「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい!新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。
毎日多くの時間を過ごす職場だからこそ、おしゃれな空間にしておきたいもの。とりわけオフィス移転は、レイアウトや設えを変える絶好のチャンスです。社員のモチベーションアップにもつながるようなおしゃれで働きやすいオフィスに変えるためのポイントをまとめました。
目次
オフィスは「働く場所」
多くの企業にとって、オフィスは社員が毎日過ごす重要な場所であり、環境次第で社員のモチベーションも変わります。移転を機におしゃれなオフィスを目指すのはいいけれど、同時に「働きやすい環境づくり」を意識しておくことが大切です。見た目のおしゃれさばかりを追求してしまい、結果的に不便なオフィスになってしまっては、本末転倒というもの。忘れがちですが、オフィス移転やレイアウト変更を検討する際には、改めて「働く場所」であることを心に留めておきましょう。
また、働きやすいオフィスをつくるためには、「自社のワークスタイルに最適なレイアウトを知る」ということでもあります。例えば、コールセンターのような業務が中心の部署の場合、おしゃれだからという理由でフリーアドレスを導入しようとしても、かえって働きにくくなってしまう可能性があります。まずは自社の業務に合ったオフィスのスタイルを知り、そのうえで、レイアウトを検討するとよいでしょう。
おさえたい!おしゃれオフィスのためのポイント
移転するオフィスのデザインは専門の業者に依頼するケースがほとんどでしょう。しかし、おしゃれなデザインのオフィスを作りたいと思っていても、指示が曖昧だとデザイン面においてもズレが生じてしまい、ちぐはくなオフィスになってしまいます。そこで、希望のオフィスデザインを指示するためにも、おしゃれになるポイントをおさえておきましょう。
コンセプトを決める
まずは、明確なコンセプトを立ててみましょう。決められたコンセプトに従って設計された空間は、統一感があり、おしゃれでモダンな印象を与えます。例えば、高額な商品を取り扱う企業であれば、高級感を前面に出したデザインで来客への効果を狙ったり、一体感を与えるようにコーポレートカラーで統一したりと、自社のイメージに合う方向性を考えてみましょう。コンセプトがはっきりしていればデザインを担当する業者にとっても作業が進めやすく、結果的にコスト削減にもつながります。
照明を調節しよう
空間の演出に照明は欠かせません。オフィスだからといって明るければよいというものでもなく、それぞれの空間に応じて明るさを調節することが大切です。トータルな空間演出を実現しながら業務を妨げることのないように、デスク上にスポットライトを配置するような個別の照明を導入することも検討できるでしょう。
配色にこだわる
おしゃれなオフィスデザインは、配色にもこだわりたいところ。カラーコーディネートが難しいと感じるのであれば、ニュートラルな色がおすすめです。面積が大きく、視野に入りやすい壁紙や家具は白やグレー、セピアといった中間色を中心にコーディネートするとよいでしょう。奇抜な色遣いをしたい場合には、目に負担のない配色を選ぶことも忘れずに。
リフレッシュスペースの設置
イマドキのおしゃれなオフィスに欠かせないのがリフレッシュスペースです。働きやすい環境づくりに役立つだけでなく、おしゃれ感を盛り上げてくれるスポットライトにもなります。例えば、ソファを設けたりバーカウンターを設置したりして、執務スペースとのメリハリをつけるのがポイント。なかには運動不足やストレス解消のためにボルダリングができる壁を設置している企業もあり、独自のリフレッシュスペースを考えてみるのもよいでしょう。
植物を取り入れる
観葉植物の効果的な活用を考えるのも一つの手です。植物を置くことでオフィスにグリーンの配色を持たせることができ、おしゃれな印象を与えることができます。さらに、植物によるリラックス効果はストレス軽減や仕事の生産性向上に一役買うだけではなく、空気清浄化や保湿効果もあり、オフィス環境を整える際の重要なポイントの1つといえます。来客用スペースにはオーガスタのような大きめの植物で柔らかいイメージを演出し、執務スペースにはポトスやサボテンのような邪魔にならない植物を細かく配置するなどして、スペースごとに植物の種類を変えてみましょう。多くの種類があることから、観葉植物の選び方だけで他とは違う個性を出すことも十分可能です。
おしゃれなオフィス事例3選
