企業の生産性を高める新しい働き方
− ABWの基本的な考え方とメリットとは

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働き方改革法が2019年4月に施行され、企業として従業員一人ひとりの生産性を高める職場環境の構築についてさまざまな取り組みがなされています。今回紹介するのは、オランダで生まれた新しい働き方のひとつ、ABW(アクティビティベースドワーキング)です。ABWでは、固定席をつくらず、従業員一人ひとりのベストパフォーマンスを引き出すためにさまざまな環境が用意されます。ABWとフリーアドレスとの違い、働き方の概要やメリット・デメリット、導入に適している企業の要件について解説します。

ABW(アクティビティベースドワーキング)とは?

自由な働き方のオフィス

ABW(アクティビティベースドワーキング)の概要や歴史、フリーアドレス制との違いについて解説します。

ABW=仕事内容に応じて働く場所を選ぶ働き方

ABW(Activity Based Working)とは、従業員一人ひとりが仕事内容に応じて働く場所や時間を自由に選ぶ働き方のことです。ABWの考え方を導入したオフィスでは固定席を設けず、仕事の内容によって使用するデスクを選ぶといったスタイルがとられます。
個人で集中すべき仕事、同僚同士でリラックスして行う打ち合わせ、ある程度のまとまったスペースや設備が必要な作業など、それぞれの目的を実行するために最適なオフィス環境(デスクや椅子のセッティング、備品・機器の設置など)を構築します。

ABWはオランダ生まれの働き方

ABWはオランダの働き方改革において生まれた働き方であり、「個人が最善の仕事をするための時間とパートナーを自由に選ぶ権利がある」との考えにもとづいています。その後、オーストラリアでの成功事例をもって認知度が高まり、日本国内でも働き方改革の手法のひとつとして注目度が高まっているのです。

ABWとフリーアドレスとの違い

スペースにとらわれない働き方といえば「フリーアドレス制」が知られています。ABWと混同されることもありますが、ABWとフリーアドレスでは根本的な考え方が異なります。フリーアドレスは、「自由に座席を選べる」といった物理的な面や、資料やツールの置き場所・保管場所の省スペース化といったコスト面を重視します。一方、ABWは従業員の働き方や行動に重きが置かれているのです。たとえば、従業員それぞれが「どのようなITツールを使用するか」「どのメンバーと仕事をするか」「会話を重ねながら仕事を進めるべきか、ひとりで黙々と作業をすべきか」などの選択を自由に行うことができます。個々のベストパフォーマンスを引き出すオフィス環境をつくることがABWの本来の目的です。

参考記事

ABWのメリットとデメリット

メリットデメリット

では、AWBを実際に導入したときに考えられるメリットとデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

AWBのメリット

ABWの主なメリットとして、以下の5点が挙げられます。

生産性向上

同僚との会話を避けてひとりで作業に集中したい仕事、反対に同僚と議論を交わしながら新たなアイデアを生み出したい仕事など、仕事内容に応じた最適なスペースで仕事を進めることで、生産性向上につながります。

従業員満足度の向上

従業員一人ひとりにあった働き方が可能になることで、従業員満足度の向上が期待できます。

ワークライフバランスの実現と多様な働き方への対応

ABWで実現する「場所や時間にとらわれない働き方」はオフィス内に限らず、在宅勤務やサテライトワークなどのテレワークをも含みます。育児や介護との両立や移動・通勤時間の短縮などにより、従業員の働き方の多様性を実現します。

コスト削減

ABWの実現の仕方によっては、省スペース化によるコンパクトなオフィス設計や在宅勤務の活用など、オフィスで発生するさまざまなコストを削減できる可能性があります。

優秀な人材の確保

2次的なメリットではありますが、従業員満足度の向上によって、より魅力が感じられる企業として優秀な人材が集まりやすくなることが考えられます。

ABWのデメリット

ABW導入によるデメリットとして考えられる点は、以下の3点です。

上司から部下に対する管理が行きとどきにくくなる可能性がある

座席が一定でない、テレワーク導入がすすむことによって、部下に対する管理が行きとどきにくくなるといったデメリットが考えられます。成果主義の側面を強めるなど、管理方法を変更したほうがよい場合もあるでしょう。

