こんにちは!デザイングループのChiakiです。
私達デザイングループでは日々様々な空間を手掛けていますが、定期的にデザイナー自身がインプットする場としてデザイン研修を行っています。そこで今回私達は都内にある歴史的なたてもの園に行ってきました。ここは文化的価値の高い歴史的建造物を移築し、復元・保存・展示しており、それぞれの時代の生活や町並みが忠実に再現されている施設です。オフィス空間や商空間、展示会など様々な空間のデザインを行っている私達ですが、そこで使われるデザインの多くは昔の建築物からヒントが得られていることも多くあります。そこで、今回は昔ながらの建物から学べる空間デザインについてお話したいと思います。
昔ながらの建物とは?私たちが「落ち着く」と感じるのはなぜ?
さて、昔ながらの建物・町並みときいて皆さんはどのようなイメージを持つでしょうか?おばあちゃん家のようなそんな田舎な平屋建てのお家のようなそんなイメージを持つ方も多くいるのではないでしょうか?そしてそこに入ると「落ち着く」と思うこともあるかもしれません。その空間にいるとき、なぜわたしたちは落ち着く感覚を得るのでしょうか?実際には近代的なビルや鉄骨の建物に触れている期間のほうが長いのにも関わらずそのように思うのは一見不思議ですね。そこにはやはり「自然との調和がなされた人間本来の暮らし」が組み込まれているからではないでしょうか。例えば、家具一つや柄一つをとっても木を細かく削って模様が作られていたり、鉄骨がないから木をしっかりと組み合わせて作るといったことが行われていました。そのため、素材本来が持つ温度感を感じることが出来たり、作り手のこだわりや使う人への心遣いにときめき、心にゆとりを持つことが出来るのです。空間全体としても、太陽の角度を考えた作りや風通しなどの気温に対応できる設計により、人間本来の生き方に近い造りのものが多いのが特徴です。
近年の建造物の作り方の傾向は?
近年では様々な技術の発達により実物を使わずテクスチャーで忠実に再現された素材を安く用いたり、密閉性を重視した建物が多く見られます。テクスチャーを使わずに作ろうとした場合、耐久性や値段に問題が生じたり、冷暖房機能がないと現代の生活では健康面で問題が生じるなど現実には難しい部分が多くあるかもしれません。しかし、近年の作り方ではどうしても人間らしい温かみがかけてしまっているとも感じられるのです。なので、今回の研修から得られた「自然と人間本来の暮らし」がうまく融合された空間設計を今後改めて取り入れていく必要があるのかもしれませんね。今回のデザイン研修により、人間本来の暮らしに求められる要素について再確認することができました。