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フリーアドレス導入時の陥りがちな失敗例と対処法
フリーアドレスを導入した際に陥りがちな失敗例と対処法について解説します。
フリーアドレスなのにいつも同じ席に座ってしまう
フリーアドレスであるにもかかわらず、従業員がいつも同じ席に座ってしまうような状態では、導入前と変化がありません。業務改善が見られない、他部署との連携がとれないなど、導入する意味がほとんど得られなくなります。そのような場合には、以下の対処法が考えられます。
上司が率先的に席の座り方に関与していく
フリーアドレスを導入する際、その目的をしっかりと伝えるようにすると効果的です。さらに、上司や役職者から率先的に違う席に座るなど取り組みを行うことも重要です。
異なる席に座るためのルール整備をする

コニカミノルタ大阪オフィスにある席替えツール
具体的には、ルーレットやフリーアドレスの座席決定アプリを使用してゲーム感覚で決めたり、週に一度シャッフルデーを設定したりするなどの手法が考えられます。座席をランダムにすると業務に大きな支障が生じる場合には、チームごとでのシャッフルにするなどの工夫をしましょう。
座席は変わってもいつも同じメンバーで固まってしまう
座席自体は動いていても、いつも同じメンバーで固まってしまうという問題も起こりえます。その場合には、以下の方法を試してみるとよいでしょう。
ジグザグレイアウトにすることで、他部署のメンバーと接触する機会を増やす

コニカミノルタ浜松町オフィス
デスクの配置をあえてジグザグにすることで、デスクの近くを通る際に自然にコミュニケーションが生まれるようになります。
部署ごとにフロアを分けない・パーティションで目隠しをしない
部署ごとにフロアや部屋を分けないようにしたりパーティションを取り払ったりするなど、物理的な壁を取り払う手法もあります。近年の傾向として、分散した複数のフロアから1フロアのメガオフィスに移転する企業も増えています。
部署内でのコミュニケーションが低下してしまう
他部署とのコミュニケーションを意識しすぎるあまり、部署内でのコミュニケーションが低下してしまうこともあります。あるいは、直接口頭で伝えていた内容がチャットツールに置き換わってしまうこともあります。
部署内でのミーティングの場を設ける
朝礼や週ごとのミーティングなど定期的なミーティングの場を設けて、些細なことでも共有しあえる場を設けます。
完全フリーではなく、グループフリーにする
グループフリーでの対応について、実例を1件紹介します。
東和エンジニアリング様のオフィスでは、完全フリーアドレス化後の従業員アンケートで、「他部署とのコミュニケーションは高まったものの、部内のコミュニケーションが希薄になってしまった」という傾向結果が出ました。この意見に対する改善策として、「週に一度はグループフリーアドレスにする」という運用改善を実施されています。グループフリーでの実例のように、従業員の声に耳を傾けながら、それぞれの職場環境に合う環境を整えていく姿勢が重要です。
オープンにすることにより業務効率が下がってしまう
パーティションの垣根をなくし、人が絶えず移動する職場環境においては、業務効率が低下してしまうリスクも想定されます。主な対策は以下のとおりです。
ひとりで作業に集中するスペースを設ける
個別のブースなど、集中して作業に取り組めるスペースを設けます。
ひとりで集中する仕事とチームで協力する仕事のメリハリをつける
「この時間はひとりで集中して作業をする」など、メリハリを意識したスケジュール管理が大切です。