フリーアドレスのメリット・デメリットとは?
運用面の問題を解説


見失いがちな“目的”から考える!フリーアドレス導入マニュアル

フリーアドレスの目的から導入手順のほか、“全員でのフリーアドレスは難しい” という場合の選択肢、導入後の課題と解決策までまるっとご紹介!オフィス改善のヒントに、ぜひご覧ください。

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フリーアドレスのイメージ

近年、働き方の多様化に伴いオフィスにもさまざまスタイルが登場しています。そのうちの1つが「フリーアドレス」です。

今回は、フリーアドレスのメリット・デメリットをはじめ、フリーアドレスを導入しやすい企業・導入しにくい企業の特徴について解説します。実際にフリーアドレスを導入する際の手順にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。

フリーアドレスとは

はじめに、フリーアドレスとはどのようなオフィスのスタイルを指すのか、定義や導入する目的について解説します。フリーアドレスを導入する企業が増えている背景とあわせて整理しておきましょう。

社員が各自の自席を持たないオフィスのスタイル

従来型のオフィスでは社員ごとに席が割り当てられ、毎日決められた席に座って仕事をするのが一般的でした。フリーアドレスでは各社員の席が決められておらず、業務内容やその時々の状況に応じて自由に席を選ぶことができます。

固定化された席がなくなるため、社員は必然的に各自のPCをはじめ業務に必要な資料などを持って移動することになります。「自席」という概念がないのが、フリーアドレスの大きな特徴です。

フリーアドレスを導入する目的

フリーアドレスを導入する目的として、主に次の3点が挙げられます。

1. スペースの有効活用

1人1台ずつデスクを割り振る必要がなくなり、出社している社員のみデスクや椅子を利用するため、スペースを効率よく活用できます。外出が多い社員が離席している時間帯も、無駄なく空間を利用しやすくなるでしょう。

2. コミュニケーションの活性化

席が固定化されなくなることにより、毎日異なる社員とコミュニケーションを図る機会がもたらされます。所属部署やチームの垣根を越えたコミュニケーションが可能になるでしょう。

3. アイデア創出の促進

業務では直接関わりのない社員とも話す機会が増えることにより、従来とは異なる意見や考え方に触れられます。こうした会話から化学反応が起き、新たなアイデアが創出される可能性も十分にあるのです。

フリーアドレスを導入する企業が増えている背景

フリーアドレスを導入する企業が増えている背景には「働き方の多様化」と「IT技術の進歩」という2つの要素があります。

リモートワークや時短勤務など多様な働き方が広まる中で、自席を固定するオフィスのスタイルが働き方の実態に見合わなくなるケースが増えました。たとえば、週の半分はリモートワークに従事する社員が大半を占める企業では、在籍社員数に対して実質的な出社人数は半分程度となるでしょう。およそ半分は空席の状態となることから、オフィスの稼働率という点で効率的とはいえません。

また、IT技術の進歩によりペーパーレス化やクラウド化に伴い、就業場所を選ばない働き方が実現可能になりました。ネットワークに接続されたPCさえあれば、どこにいても仕事を進めることができます。社員が常に同じ席で業務を進める必然性がなくなり、フリーアドレスのような自由度の高い働き方が可能になったのです。

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フリーアドレスのメリット

フリーアドレスを導入することにより、企業・社員はともに多くのメリットを得られます。具体的なメリットについて見ていきましょう。

メリット1:オフィスのスペースを有効活用できる

フリーアドレスへと移行することで、オフィスのデッドスペースが生じにくくなります。実際に出社する人数に絞って席数を用意することにより、スペースを効率よく活用できるからです。

たとえば、外勤の営業職は日中ほとんど社内にいないことも想定されます。リモートワークで就業する社員の中には、週のうち数日のみ出社するケースもあるでしょう。実際に椅子を利用する人数を考慮して席を用意することで、オフィスの稼働率を最大化する効果が期待できます。

メリット2:部門の垣根を越えたコミュニケーションが可能

席が近い社員が固定されないため、毎日新鮮なコミュニケーションを図りやすくなります。偶然近くに座った社員が自分と同部門とは限らないことから、部門の垣根を越えたコミュニケーションが可能になるのです。

席が固定されていれば話す機会を得られなかった社員とも、自然と会話が生まれるでしょう。こうしたコミュニケーションを通じて社内の人脈をより豊かにし、横のつながりを強化できます。

メリット3:従業員の満足度が向上する

業務内容やその日の気分によって働く場所を選べるため、より柔軟な働き方を実現しやすくなります。自分の意思で決められる範囲が広がることで、従業員の満足度が向上するでしょう。

自席が固定化されている場合、席の位置によって空調の当たり具合に差が生じがちです。冷房に当たりすぎて体調を崩す社員が現れるケースも想定されます。また、座る位置によって日当たりが著しく異なったり、環境(賑やか/静か、暗い/明るい、狭い/広いなど)に差が生じたりする場合もあるでしょう。席を自由に選べるようにすることは、こうしたストレスを軽減していくことにもつながるのです。

