかもしれません。

ペーパーレス化の意義や目的を明確化し、全社的に共有して施策を実施します。ペーパーレス化のメリットを説明するための勉強会や研修などを実施することで、社内の理解を得やすくなります。

実行役となる推進チームを立ち上げ、段階的に推進するための計画を策定します。具体的な手法・課題を検討しながらスケジュールを組み、その場での思いつきではなく、体系的に推進できる体制を整備することが大切です。

策定した計画にもとづき、ペーパーレス化に向けたシステムの準備を進めます。ペーパーレス化に役立つシステムには、文書管理システムやワークフローシステム、ペーパーレス会議システムなどがあります。多角的に利用する可能性を検討し、導入コストを考慮しながら、自社の業務に適合するシステムを選択します。


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外部サービスの有効活用

自社内部だけでペーパーレス化を推進するには不安がある、ペーパーレス化に多少手をつけてみたものの効果が得られない、という場合には外部サービスを活用する方法もあります。ペーパーレス化推進を支援するサービスやツールとしては、以下が挙げられます。

コンサルティングサービス:ペーパーレス化に向けた取り組み全般について相談が可能です。適切な文書管理方法を一緒に考えて支援するといった、自社の状況に応じた助言を受けられます。
電子化代行サービス:ペーパーレス化に必須となる、電子化を代行するサービスです。紙の書類のスキャンやデータ入力によりデジタル化を実行します。
クラウドサービス:クラウドストレージ・ワークフローシステム・電子契約など、クラウドを活用したサービスで、どこからでも情報へのアクセスが可能になります。
AI OCR:手書き帳票をデジタル化し、取引や各種手続きの記録をデータで保存します。
RPA:パソコンで行う定型業務をプログラムで自動化します。AI OCRとの組み合わせにより、ペーパーレス化がより効果的に進行できます。

意義や目的を社内へ周知する

ペーパーレス化の目的は、コストダウン、業務効率化、セキュリティー強化、など企業によりさまざまです。自社が何を目指し、何をもっとも重視しているのか、その意義や目的を社内へ周知し、意識の統一を図ることが大切です。

管理層だけが躍起になっても、業務現場においての理解が得られていないと計画倒れに終わる、あるいは時間がかかり過ぎて効果が見えないままにうやむやになってしまうといった事態になりかねません。

しっかりと目的を達成するためには、ペーパーレス導入に先駆けた社内への周知徹底が求められます。

効果を見える化する

ペーパーレス化によってどれくらいの効果があったのか、具体的な数値を示して効果の実感ができるようにすることが大切です。

たとえば、紙代や印刷コストがいくら削減できたとか、帳票の整理にかかっていた時間が何時間削減できたなど、従業員が効果を実感できるように効果を見える化して伝えるようにしましょう。

スモールスタートする

ペーパーレス化を全社一斉、すべての業務に対して行うと、現場では大きな変化に戸惑いが生じます。そうした状況は従業員の作業面、精神面で大きな負担となり、混乱を招くだけではなく、ペーパーレス化への取り組みに対するモチベーションが維持出来なくなります。

ペーパーレス化を進める場合は、対応しやすい部署の小規模な業務単位、さらには効率化が期待できるところから進めることが重要です。そしてその効果を全社で共有することで、従業員の意識を高めながら、対応部署や業務を拡大していきましょう。

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ペーパーレス化を確実に進めるためのステップ

十分な見通しもなくペーパーレス導入に踏みきっても、期待した効果が得られず、逆に非効率になったというケースも少なくありません。以前の紙ベースの業務に戻ってしまうことも考えられます。ペーパーレス化を確実に進めていくために、押さえておきたいステップを解説します。

① 現状把握(文書量計測)

現状を把握せずにペーパーレス化を行うのは、現場の混乱を招き、業務効率が低下する原因となります。ペーパーレス化の前には、現状保有する紙文書の量を計測し自組織がどれぐらいの紙文書を保有しているか、他社と比較して多いのか少ないのかを把握し目標を設定しましょう。紙の使用量の把握を行う際には、事前に文書量計測の決まりと手順を策定し、集計が容易かつ正確に行えるように図ります。

② 現状把握(紙プロセス可視化)

現時点で保有する紙文書の量を把握したら、次はどれぐらい紙文書が発生しているかを把握しましょう。目の前の紙文書を減らしても、新たに発生する紙文書が多ければ元の木阿弥です。紙での運用になっている業務プロセスを洗い出し、ルールや処理の変更が可能であるかを検討します。ターゲットとしては、発生量が多く単純な業務で発生する紙文書から手を付けるとよいでしょう。なお、紙を生まないための施策としては文書管理システムやワークフローシステムなどのICTツール導入が有効です。

