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コニカミノルタの新オフィス『つなぐオフィス』コンセプトブック
2021年5月に本社オフィスをリニューアルしたコニカミノルタが考えるニューノーマルな働き方を実際のオフィスの様子と共にご紹介しております。これからの働き方や働く場所のご参考に、ぜひご覧ください。
近年の働き方改革の推進に加え、コロナ禍の影響もあって、オフィスのあり方が大きく変化しています。テレワークの浸透により、フリーアドレス制を導入した企業も多いのではないでしょうか。開放的なオープンスタイルを採用する企業が増えるなか、集中スペースへの注目度も高まっています。社員のパフォーマンス向上においては、活発な社内コミュニケーションと個人業務への集中の両立が重要です。ここでは集中スペースが求められる理由や、集中スペースの設置方法、設置を検討する際のポイントについて解説します。
オフィスにおける集中スペースとは
はじめに、現代のオフィスにおける集中スペースの概要と、求められる要素を説明します。
集中に特化した個人的スペース
オフィスの集中スペースとは、複数の社員との交流を目的としたコミュニケーションスペースに対して、個々の作業に集中できるスペースのことを指します。
作業効率を最優先とし、情報のインプットや資料作成などの個人で行う作業を想定したつくりとなっています。また、自席での作業中に場所を移動して気分を変えたい、さらに集中したいといったときに使う場合もあります。
集中スペースに求められる要素
集中スペースに求められるもっとも大切な要素は、集中して作業を進めやすい「隔離」された環境です。そのため視覚的な遮断や遮音、人の気配を気にせずに没頭できる落ち着いた個室であることが重視されます。
また、集中して作業を行うために、持ち込んだパソコンと接続できる大型モニターが設置されているといった、使いやすい作業環境が整っていることも重要です。
つまり、集中スペースには「作業しやすい環境が整っていること」、「ブースやパーティションなどで囲われ、集中できる個室環境であること」そして「シンプルなデザインで統一された、落ち着ける環境であること」の3つの要素が求められているといえるでしょう。
集中スペースが重要である理由
オフィスの形態が多様化するなかで、集中スペースが特に必要とされる理由を紹介します。
集中スペース設置のメリット
集中スペースは、リラックスしながら集中できるという点が大きなメリットです。集中スペースを利用することで、他人がいると落ち着かない、人目が気になる、作業中の業務内容をのぞかれたくないなどの社員の心理的圧迫を軽減できます。同時に、他愛無い雑談を振られたり、業務上の質問を投げかけられたりして、作業への集中が途切れるという事態も防げます。社員が業務に集中できる環境を整えられることも、重要なメリットといえるでしょう。
自席以外で個室型の作業環境が得られるのも、集中スペース設置のメリットです。気分が変わり発想力への刺激となる可能性もあります。
また、Webブースや小さめの会議室などのクローズドなスペースでは、相談・面談、1on1ミーティング、遠隔コミュニケーションにも活用が可能です。周囲に邪魔されない環境が得られると同時に、周囲へ気兼ねなく会話できます。
集中スペースの設置により、最近増加しつつあるオープン型オフィスのデメリットを補完する効果が期待できます。
集中スペースを求める声は多い
一般社団法人日本オフィス家具協会が実施したアンケート調査によると、アフターコロナのオフィスで充実させたい機能として、「ひとりで集中できる場所」が筆頭に上がっています。集中スペースの優先度が高い理由としては、在宅勤務の家庭環境で業務に集中する場所の確保が難しいという点があります。
また、オフィス内にいながら一人ひとりの社員が個別に参加するWeb会議が増えたことも、区切られたスペースを求める理由のひとつです。音漏れの問題が生じれば、互いの業務の妨げとなります。
コロナ禍により働き方の多様性が増し、オフィスの役割に変化が見られるいま、集中スペースはワーカーの切実なニーズとなっています。
集中スペースの設置例
集中スペースを設置する際の、一般的な例を紹介します。
家具による集中スペースの確保
集中スペースを構築するオフィス家具の例として、ハイバックソファの活用があります。
