色の数値化には、表色系を使用します。1

L*a*b*エルスター・エースター・ビースター色空間

図6 L*a*b*色空間色度図(色相と彩度)

L*a*b*色空間は、物体の色を表すのに、現在あらゆる分野で最もポピュラーに使用されている表色系です。
1976年に国際照明委員会(CIE)で規格化され、日本でもJIS(JIS Z 8781-4)において採用されています。
L*a*b*色空間では、明度をL*、色相と彩度を示す色度をa*b*で表します。図6は、L*a*b*色空間色度図です。図からわかるように、a*b*は、色の方向を示しており、a*は赤方向、-a*は緑方向、そしてb*は黄方向、-b*は青方向を示しています。数値が大きくなるに従って色あざやかになり、中心になるに従ってくすんだ色になります。
また、図8は、L*a*b*色空間を立体的にイメージしたものです。
図6は図8を水平方向(緑方向−赤方向)に切った断面図に当たります。

りんごの色をL*a*b*色空間で測定すると、次ぎのような数値になりました。

図7 L*a*b*色調図(明度と彩度
図8 L*a*b*色空間立体イメージ

この数値がどんな色をしているのかを見てみましょう。
まず図6から、a*=47.63と、b*=14.12が交差する(A)点がこのりんごの色度になるわけです。また、図7は色調(明度と彩度)を示したものです。この図から、このりんごの明度L*=43.31の(B)点がわかります。ことばでこのりんごの色を言い表すと、「赤方向の色相で、あざやかな色」というところでしょうか。

※彩度(C*)=√(a*)2+(b*)2 です。

L*C*hエル・シー・エイチ色空間

L*a*b*色空間をベースに考え出された表色系ですから、L*は明度を表しています。C*は彩度を表しており、C*の値が大きいと円の外側に位置するのであざやかさが増し、C*の値が小さいと、円の中心に近づくため、くすんだ色になります。hは色相角度を表しており、図9のようにa*赤方向の軸を0°として、ここから反時計方向の色相 に対して移動した角度で、色の位置がわかるようになっています。例えば、90°であれば黄方向、180°であれば、緑方向…ということになります。

図9 L*a*b*色空間色度図(図6の部分拡大図)
色調図(明度と彩度)

りんごの色をL*C*h色空間で測定してみると、次のような数値になりました。彩度C*=49.68、色相角度h=16.5°です。この数値を図9で見てみると、(A)点であることがわかります。明度L*=43.31ですから、L*a*b*色空間と同じです。

※彩度C*は、次の式で求められます。(C*)=√(a*)2+(b*)2 ※色相角度hを求める場合は、次の式で求められます。h=tan-1(a*/b*)

ハンターLabエル・エー・ビー色空間

米国人R.Sハンターが提唱した表色系で、米国が中心で、主に塗装関係で使用されています。 L*a*b*色空間の色度図で確認できますが、計算式が異なるため、色の値は変わってきます。

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