3つの視点で働き方改革!「紙に縛られない働き方」を目指したコニカミノルタの2年間の紙文書削減と文書管理プロジェクト<前篇>


こんにちは!ドキュメントグループのHirayamaです。オフィス移転はそれだけで社員の皆様の意識変革に効果的なものですが、同時に社内の紙文書を見直すことでさらに効果を高めることができます。コニカミノルタジャパンでは、紙に縛られない働き方を目指して2015年から約2年間にわたり「保管文書ゼロ」の取り組みを行いました。この取り組みは、紙文書の削減にとどまらず、紙を発生させない仕組みづくりまで全社で行ったものです。今回を含む全2回の連載で活動内容の振り返りと実施効果、そしてプロジェクト完了の2017年から約2年が経過した現在の取組内容をご紹介させていただきます。

紙に「縛られた」働き方から脱却し、生産性の向上を目指したプロジェクト

まずは、「保管文書ゼロ(ドキュメントストックゼロ)」の取組の背景について少しご説明します。コニカミノルタジャパンでは、2013年からコミュニケーションの改善や生産性向上を目指し、ICTツールの整備、コミュニケーションが取りやすいオフィスレイアウトの変更(フリーアドレス化、コミュニケーションスペースの増床)を行ってきました。しかし業務のやり方に目を向けると、日常の業務処理は紙文書中心であり、コミュニケーションの改善や生産性向上の視点からすると非効率な運用が見受けられました。また当社ではテレワークの導入を検討していましたが、紙中心の働き方ではどうしても「働く場所」に縛られてしまい、会社に行かないと仕事が出来ないという環境でした。この状況を憂慮した当時の社長が「紙に縛られた働き方からの脱却」を掲げ、この課題解決に向けた専任の組織を立ち上げ、活動を始めました。

「ペーパーレス」は目指さない

プロジェクト開始時にプロジェクトメンバーと決めたことは「ペーパーレスを目指すことはやめよう」ということでした。一見本プロジェクトの内容と矛盾しているかに見えますが、メンバーとプロジェクトゴールの方向性について議論するうちに、「完全に紙を無くすことが出来れば、今回のプロジェクトの目的であるコミュニケーションの改善や生産性向上に繋がるのだろうか」という素朴な疑問が浮き上がってきました。例えばですが、会議で売上予算の達成状況を確認する際、プロジェクターで写したエクセルの予算表を見せるよりも、A3用紙で出力した方が断然見やすく、そして分かりやすいかと思います。やはり紙には紙の便利さというのがあり、これを否定しまって完全に紙を出さないやり方(紙の印刷→悪いこと)にすると逆に非効率になるのでは、という結論に至りました。

そこでプロジェクト実現の方向性として
・基本的には電子中心のワークスタイルに変えていく
・ただし紙を使って便利な所は使い、利用用途が終わったらすぐに廃棄する。
この2点を念頭に入れながら、プロジェクトを進めていきました

「ルール」「人」「システム」の3つの視点で改善

さて保管文書ゼロ化の具体的な施策を立案するために、そもそもなぜ紙文書を社内に多く保管し、「紙に縛られた働き方」になっているのかを把握することから始めました。調査はまず各部門に訪問し、保有している紙文書の種類と文書量を計測し、ヒアリングにて業務内での利用方法や利用頻度を確認しました。調査を進めると、その原因は「ルール」「システム」「人」の3つの問題に集約され、それぞれに施策を立てることにしました

<ルール>:文書管理ルールを明確化

社内にある紙で保存が必要な紙は約4割のみだった

調査の中で分かった事実として、社内にて保有する紙文書のうち、明確に保存義務がある紙文書(法令や当社規程で義務付けられている文書)は全体の約4割程度で、残り6割は保存義務がない紙文書でした。その内容は、社内プロジェクトや日々の会議で利用した配布資料、取引様との交渉履歴をまとめたファイル(提案書やメールのコピー、打ち合わせの議事録など)が中心でした。これらは電子データ(Word、Excel、PowerPointなど)でも保有している文書であり、紙と電子で重複保有しているケースがほとんどです。パソコン上で閲覧できるのに、なぜ紙に印刷して保管しているのか… その理由の1つが当社の文書管理ルールの問題でした。