囲み配置により、簡単にスペースを区切ることが可能です。移動も容易で、壁で仕切るなどの工事も不要。わずかな場所があれば、簡単な集中スペースの確保ができます。家具の仕様や配置法によっては、視覚的遮断や適度な遮音も可能です。
パーティションの活用
パーティションで空間を区切るのは、安価で手軽な方法としてよく活用されています。配置の自由度が高く、選ぶパーティションの高さによって多彩なスペースづくりが可能となります。ただし視覚的遮断は可能ですが、遮音に関しては大きな効果は期待できません。
完全個室型ブース席
ブース席の設置は、ほかの方法と比べて高い視覚的遮断、遮音効果が実現できます。現在はさまざまなタイプのブース席があるので、比較的小さなスペースでも個室の設置は可能です。個室タイプの集中スペースは、最近ではWeb会議用のブースとしてもニーズが高く、多目的に使うことができます。
集中スペース設置のポイント
集中スペースを設置する際に押さえておきたいポイントと、コニカミノルタの集中スペース構築「High focus」を紹介します。
集中スペース設置検討に向けたポイント
- 設置目的・自社状況の把握:
方向性が定まると、形状やレイアウトを決めやすくなります。どのような集中スペースが求められているのか、ニーズを把握することで、無駄のない稼働率の高いスペースづくりが可能です。
- ワークスペースからアクセスしやすい:
集中スペースは、必要なときにいつでも気軽に使えるようでなければ意味がありません。ワークスペースから離れすぎず、アクセスしやすい動線を考えます。
- 業務に必要な環境整備:
コンセントやWiFi、モニターなどの設備やクラウドの活用により、作業に必要な環境を整えます。
- 運用ルールの設定:
集中スペースの周囲では雑談を禁止する、MTGは専用のスペースのみの実施とするなどの運用のルールを策定し、社内周知を行います。
- 改善に向けた取り組み
運用しながら定期的に社内の意見を収集し、改善に活かします。利用者の意見を取り入れることで利便性を高め、さらに活用度を向上させられます。
コニカミノルタの「High focus」のご紹介
コニカミノルタでは、働く価値を高めるオフィスづくりを目指し、「High」クオリティーなゾーニングを行っています。そのひとつ「High focus」は、外部からの刺激を遮断し、目的に焦点を当て没頭するスペースが確保されたエリアです。
業務内容や利用者によって、適切な家具の色や形があり、形状やカラーが集中力にも影響します。エリア内には形状・環境の異なる5種類の集中席を設置しています。単に家具の色や形が違うというだけではありません。作業スペースのサイズが大きいか小さいか、作業環境はオープンよりかクローズよりかという違いもつけられており、必要とする物理的な広さと精神的な開放感に合わせて選べるようになっています。
また、光の量や色といった環境と生産性の関係にも注目し、より集中力を上げられる「高集中空間」も提供しています。活発な協働を目的とするコラボレーションエリアや、機密性が重視されるセキュアエリアとの境にはサウンドマスキングを導入し、集中力の低減を防ぐことで効果的なゾーニングを実現しています。
コロナ禍で利用頻度が高まっている「WEB会議ボックス」については、設置位置と利用頻度の関係を探ることで最適な台数とエリア配置の調査をしていきます。時代のニーズに対応し、快適さと利便性を追求したオフィスは、業務効率向上に大きく貢献すると考えられるでしょう。
自社のオフィスに最適な集中スペースを検討する
さまざまなメリットや機能を持つ集中スペースは、現在のオフィスの形状に関わらず、設置の検討がおすすめです。企業側が働きやすいオフィスを目指して改善を進め、社員に快適な業務環境を提供することが効率化・生産性の実現につながります。集中とコミュニケーションのバランスが、社員のパフォーマンスを十分に引き出し、アイデアの創出を後押しすることにつながるでしょう。
コニカミノルタでは、これからの働き方が体感できる「オフィス見学ツアー」を開催しています。集中スペース設置の参考に、ぜひ一度ご参加ください。
「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい!新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。