最後に簡単に国内外におけるおしゃれなオフィスの事例をご紹介します。
エンジニアのストレス軽減を目指す:ヴェルク株式会社
2010年に設立されたヴェルク株式会社は、システムの受託開発やクラウド型業務を提供するベンチャー企業です。しいて言えば「エンジニアがいつまでもエンジニアを続けられる場所をつくること」が経営理念にあたると代表取締役の田向祐介氏が語っています。そんな思いはオフィスにも反映され「エンジニアが家のようにくつろげるオフィス」を実現しています。受付から会議室、執務スペースまで全体として木目調で統一されており、落ち着いて仕事ができる環境になっています。また、限られたスペースを有効利用するため、植物を効果的に配置してパーテーションがわりに。木材を使った個々の内装はなんとDIY製作とのことで、まさに少人数のエンジニアのためだけにつくられた世界で1つだけのオフィスだといえるでしょう。
2018年度の日経ニューオフィス賞を受賞:三菱地所株式会社
次にご紹介するのは、2018年度の第 31 回 日経ニューオフィス賞」において最高の賞である「経済産業大臣賞」を受賞した三菱地所株式会社です。同社は2018年1月に新オフィス移転をおこない、オフィスコンセプトとして「Borderless! x Socializing! from MEC PARK」を挙げています。パークという単語が示すとおり、公園のように多様な人材が集まって常に新しいアイデアが生まれ続ける場となることを目指しているのだとか。その最大の特徴は、フロアや用途など個々のスペースを独立した空間としてデザインしたこと。これはActivity Based Working(ABW)の考え方をベースとしており、靴を脱いでクッションに座りながら作業できる「コンセントレーション&リラクゼーション」スペースから、まるでレストランのように仕切りのない区画の中に複数のテーブルが設置されている共用スペースまで、それぞれの業務に応じて好きなときに好きな場所で仕事ができるように設計されています。「公園」と「ボーダーレス」のコンセプトを追求しており、色調としてはここでも木目調と緑が目立ちます。大規模なオフィスを丸ごと公園に変えることで、内外のコミュニケーションの活性化と組織のあり方そのものを変革させようという非常に独創的な試みといえるでしょう。
ユニークな空間演出でクリエイティブに:Googleスイス社
海外事例としておさえておきたいのが、世界最大のグローバル企業の1つ、Google社です。同社は“大学のように運営されている”とも表現されるような、他社とは違った働き方を掲げていますが、オフィスにもそうした思想が反映されています。それは、よく知られた米国本社だけではなく、各国支社においても実現されているようです。1例として、スイス・チューリッヒにあるオフィスは、外から見るとまるでガラスの箱に虹がつまっているかのように、同社のロゴにも使われている赤・青・黄色がそれぞれの階の天井を彩っています。イギリスのガーディアン紙に「なぜGoogleチューリッヒではオフィスで遊ぶために給料が支払われているのか」という記事が書かれるほど、徹底して“遊び”に焦点を当てている点にも注目です。茶色を基調としたクリスマスを思わせるカフェテリア、絶妙なバランスで明るすぎないグリーンを使ったソファでくつろげるスペースはほんの序の口。観覧車のゴンドラに座って話ができたり、滑り台で下の階に降りたりと遊園地さながらの仕掛けが満載です。さらに実際のアクティビティとしてもボルダリングやビリヤードを楽しめるようになっており、楽しむことによって型にとらわれない新しいアイデアを次々と生み出していこうという心意気が強く感じられます。
移転を機にデザインやレイアウトをおしゃれに変えてみよう
おしゃれなオフィス環境は、内部だけではなく外部にアピールする力も秘めています。「こんな職場で働きたい」と思わせれば採用活動にもプラスになる可能性もあるでしょう。オフィス移転はそうしたデザインやレイアウト変更の絶好のチャンス。立ち退きの作業は大変ですが、新オフィスのデザインについてもしっかり計画したいものです。
コニカミノルタのオフィスデザインでは、自社のデザイナーがお客様の働き方に合わせたデザインをご提供いたします。おしゃれなオフィスのデザインにお悩みであれば、ぜひお問い合わせください。
「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい!新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。