生産性向上の実現に向けて
製造業が行うべき取り組みとは?
現状と方向性について解説


製造業が生産性向上を目指すうえでの課題

製造業が生産性の向上を目指すうえでの課題として、主に以下のようなことが考えられます。

リスク対応範囲の拡大

製造業を含む企業運営においては、リスク対応が常に求められますが、近年その範囲は拡大し続けています。これまで想定されていたのは、自然災害のような局地的な被害によるリスクで、工場や輸送網といった、直接製造や配送にかかわる一部の被害が主な対象とされていました。

しかし、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、より広くサプライチェーン全体にかかわるリスク対応が必要であることが示されました。たとえ工場が稼働していても、部品や原材料の供給が滞る、取引先が業務停止するといった状態では動きがとれなくなります。広範囲にわたるリスクを想定した、サプライチェーンマネジメントが求められる時代になったのです。

製造業の生産性が下がる大きな要因である人材不足

製造現場でのオペレーションにおける人員の絶対数の不足は、円滑な生産を阻む大きな要因です。国内人口の減少に伴う生産年齢人口割合の低下を受け、この先も大きな改善は難しいと予測できます。各製造工程に必要とされる人員数が確保されていなければ、生産性を上げるのは困難です。加えて、ベテランと新人の人員バランスの悪さも、生産性低下の原因となります。指導役がおらず、現場のスキル不足が深刻な問題となっている企業では、作業の質を上げるところから取り組まなければならなくなります。

働きやすい環境づくり

若手や女性の活躍、高齢者雇用へも期待が高まり、働きやすさや快適な環境による働き方・働く環境の整備も重要となってきています。業務時間の設定や働く場所についての柔軟性、オフィスや作業場のグローバルデザイン化、心身の健康を保つための施策や施設整備など、幅広い層が活躍できる環境の提供が求められます。

モノづくりの現場とリモートワークとの折り合いの難しさ

コロナ禍の影響を受け、テレワークが社会に浸透しました。しかし製造業の現場の多くは、そうした新しい働き方の受け入れが容易ではありません。ホンダが三現主義へと回帰する方針からも見られるように、企業としての方向性をどのように決めていくのか悩ましいところです。

オペレーションが標準化されていない

多少経験不足の人員のみであっても、オペレーションが標準化されていれば、基本的な操作だけでも均質な作業が可能となります。

オペレーションが標準化されていないことの弊害としては、工程のある部分でミスの発生率が高くなる、待ち時間が発生して作業効率が悪いなどの状況が発生します。

また、在庫管理が適正化されていないと、製造リードタイム全体が長くなり、取引先からの信頼が低下するおそれがあります。

製造業のなかでも、部署や担当する業務によって環境は異なります。どの方法が良いということではなく、自社事業のなかで各部署に所属する従業員の働き方と、1人当たりの生産量をいかに向上していくかに目を向けることが求められます。

参考記事

生産性を向上させるための考え方

企業全域を視野に入れた改善策を設計

製造業では、製造現場(工場)と執務室(オフィス)が分離されていることが多いため、効率的な情報共有やリソースの移動がポイントとなります。

複数の職場であっても生産性を落とさず、かつ働き方の改善を進めるためには、多様な働き方を支える精度の高いシステムのほか、働く環境、業務、インフラを総合的に設計することが必要です。

“ヒト”を中心に考えた働く環境づくり

誰もが安全に動ける作業スペースや、業務負担軽減のためのペーパーレス化の促進、ストレスのかかりにくい環境への配慮など、効率のみにとらわれない環境づくりへの配慮が最終的には生産性向上にもつながります。

生産にかかわる数値の明確化・目標設定

生産性の向上に向けて、現実的に現状を把握することが重要です。正確な現状把握と分析がなければ、改善は不可能です。IoTを導入して状況を具体的な数値で把握し、各プロセスで目標設定を行いながら、細かな改善を進めていきます。

生産工程の見直し

状況把握によってロスの発生、ボトルネック化する箇所を明確化します。各工程や課題を可視化するためにはモニタリングの実施、現場の声の収集などが有効手段です。集めた情報から課題を抽出し、改善に向けて工程の見直しを行います。

戦略的な製造DXの推進

DXは一部分のみの自動化やデジタル化ではなく、それらを活用したビジネス全体の改革を指します。DXを推進していく際、業務環境のオンライン化と先にあげたデータの収集が起点となります。

DXでは最終的な目的の設定が重要です。また、一度に結果を求めずに効果の高い分野から成功体験を重ね、次第に拡大していくのが、着実に進めるための有効策となります。

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