コミュニケーションの低下や偏りを招いてしまう可能性がある

各々が自由に場所を選んで働いていると、誰がどこにいるのかがわからずコミュニケーションが困難になる、特定のスタッフ同士がいつも一緒に仕事してしまうといった状況が生まれる可能性があります。たとえば、定期的に上司が座席の割り振りをする、アプリを使用してチームをシャッフルするなど、管理側で偏りを是正する対策を考えることも大切です。

従業員の自主性・自立性が求められる

「どのスペースがベストなパフォーマンスを発揮しやすいのか」「どの仕事を優先的に行うべきなのか」といったポイントを、ABWでは一人ひとりが自主的に考えなければなりません。したがって、従業員一人ひとりの意識が低く、上司との信頼関係が構築されていないような企業では、ABWの試みがうまくいかないケースが見受けられます。

ABW導入に適している企業とは?

自由に働く人々

どんな企業であればABWを生かせるのか、反対に、うまくいかない企業とはどんな企業なのか。ここでは、ABW導入に適しているのはどのような企業なのかを解説するとともに、ABW導入のポイントを紹介します。

ABWを導入する意図を従業員が理解している

ABW導入の意図を従業員が理解していなければ、導入しても結局は従来のフリーアドレスと変わらない状態になる可能性があります。また、従業員がいつも決まったスペースで仕事をしてしまい、ABWの効果を得られない状態に陥ってしまいます。生産性向上といった企業の目的・コンセプトに添ってABW導入の目的を定め、従業員一人ひとりに周知徹底を図ることが重要です。

上司と部下との間に信頼関係が構築されている

上司と部下との間に信頼関係が構築されていない状況でABWを導入すると、上司による部下の管理が困難になってしまいます。また、仕事の目的や方向性、優先順位などが上司と部下との間で共有されていなければ、導入前よりも成果が下がってしまう可能性も高くなります。日常的なタスクの繰り返しによる共通認識の構築や成果の積み上げ、緊密なコミュニケーションなどにより信頼関係の構築と理念の共有を事前に図っておくことが重要です。

ABWにマッチした職務内容である

クリエイティブな仕事である、従業員の働き方に多様性がある、複数のメンバーの異なるプロジェクトがあるなど、ABW導入にマッチした職務内容であることも重要です。たとえば、基本業務の大半が電話対応のコールセンターやルーティンワークの事務作業が多い総務・経理部などでは、ABW導入のメリットは発揮されにくいでしょう。

オフィスに必要なスペース・制度・意識改革が確保できる

ABWを導入するために必要なオフィスの内外のスペースや、柔軟な働き方に合わせた制度、社員の意識改革など、ハード・ソフトの両面でABWを導入する準備が整っていることが重要です。

柔軟にITツールやモバイルの活用が行われる

座席を固定せずにパフォーマンスを高めるためには、社内のどこからでも必要な情報にアクセスできる環境が必要です。また、リモートワークのように遠隔地でもタスクが行える、リアルタイムに仕事の進捗状況を全員が共有できるなどの要件がそろっていることも大切です。そのためには、ITツールやモバイルを積極的に活用していくことが不可欠といえるでしょう。

まとめ

いろんな働き方をする人々

ABWは、仕事内容に応じて働く場所や時間、パートナーなどを従業員一人ひとりが選ぶ働き方です。導入に成功した場合、企業としての生産性が向上することに加えて、従業員のワークライフバランスの向上やコストの削減、優秀な人材の確保などさまざまなメリットが生まれます。しかし、効果的にABWを導入するためには、大前提として上司と部下との間における信頼関係や理念の共有が不可欠です。また、職場環境の構築やITツールといったソフト面の整備も重要です。働き方改革のひとつの手法として、ぜひ今回の記事を参考にしてください。

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