生活習慣病の改善にアプリを活用

おおい町国民健康保険名田庄診療所 中村伸一 所長

おおい町国民健康保険名田庄診療所
中村伸一 所長

内科・外科・胃腸科・消化器科・小児科・整形外科・皮膚科・アレルギー科

〒917-0383 福井県大飯郡おおい町名田庄下第6号1番地

人口2,200人、高齢化率43%の山間地にある名田庄診療所。一見この地では使いこなすのは難しそうな最新ツール。所長の中村伸一先生はこの地でinfomity スマートクリニックを活用して、寄りそう医療を実践しています。今回は中村先生にその秘訣をお聞きしました。

アプリを使ったセルフモニタリングが生活習慣病には有効

生活習慣病と一口に言っても、非常に幅広いですよね。その中でも特に多く、そして放っておくと心臓病や脳卒中につながる可能性があるのが、高血圧・糖尿病・脂質異常症の3つです。
この3つの病気に共通して言えるのは、セルフモニタリング(自己管理)が非常に重要だということです。

たとえば血圧。
血圧手帳を使って記録している方も多いですが、次の診察日までに血圧がどう推移していたか、実はよくわからないことが多いんです。
でも、スマートクリニックの健康管理アプリを使えば、リアルタイムで診察室のパソコンから確認できるんですね。
短期的な変化だけでなく、中期的、長期的な流れも一目でわかる。これは非常に便利です。

アプリを使ったセルフモニタリングが生活習慣病には有効

白衣高血圧、生活習慣改善に活用

これまでに次のような症例に健康管理アプリのデータをつかってきました。
まず、白衣高血圧の方。
医療機関に来た時だけ血圧が高くなる方ですね。
こういった方には、すぐに薬を投与するのではなく、しばらく血圧の推移を見たいというケースが多いです。
アプリがあると、そうした観察がとてもスムーズにできます。

次に、生活習慣の改善を頑張っている方。
「まずは生活習慣を見直してみましょう」とお伝えすることもありますよね。
また、薬を飲み始めたばかりの方、薬の量を増やした・減らしたばかりの方、血圧の振れ幅が大きい方なども、セルフモニタリングをしていただけると、診療にとても役立ちます。

血圧手帳でも見ることができるんですが、最高値がどこか、最低値がどこか、平均するといくらかって、その数値を見てもすぐ分からないのが、アプリだと自動で計算してくれますので、非常に楽ですね。

白衣高血圧、生活習慣改善に活用

健康管理アプリを使ってみてわかったこと

実際にアプリを使ってみると、いろいろなことが見えてきます。
ある患者さんは、アプリを入れてはいたものの、血圧の記録がなかなか続かず、服薬忘れが多かったんですね。
そこで「飲んだかどうかだけ記録してください」とお願いしたところ、それならできたんです。
結果として、飲み忘れが減ったんです。これは大きな発見でした。

また、早朝高血圧の方もいらっしゃいました。
朝の血圧だけが高くて、夜はそうでもない。
「何時に測ってますか?」と聞くと、「8時頃です」と答えるんですが、生活習慣を詳しく聞いてみると、なんと朝3時に起きて仕事をしているという方だったんです。
つまり、その方にとっての「8時」は、僕らにとっての「昼」なんですね。
そこで「起床時に薬を飲んでください」とお伝えしたところ、血圧が安定しました。

数値の裏にあるもの

もう一つ印象的だったのは、ある患者さんに「どうやって血圧を測ってるんですか?」と聞いたときのことです。
「息子が毎日測ってくれるんです」とおっしゃったんですね。
そういう話を聞くと、親子の関係性が垣間見えることもあります。
このように、アプリは単なる記録ツールではなく、患者さんとの会話のきっかけにもなります。
血圧が測れなくても、服薬したかどうか、気分が良いかどうかなどを記録するだけでも、立派な健康管理になります。

私たち臨床医にとって大切なのは、数値の裏にあるものを見ることです。
その人の生活、習慣、家族との関係、気持ち。
そういったものが、数値の背景にあるんです。
それを読み取ることこそが、臨床医の真骨頂ではないでしょうか。

数値の裏にあるもの(中村伸一 所長)

健康管理アプリ活用インタビュー

再生時間:3分5秒