女性の働きにくさの解決から始まった、
中小企業のABW


2021年にリニューアルしたコニカミノルタの 『新』本社オフィス コンセプトブック

2021年5月に本社オフィスをリニューアルしたコニカミノルタが考えるニューノーマルな働き方を実際のオフィスの様子と共にご紹介しております。これからの働き方や働く場所のご参考に、ぜひご覧ください。

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オフィスコンセプトブック

リモートワーク、スーパーフレックス…etc。働きやすさを追求した企業の取り組みが進んでいます。それを後押ししているのが、働く「場所」や「時間」を自由に選ぶことができるABW(Activity Based Working)の考え方です。働き方改革の手法の一つとして知られている考え方で、特に2020年からのコロナ禍をきっかけに浸透し、効率的に生産性を高めた成功事例にも関心が集まっています。

こういった働き方が多様化する今、それに伴う様々な課題も見えてきました。そこで注目したいのが、中小企業の取り組みです。中小企業の場合、「ABWを導入しよう」という形で進むケースより、必要に迫られて「自然とそうなっていた」ケースが多く、工夫や知恵など学びたい視点も多いのです。

その企業の一つが、非営利型株式会社Polarisです。今回、代表取締役の大槻昌美(おおつき まさみ)さん、取締役ファウンダーの市川望美(いちかわ のぞみ)さんから、どんなことを大切にして、働く場所や時間を自由に選べる働き方をつくってきたのか、お話を伺いました。

#ABW #コワーキングスペース #働き方 #中小企業 #地域

新しい働き方をつくる理由とは?

Polarisのメンバーは子育て中の女性が大半を占めています。主にコミュニティー運営、バックオフィスサポートなどの伴走支援、地域情報提供などの事業を、200名を超える業務委託メンバーとそれぞれチームを組みながら進めています。東京にオフィスを持ちながら、海外から地方まで、様々な場所に暮らすメンバーが働いているのも特徴です。

コワーキングスペース「cococi(ココチ)」を立ち上げたのは2011年8月です。それ以来、「“働きにくさ”という社会課題を解決したい」と、一人ひとりがもっと自由に働き方や暮らし方を選べる社会づくりを目指してこの場を育てていきました。

築40年の3DKルームをコワーキングスペースに

大槻さんと市川さんはもともと同じ子育てNPOで活動する仲間でした。子育てひろばやコミュニティーカフェなど地域の中でコミュニティースペースの運営に関わっていた二人は、当時、「多様な働き方ができる場もつくりたい」という思いを温めていたそうです。

2人が今の創業メンバーとコワーキングスペース「cococi」を立ち上げたのは、2010年頃に広がり始めたコワーキングの概念を知ったことがきっかけでした。

「コワーキングの“場所に縛られずに働く“という考え方が、自分たちのやりたい方向性に合っていました。『cococi』は、私たちがつくりたい働き方の価値を証明するための大事な場所でした」(市川さん)

「cococi」のコンセプトは、「ここちよく暮らし、はたらく」。場所は、最寄駅から徒歩数分の商店街に並ぶ、大家のいる雑居ビルです。築40年の3DKルームを会員制のシェアワークスペースとして貸し出していました。3つ口のコンロが並ぶキッチンは料理スペースとして使え、畳の部屋では打ち合わせができるほか、一人で静かに仕事に集中できる個室も備えていました。

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働きにくさを感じる女性たちと新しい働き方をつくるために

「コンセプトの『ここちよく暮らし、はたらく』には、ただ働く場所を選べばいいということではなく、働く心地よさを実現したいという想いを込めました。地域に住むフリーランスの女性の利用が多かったですね。

事務所と兼ねていることもあり、創業メンバーや、近くに住む業務委託のメンバーも『cococi』で仕事をしていました。当初、事業はバックオフィス業務の請負サービスが中心で、出産や育児で離職した女性たちが業務委託メンバーとなって、『cococi』やそれぞれの自宅でできる仕事を分担し合いながら働いていました。

ただ、Polarisの多くの業務委託メンバーが、正規社員ではない自分の働き方に誇りが持てないという思いを抱えていました。そういった中で、不安要素を減らして新しい働き方の価値をつくり、広めていくことで、働きづらさを解決したいと思っていました。一人では難しいけれど、仲間がいればできるかもしれないという思いもありましたね」(大槻さん)

「来月にでも追い出される!?」不安を抱えながらも維持した理由

ただ、当時はまだコワーキングスペースの存在があまり知られていなかったため、場所を維持するための苦労もあったそうです。

「部屋を貸してくれた大家さんに、なかなかコワーキングスペースの概念や私たちの想いが伝わらなかったんです。又貸しや不正利用を心配されることもありました。コワーキングスペースとして、自分たちが思っていたようには広げられず、諦めた事業もあります。次は賃貸契約を更新させてもらえないんじゃないか、追い出されるんじゃないかとヒヤヒヤしていました」(市川さん)

「そんな不安を抱えながらもコワーキングスペースを守ったのは、「『cococi』を通して私たちの新しい働き方を社会に知ってもらうためだった」と市川さんは続けます。

「『自分たちで自由な働き方を作ることは正しい』と世の中に認められることが重要でした。そうでなければ、『フルタイムでは働けない人たちが、しかたなく選んだ働き方』になってしまう。新しい働き方が認められるよう、仕事に携わる時間は短くても成果にはこだわろうと、みんなで事業を育てていきました。その後、コミュニティー運営や地域の情報提供など新しい事業が生まれました」

「新しい働き方をつくる一人になりたい」。この想いをもとに集まり、Polarisを設立した創業メンバーには東京以外の場所に住む人も多かったそうです。働きやすさを重視して、それぞれが働く場所を選ぶ中で、自然と「自分の暮らす地域で働く」ことが当たり前になり、“仕事のフィールドとしての地域”という考え方も広がっていったと市川さんは話します。

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「地域で働く」大人の姿が子どもに与える影響

「創業期は、地域にコワーキングスペースをつくることで、子どもたちの未来の選択肢を増やしたいという想いも持っていました。子どもが、親以外の大人が働く姿を見たり、普段出会う「近所のお店の人」や「学校の先生」以外のいろいろな働き方に触れられる体験をもっと身近にしたかったんです。だから、自分が選んだ場所で働く母たちが増えることはすごくいいことだと思っていました。子どもたちに勧められる新しい選択肢を創りたかったんです」(市川さん)

地域に自分の働く場を持つことは、「地域と出会える機会をつくる」ことにもつながると大槻さんは言います。

「子育て中の女性たちが地域とつながるのは、PTA活動や自治会がメインになると思いますが、仕事を通じた出会いは人の幅が広がるんです。だから自然と視野が広がります。仕事の役割を持つことで地域にも入っていきやすくなります。

仕事を通じて、子育て中の女性達と人との出会い方や関係性を変えたくて、ローカル×コワーキングと組み合あわせて『Loco-working(ロコワーキング)』というコンセプトが生まれました。街に住んでいるからできる仕事や暮らしそのものが価値になる仕事が生まれたり、仕事がきっかけで街に新しい価値を作り出せたり。地域で働くことで仕事も暮らしも豊かになる関係性を目指して事業を育てていきました。

そして、私たちの働き方に興味がある人たちに『自分たちでもできるかも』と参考にしてもらって、どんどん広がってほしいと思っていました」

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