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ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いとは? 事例とともに紹介

2025.12.09
【最新のオフィスがぎっしり】オフィスデザイン事例集

「日経ニューオフィス賞」を受賞したコニカミノルタがデザインしたオフィス事例をまとめた一冊です。最新のトレンドが知りたい!新しいオフィスのアイデアが欲しい場合などにご活用ください。

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オフィスデザイン事例集のイメージ

生産年齢人口(労働人口)が減少へと転じた日本においては、一人ひとりの従業員満足度を高めていく施策がいっそう重視されつつあります。オフィスづくりに関しても、すべての人にとって働きやすく快適な環境を整えることは、企業にとって重要な課題の1つです。こうしたオフィスづくりに重要な概念として「ユニバーサルデザイン」が挙げられます。

この記事では、ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いや、オフィスデザインに取り入れる場合の具体例をわかりやすく紹介しています。オフィスのユニバーサルデザイン/バリアフリー化を進める際のポイントもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

ユニバーサルデザインとは

ユニバーサルデザインとは、障がいの有無や年齢・性別・人種などにかかわらず、多様な人々が利用しやすいよう考慮されたデザインのことです。都市工学をはじめ、私たちの身近な生活環境に至るまで、幅広いシーンでユニバーサルデザインが取り入れられています。

たとえば、学校で児童生徒に配布されている教科書には、ユニバーサルデザインが採用されています。教科書の記載内容を「色」だけで区別した場合、色覚に問題を抱えている児童生徒や教員は違いを認識できないおそれがあるからです。そのため、記号の形状など色以外の要素で違いを識別できるよう工夫されています。

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バリアフリーとは

バリアフリーは、障壁(バリア)となる段差などの物理的障壁を除去する考え方です。より広義では、障がい者や高齢者の社会参加を困難にしている社会的・制度的・心理的な障壁の除去という意味合いで用いられる場合もあります。

一例として、商業施設などの床に設けられた段差をスロープに変更するといった工夫が挙げられます。段差がなくなることにより、歩行が困難な状況の人も無理なく安全に利用できるでしょう。このような工夫や配慮が施されている建築物は「バリアフリー設計」と呼ばれます。

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ユニバーサルデザインとバリアフリーの違い

ユニバーサルデザインとバリアフリーには、「対象となる人」「障がいに対する考え方」「市場に対するスタンス」「普及方法」の大きく4つの違いがあります。それぞれ詳しく見ていきましょう。

ユニバーサルデザイン   バリアフリー
対象となる人        あらゆる人々(障がいの有無や年齢・性別は問わない)物理的障害の除去を必要とする人(障がい者や高齢者など)
障がいに対する考え方障がいを特別視しない身体の機能的な特徴への対処を重視
市場に対するスタンスプロダクトとしての魅力を重視物理的障壁の除去を最優先
普及方法主に民間主導主に行政主導

対象となる人の違い

ユニバーサルデザインは、障がいの有無や年齢・性別などを問わず、あらゆる人々を対象としている点に特徴があります。誰もが快適に利用できるよう工夫されているのがユニバーサルデザインです。

一方、バリアフリーは障がい者や高齢者など、物理的障壁の除去を必要とする人を対象としています。物理的障壁の除去を必要としない方々も含めて考慮されているとは限らない点が、ユニバーサルデザインとの大きな違いです。

障がいに対する考え方の違い

ユニバーサルデザインでは、障がいを特別視していません。すべての人にとって使いやすいデザインかどうかが重視されており、障がい以外にも年齢・性別や国籍といった多様な観点が盛り込まれています

これに対して、バリアフリーは身体の機能的な特徴への対処を重視している点が大きな違いです。  健常者にとっての利便性はあまり考慮されていないため、たとえば「階段にスロープを増設した結果、階段の幅が狭くなり通行しにくくなった」といった状況が生じる可能性があります。  

市場に対するスタンスの違い

ユニバーサルデザインは、多くの人にとって魅力的な製品を目指しています。持続可能な事業とするためのコストバランスも考慮すべき事項に含まれているため、企画・設計段階からプロダクト全体を魅力的にすることが重視される点が特徴です。

一方、バリアフリーの場合は物理的障壁の除去が最優先事項とされています。外観やコストバランスが十分に考慮されているとはいいがたい場合もあるのが実情です。たとえば、床の段差を埋めてなだらかにしたものの、いかにも「後付け」といった外観になってしまう可能性があります。

普及方法の違い

ユニバーサルデザインは、良いものは積極的に取り入れるという考え方に根差しています。よって、企業などの事業者が自主的に推進する民間主導によって普及が促されるケースがほとんどです。

これに対して、バリアフリーは施設の計画を規制することによって普及を目指している点が異なります。建物などを建設するにあたって「規制に抵触しないよう注意する」といったように、主に行政主導で普及が進んでいるのが実情です。

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ユニバーサルデザインとバリアフリーの具体例

ユニバーサルデザインとバリアフリーの違いをより簡潔に理解するには、具体例をイメージするとよいでしょう。

階段に昇降リフトを設置した場合、車いす利用者にとっては利便性が向上するものの、階段があると歩きにくい人のことは考慮されていません。このように特定の状況にある方々に配慮した考え方は、バリアフリーといえます。

では、車いすごと乗り込めるエレベーターを設置した場合はどうでしょうか。車いす利用者だけでなく、ベビーカーを押している人や高齢者にとっての利便性も向上します。このように、あらゆる人にとっての快適さ・使いやすさを考慮しているのがユニバーサルデザインです。

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