2021年5月に本社オフィスをリニューアルしたコニカミノルタが考えるニューノーマルな働き方を実際のオフィスの様子と共にご紹介しております。これからの働き方や働く場所のご参考に、ぜひご覧ください。
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アフターコロナの働き方改革のキーワードとして注目されているアクティブ・ベースド・ワーキング(ABW)。ABWの考え方を実際のオフィス作りに落とし込むとどんなオフィスが出来上がるのでしょうか。2021年5月にABWをテーマにオフィスをリニューアルしたコニカミノルタジャパンの本社オフィス(東京浜松町)を働き方改革のひとつの事例として、オフィスデザインブログの編集部が見学しました。
ABWを意識した働き方改革のためのオフィスデザイン事例
コニカミノルタジャパンはなぜいま、ABWを意識したオフィスデザインの導入に踏み切ったのでしょうか。まずは、導入に至った背景とリニューアルの目的を、コニカミノルタジャパン空間デザイン部の奈良孝一が解説します
テレワーク+オフィス出社=ハイブリッドな働き方
2013年に働き方変革プロジェクトを発足させたコニカミノルタジャパンは、全国のオフィスでの保管文書ゼロ化(2016)、テレワークの運用開始(2017)と、コロナ前から働き方改革に自主的、積極的に取り組んできました。オフィスのフリーアドレスも2014年から導入しています。
コロナによる最初の緊急事態宣言下におけるテレワークの活用率は約75%(2020年4月)。緊急事態宣言解除後もテレワークを推奨し、テレワークが基本の働き方になりました。Web会議、ビジネスチャットなどデジタル化したコミュニケーションツールの活用によって業務が効率化され、場所にとらわれない働き方が実現されていきました。
そんな中、アフターコロナを見据えた、ニューノーマルな働き方として浮上してきたのが、ABWの考え方に基づいたテレワークとオフィス出社、それぞれを柔軟に使いこなすハイブリッドな働き方。テレワークでも働くことができる今だからこそ、オフィスに出社する価値を高めることが求められていると考えたのです。
業務ごとの特徴にあったオフィス環境とは、そして、オフィスだからこそできるコミュニケーションを活性化する仕掛けをどう実現するのかーー。
そういった考えのもと、ニューノーマル時代に適した働き方改革を提案、実践する場としてABWを意識したオフィスへのリニューアルに踏み切りました。また、実際に自分たちで実践し、その事例を元に社会に提案していくという、いわば検証の場としても活用していく予定です。
自発的と偶発的 二つのコミュニケーション
浜松町のオフィスは執務フロアと来客フロアに分かれています。今回、ABWを意識してリニューアルされたのは、執務フロアの半分のスペース。新しいオフィスは、オフィスだからこそ生み出せる「創造性」、「業務効率」、「エンゲージメント」という3つの価値を高めることを目的にデザインされました。
社員、お客様など、さまざまな人がつながる場所、そして、オフィスでしか叶わない機能とつながる場所、という意味を込めて名付けられた「つなぐオフィス」。テレワークという働き方によって希薄化しているコミュニケーションを、オフィスワークの中でより活性化させるために、「自発的なコミュニケーション」と、「偶発的なコミュニケーション」というコンセプトをワークスペースに落とし込んでいきました。
オフィスでのコミュニケーションには、自発的に生み出すものと、たまたま会社で出会った他の部門の人とのちょっとした会話が生まれるといった偶発的なものがあります。後者では、思いもしなかった会話から新たなビジネスの種が生まれることがあるので、そういった偶発的なコミュニケーションが増える事例となるようなオフィスを目指しました
偶発的なコミュニケーションは、ただ人が集う場所があっても、そこにアクセントがなければ生まれません。ABWを意識したアクセントのあるオフィスとしてデザインしたのが、「つなぐオフィス」なのです。
「つなぐオフィス」のコンセプトブック ダウンロードはこちらから。