③ 文書削減ガイドライン 作成

ペーパーレス化を円滑に進めるための、文書削減ガイドラインを作成します。主な内容例には以下のようなものがあります。

概要説明:ペーパーレスにおけるプロジェクト目的、削減目標、スケジュールなどを記載。
紙文書削減を行うにあたっての前準備:紙文書削減内容と実施事項を記載。
紙文書削減の考え方とその方法:実際の削減方法と削減する文書の選別方法を記載。
各種処理方法:廃棄(リサイクル)/倉庫預入/スキャンの具体的な処理方法を記載。
紙文書削減後について:ファイリング方法などについて記載。

④ 文書削減ガイドライン 説明会

削減作業を円滑に実施するために、「文書削減ガイドライン」の内容を各部門の推進担当者に説明。全社的な周知を図ります。

⑤ 文書削減作業

文書削減ガイドラインに従いながら、紙文書削減を実施します。削減作業を推進するツールとしては、以下のようなものがあります。

削減活動進捗シール:キャビネットや書棚などに貼付、進捗状況を見える化。
選別シール:キャビネットや段ボールに貼付し、電子化、廃棄、外部倉庫など処理法を表示。
削減ポスター:オフィス内の各所に貼付し、削減への喚起を図ると同時に実施スケジュールや廃棄文書の集積所の案内などを掲示。

⑥ 削減量調査

削減前の文書量計測結果を基に、削減後の量を調査します。正確を期することにより、ペーパーレス化の効果を明確にできます。

⑦ 実施報告書作成

報告書を作成し、一連の作業による削減の結果を社内に示します。文書量の計測数値を実施前後で比較し、提示することで客観性のある活動報告となります。

コニカミノルタジャパンも2014年の本社移転を機にペーパーレス化を推進し、積み上げるとスカイツリーほどの高さまであった紙文書を86%削減しました。こうしたノウハウをもとにお客さまのペーパーレス化のご支援をしていますので、お気軽にご相談ください。

\ 紙文書削減の進め方をわかりやすく解説 /


ペーパーレスを推進するコツや事例については以下のブログでもご紹介!
ペーパーレス化が失敗する主な原因も記載していますので、ぜひお役立てください。

参考記事

日本企業の特性にマッチするペーパーストックレスという考え方

ペーパーレス化を急ぐあまり、これまで連綿と受け継がれてきた企業文化を無視してしまうと、反感や現場の意識とのズレが生じる可能性があります。特に、創業が古い企業のなかには、代々引き継がれた帳簿や台帳などを企業の歴史として保存しているところも少なくありません。そうした企業にとっては、従来の紙による保存スタイルは定着した作業であるともいえるでしょう。

紙面で読むほうが理解しやすい、手元に置くことで心理的な重要性が増す、といった意見をもつ社員が多い企業では、「紙は一切認めない」というペーパーレス化はあまりおすすめできません。

ペーパーレスは紙を使用しない、つまり紙には出力しないという手法です。これに対して、必要に応じて紙に出力する程度にとどめ、紙での保管を極力しない「ペーパーストックレス」という手法があります。紙の書類での確認を強く求める現場において、柔軟にペーパーレス化を進めていく新しい考え方です。

ペーパーストックレスは紙での出力を認める一方で、保管時には文書を電子化し、サーバーやストレージ保管することを促します。紙のもつ利便性と、データ化による情報の検索性向上や省スペース化を両立する手法なのです。

ペーパーストックレスでは、紙文書のなかで電子化できるものはすべて電子化します。共有書庫や共有ロッカーなどの保存場所を限定し、業務のなかで紙文書を増やさない施策を工夫することで、無理のないペーパーレス化の実現が可能です。

ペーパーレス化は社会の大きな流れであり、企業に求められている姿勢ですが、一度にすべての紙をオフィスから排除するのは困難です。ペーパーストックレスを採用することにより、「紙はダメ」という一律な体制によるストレスや抵抗を軽減できると考えられます。

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自社に合わせた方法を探りながらペーパーレス化を推進

ペーパーレス化への動きは今後も止まることはありません。しかし、やみくもにペーパーレス化を進めると、社内での軋轢(あつれき)や抵抗を生み、ストレスの原因となる可能性もあります。業務に支障が出るようでは、本来の目的を達成できません。ペーパーレス化を着実に進めていくためには、自社に合わせた方法を探りながら段階的に実施することが大切です。

コニカミノルタでは、お客様自身で紙を削減できるよう、レクチャー動画つきのツール「らくらく!文書削減パックツールコース」をはじめ、スキャニングサービスやコンサルティングサービスなど、業務効率向上を目指すオフィスづくりのサポートサービスを多彩に提供しています。書類・文書の業務にお悩みの際には、ぜひ一度ご相談ください。

参考

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【DXのはじめの一歩】プロが教える紙文書削減マニュアル

「事務所に紙が積まれてスペースがない」、「ため込んだ紙をどうしたらよいか分からない」。そんなお悩みをお持ちの方向けに、2013年から働き方改革に取り組み、全社オフィスの紙を86%削減したコニカミノルタジャパンの『文書削減のプロ』が、紙文書削減の効果的な進め方をわかりやすくまとめました!

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