『オフィス移転マニュアル』
計画策定の進め方~設計・デザインから移転当日まで全行程を網羅。自社の大規模移転や100社以上のサポート経験をもとに具体的な実施内容や進め方のポイントを解説!ぜひご覧ください。
オフィス移転時には、膨大な量のやるべきこと(=タスク)が発生します。必要な諸手続きや届出にはどのようなものがあり、何をいつまでに完了させるべきかを正確に把握しておかなくてはなりません。これらの役割を担うのは、一般的に総務部門です。
今回は、オフィス移転に向けた準備とオフィス移転後に発生する総務タスクを、項目ごとにわかりやすく解説します。オフィス移転に伴うタスクをスムーズに進めるポイントとともに見ていきましょう。
目次
オフィス移転時に総務タスクが重要な理由

そもそも、なぜオフィス移転時に総務タスクが重要視されるのでしょうか。結論からお伝えすると、移転プロジェクト全体を把握し、諸手続きや届出を漏れ・滞りなく進める必要があるからです。
オフィス移転時には膨大な量のタスクを同時並行で進めなくてはなりません。各タスクを着実に実行しつつ、適切に進捗管理を行うとともに、プロジェクト全体が問題なく進行しているかどうかを総合的に判断することが求められます。移転プロジェクトを統括するポジションとして、総務部門の機能が不可欠です。
オフィス移転準備のための総務タスク

ここからは、具体的な総務タスクを項目ごとに解説していきます。まずはオフィス移転に向けた準備段階で発生するタスクを見ていきましょう。
【オフィス移転準備のための総務タスク一覧】
✓ 解約手続き・原状回復工事の手配
✓ 新オフィスの工事手配
✓ 引っ越し業者の手配
✓ 各種変更手続き
✓ 移転マニュアルの作成
✓ 取引先への案内
解約手続き・原状回復工事の手配
オフィス移転の時期が決定したら、現在のオフィスのオーナーや管理会社に連絡し、解約手続きを進めましょう。解約予告の期限は契約内容によって異なりますが、一般的には退去日の6カ月程度前に設定されているケースが多く見られます。
引渡日が確定したら、原状回復工事を行う業者を選定し、見積もりを取り寄せます。内装工事業者が事前に指定されている場合がある点に注意してください。あわせて敷金・保証金などの返還の有無や、解約後の精算方法などについても確認しておくことが大切です。
新オフィスの工事手配
新オフィスの物件探しを進め、入居先の物件を決定します。新オフィスのレイアウト作成やオフィス家具の選定、電気通信工事の手配など、移転後すぐに業務を開始できるように各種手配を進めておくことが重要です。
現オフィスから新オフィスへ搬送する物品・新たに購入する物品・廃棄する物品を選別しておくのも大切なタスクの1つです。オフィス向けの什器は納品までに期間を要するケースも少なくないことから、納期が間に合うかどうか移転計画と照らし合わせて慎重に判断する必要があります。
引っ越し業者の手配
引っ越し業者の選定と見積もり依頼、契約の締結も重要な総務タスクといえます。オフィスレイアウトや搬送する什器が確定した時点で、引っ越し業者の選定に着手しましょう。
引っ越し業者と一口に言っても、オフィス移転に特化している業者もあれば、一般家庭の引っ越し作業を兼ねている業者もあります。見積もりを確認する際には価格面だけでなく、法人の引っ越し作業に関する実績を考慮した上で業者を選定するのがポイントです。
各種変更手続き
電気・ガス・水道や通信関係(電話回線・インターネット回線)、金融関係(銀行・信用金庫)の住所変更手続きを進めておく必要があります。いずれも基本的には移転時期が決定次第、手配を進めておくのが得策です。近年はWebサイト上で変更手続きが完結できるケースも増えているため、手続き方法についても事前に確認しておくことをおすすめします。
移転マニュアルの作成
社内向けの移転マニュアル作成も、重要な総務タスクの1つです。移転のスケジュールや各部門の役割分担、新オフィスのレイアウトなどの手引を作成し、適宜説明会などを開催して周知徹底を図りましょう。
スケジュールが正確に伝わっていなかったために取引先や顧客への移転通知が遅れてしまったり、新オフィスでの通信環境などに関する説明が不足していたことが原因で業務が滞ったりするのは避けなくてはなりません。従業員にあらかじめ伝えておくべきことが漏れなく記載された移転マニュアルを用意することが大切です。
取引先への案内
取引先に移転の案内を送付する準備を進めます。移転の2〜3カ月前を目途にお知らせを送付するのが一般的です。案内の送付先に漏れや重複が生じることのないよう、送付先をリストアップしておく必要があります。最近取引を開始した企業や住所が変更されている企業がないか、各部門の担当者にリストをチェックしてもらうことが重要です。
多くの場合、各担当者からメールなどで移転案内を送付後、会社として正式な挨拶状を送付します。挨拶状の印刷や郵送には一定の期間を要するため、早めに準備を進めておくのがポイントです。
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