具体的な文書管理のやり方がないことで情報が属人化

当時の文書管理規程では、文書管理に関する基本的な考え方の記載はあったのですが、具体的に文書管理のやり方に関する記述はほとんどなく、紙・電子データとも管理方法は個人の裁量に任せられていました。そのため検索性に乏しく、どこに何の情報があるのかが分かりづらい状態でした。特に電子データを保管するファイルサーバーについては紙文書以上に混沌としており、データを保管した本人でさえも、情報の在り処が分からなくなる事もしばしばあり、「大事な情報は紙で出力し手元で保管、すぐに探せるようにする」という方法が常態化しておりました。このことから現在の文書管理方法が、情報の属人化に繋がり、生産性向上を目指している上で改善の必要があると結論付けました。そこでまず全面的に文書管理のルールを明確にする必要があると考え、特に電子データの取扱については、ファイル名の付与方法やフォルダツリー作成の考え方を具体的にし、文書管理規程へ反映をさせました。

<システム>:紙ベースの業務フローを電子にて処理

ワークフローは業務フローを改めて確認し、部門をまたぎ一気通貫でシステム導入を

先ほど明確に保存義務がある文書は全体の4割と記載しましたが、その主な内訳は①社内業務で利用する申請書または報告書 ②請求書や領収書、注文書などの税務証憑類③顧客および取引先との契約書 に大きく分けられました。これらについては現在紙ベースの業務フローから電子中心の運用に切り替えることが出来ないかを検討しました。
まず①の社内業務で利用する申請書類です。稟議書の一部については既に電子ワークフロー化されていましたが、それ以外の社内申請書のほぼすべてが紙を利用した運用でした。当たり前の話ですが紙の場合、原本を承認者へ物理的に回す必要があるため、決裁に時間を要することがあります。また外出が多い営業は、1つの申請書を書くために直帰できる時間帯でも帰社し、作成することがよくありました。これらのことは「紙に縛られた働き方」からの脱却を目指している我々としては、何としても解消させたい事項であり、そこでワークフローシステムの導入を決定しました。

ただし単純に現在利用している申請書をワークフローシステムへ置き換えたわけではありません。社内の業務には繋がりがあり、その業務の節目で何かしらの社内申請が行われます。そこで各申請書が決裁された後、次にどの業務と紐づいているのかを洗い出していきました。例えば企業内で何かしら設備投資を行う際は、まず見積依頼を行い、その後金額に応じて必要な稟議を起案し、決裁後に購買申請、最後に固定資産登録と一連の流れがあります。よくあるケースとして、この一連のプロセスが1つのシステムで一気通貫されておらず、途中で紙を発生させてしまうことがあります。このようなことがあっては、せっかく素晴らしいITシステムを入れても効果は半減してしまいます。1つのシステムで業務が完遂するように、各部門と協力し業務の流れを確認し、システムを稼働させました。

外部からの紙文書はスキャニングのフローを検討

次に②請求書や領収書、注文書などの税務証憑類と、③顧客および取引先との契約書についてです。これらの文書は外部から紙として受領するものがほとんどであるため、最初から電子で行う運用は難しく、スキャニングを行ってどのように業務フローへ組み込むかを考えました。

まず注文書についてですが、当社の内部統制における運用で、受注処理を行う際は担当者が注文書のスキャニングデータを、受発注システムへ取りこまないと処理が進まない運用にしていたため、ここについては現状の運用を継続させました。

さらに請求書、領収書、そして契約書についてですが、受領後スキャニングを行い、自動的に指定のストレージへ格納する流れを構築しました(原本はスキャニング後外部倉庫へ移管)ちょうどタイミングがよく当社内で、このような業務を行うための最適なツールが開発・販売されたため自社実践の事例を作るためにも、積極的に活用しました。ただしスキャニングを行ったのは、この運用が開始された以降の文書としました。何故なら過去の文書まで遡ってスキャニングを行うと、莫大な時間とコストがかかり、効果が出しづらいと判断したためです。そこで過去の文書は保存年限を経過するまですべて外部倉庫内で保存することにしました。

トップからの明確な呼びかけがプロジェクト成功のカギに

さて、今回は保管文書ゼロの取り組みの背景と具体的な取り組みのうち、「ルール」と「システム」についてお話いたしました。紙文書の削減は、ただ紙を捨てるということだけでも大変ですが、業務がどう改善されるのかを見越した運用の改善や定着、システムの導入、オフィス環境の改善など全社的・包括的に行うことで本当の働き方改革につながってきます。当社が取り組んだ「保管文書ゼロ」の取り組みは「紙に縛られた働き方からの脱却」というトップからの明確なテーマによる呼びかけにより、一貫性を持って全社的に取り組むことができたと考えています。

後編となる次回は、作成したルールや導入したシステムをどう「人」に定着させていったのかという部分の取り組みと、効果についてご紹介させていただきます。

【事例から学ぶ】失敗しない働き方改革のためのガイドブック

働き方改革を成功させるためのポイントやよくある質問をコニカミノルタが2013年から実践してきた事例を踏まえて解説しました。失敗したことやその改善案も含めて解説していますので、働き方改革に向けて必読の一冊です。

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