メリット4:業務効率化が実現する

業務内容に応じて適した席を選べるようになることで、業務効率化の実現にも寄与します。所属するチームの担当者と近い席を選べば、わざわざ会議室を予約することなく簡易的な打ち合わせが可能になるでしょう。情報共有に必要なコミュニケーションコストが削減され、業務効率が高まります。

あるいは、営業職のように外出の多い職種の場合、オフィスの出入り口付近で作業するほうが合理的な場合もあります。各自の業務の状況に合わせて席を選べるからこそ、こうした柔軟な対応が可能になるのです。

メリット5:ABWの推進に役立つ

ABW(Activity Based Working)とは、オフィス内にさまざまな環境を配置し、業務内容などに応じて働く場所を自由に選べるようにするワークスタイルを指します。たとえば、個人で業務を行うエリアのほかに、チームメンバーとディスカッションができるミーティングエリアを設けることで、生産性アップにもつながるといったメリットがあります。

フリーアドレスは従業員が席を自由に選べるようにするという観点にもとづく取り組みですが、働く場所を制約しないワークスタイルの一環として導入する考え方もあります。ABWを推進したい企業にとって、より自由度の高い働き方を実現できる点はメリットといえるでしょう。

メリット6:コラボレーションやアイデアが生まれやすい

席が固定化されなくなることは、コミュニケーションの相手も固定化されなくなることを意味します。毎日違う社員が近くに座ることになるため、自然と多彩なコミュニケーションが生まれやすくなるのです。

所属する部門やチームが異なる社員同士は、互いに異なる角度から物事を捉えているケースが少なくありません。これまでとは違った意見や考え方に触れることにより、新たなコラボレーションアイデアが生まれる可能性も十分にあるでしょう。

メリット7:オフィス環境の美化につながる

フリーアドレスのオフィスでは、社員各自が業務に必要な機器や資料を持ち歩くことになります。不要な書類などを自席に溜め込みにくくなり、社員1人あたりの荷物量が減る効果が期待できるでしょう。

オフィスから物を減らすのは、環境美化を推進する上で重要なポイントといえます。直近の業務に必要な最小限の物のみ持ち歩き、長期保存が必要な資料などはペーパーレス化していくことにより、「物を溜め込まないオフィス」が実現しやすくなるのです。

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フリーアドレスのデメリット

フリーアドレスには数多くのメリットがある一方で、デメリットとなり得る側面も持ち合わせています。次に挙げるデメリット面については、事前に対策を講じた上でフリーアドレスへと移行する必要があるでしょう。

デメリット1:コミュニケーションが取りにくくなることがある

フリーアドレスのオフィスでは社員が毎日異なる席で業務を進めるため、誰がどこにいるのか、在社/不在の区別を含めてわかりにくくなりがちです。打ち合わせをしたい相手が今オフィス内にいるのかどうか、確認するための仕組みを整備する必要があります。

また、固定電話の利用方法についても各社員にどのようにして電話を取り次ぐのか検討しておく必要があるでしょう。スマートフォンを子機として活用するなど、フリーアドレスのオフィスに適した仕込みを導入することが求められます。

デメリット2:落ち着いて業務に取り組める場所の検討が必要

自席が固定されなくなると、かえって業務に集中しづらくなることも想定されます。誰もが使えるオープンなスペースで進めやすい仕事もあれば、限られた空間で黙々と進めたい仕事もあるからです。

フリーアドレスを導入する際には、すべての席をオープンなスペースに設けるのではなく、パーティションスペースやブース型デスクなど、落ち着いて業務に取り組めるスペースの設置も検討しておくことをおすすめします。さまざまなワークシーンを想定する必要があることは、フリーアドレスのデメリットといえるでしょう。

デメリット3:備品の収納場所が必要

フリーアドレスのオフィスでは、固定席で使用したような引き出しがなくなります。フロア全員で共用する備品類については、一括管理するためのキャビネットなどが必要になるでしょう。社員数によっては大容量の収納場所が必要になることもあり得ます。

各自が使用する最小限の備品については、移動式のワゴンやモバイルバッグの活用をおすすめします。各社員のロッカーに収納できるサイズのものを選ぶことで、共用物の保管スペースを節減できるでしょう。また、日ごとに利用できる「1dayパーソナルロッカー」を導入するのもおすすめです。私物などは1dayパーソナルロッカーに収納することで、従業員はよりスムーズに移動しながら就業しやすくなります。

デメリット4:運用ルールやシステムの導入が必要

フリーアドレスを導入したものの、毎日同じ席に座る社員ばかりになってしまうようでは本末転倒です。席の固定化を防ぐためのルールを策定し、各社員がルールやマナーを守って利用するよう周知徹底を図る必要があります。

また、固定席がなくなることで書類の置き忘れなどのセキュリティリスクが生じることも懸念されます。機密情報の取り扱いに関するルールを見直し、フリーアドレスに合わせたルールへと最適化を図ることが求められるでしょう。

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