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オフィスエントランスを設計する際に気をつけるべきこと
オフィスエントランスはデザインに気を奪われがちですが、設計の際に見落としてはいけない注意点もあります。
出入りから各所への動線
出入りが多い会社であれば、複数名がすれ違って行き来をするのに十分なスペースを確保しておきたいところです。また来客の多い部署への動線や、業務上の利便性も考慮しなければなりません。さらに、場合によって配送物等のサービス動線にも配慮する必要があります。来客動線とサービス動線が交錯することは来場者に良いイメージを与えませんので、用途や規模にもよりますが動線を分離したほうがよいエントランスデザインと言えます。デザインに凝りすぎて出入りしづらいといったことにならないよう、機能面もあわせて重視していきましょう。
ほかのスペースとの関係性
企業として外部の人間にあまり見られたくない機密性の高い部署など、ほかのスペースとの関係性にも考慮が必要です。会議の内容がエントランスに聞こえないか、机の上の資料がのぞかれることがないかといった点にも注意しましょう。
セキュリティ
開放的なエントランスは気持ちがよいものですが、一方で外部の人間が知らないうちに入ることのないように、セキュリティ面にも十分な配慮が必要です。業態などによってもセキュリティの考え方は異なりますが、一般的にはカードリーダーによる入退出管理をしているケースが多く見られます。最近ではタブレットを活用した無人受付アプリを導入することで受付の人員コストを削減している場合もあります。状況にあわせて、最適なセキュリティ対策を考えていきましょう。
従業員の利便性
オフィスエントランスが、来客に与える印象において重要な役割を担っていることは間違いありません。しかしそれと同じくらい重要なのが、従業員にとっての利便性です。毎日もっともよく利用する従業員が使いづらいエントランスでは、企業としての在り方に問題があります。社員の帰属意識を高め、モチベーションアップにつながるようなすぐれたオフィスエントランスを心掛けましょう。
オフィスエントランスにどのような役割を与えるのかは、それぞれの企業によって違います。自社にマッチした設計を考え、与える役割をふまえながら、そこで働く人にとっても快適なエントランスをつくっていくことが求められます。
オフィス全体との整合性
オフィスエントランスは開放感がある方が好まれますが、業種や業態によっては必ずしもそうであるとは限りません。広々としたエントランスよりも、むしろこじんまりとしたたたずまいの方がマッチする場合もあります。また、エントランス部分にばかり費用をかけすぎてオフィス内とのバランスが悪くなり、室内に進むにつれてがっかりされるようなことは避けたいものです。
オフィスエントランスを設計する際には、事業内容と照らし合わせながら、オフィス全体との整合性も考慮に入れて検討していくことが大切です。
まとめ
オフィスエントランスには、ただの出入り口以上の役割があります。会社のなかでは小さな空間のひとつですが、独自のデザインを考えることで企業のアイデンティティを示し、訪れる人にさまざまな思いをアピールする場となります。どのような業種や規模の会社であっても、同じエントランスはひとつもありません。たとえスペースが小さくても、工夫次第でどこにも負けないエントランスをつくりあげることはできます。規模の大小にかかわらず、自社の在り方を内外にきちんと示せるようなエントランス設計にしていきましょう。
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