光(色)の成分はどうなっているのか、実際に見てみましょう。

物体は、光源からの光の一部を吸収し、残りを反射します。この反射される部分が人間の目に入り、「色」として認識されるわけですが、光のどの部分をどれだけ吸収し、どれだけ反射するかは物体によって違うため、それぞれが固有の色を持つことになるのです。

りんご

りんごを測定すると、図26-(1)のような分光反射率グラフになりました。あらゆる波長の光が混ざり合って、さまざまな色が含まれていることがよくわかりますね。さらにこのグラフから赤系の波長成分の反射率が高く(光の量が多く)、他の波長成分の反射率が低い(光の量が少ない)ことが分かります。これは図26-(2)で示すように、りんごが橙や赤の波長成分を反射して、紫や藍、青、緑の波長成分を吸収しているということを意味しています。このように、分光測色計で測定すると、分光反射率グラフによって、りんごの色の正体をみることができるのです。
可視光線領域に配置された、分光測色計の複数(36個)のセンサーが、それぞれの波長成分をきちんと見て測定しているというわけです。だから、人間の目では感じられない色の要素をすべて測定できるのです。

コニカミノルタ製「分光測色計CM–700d」の場合
図26 りんごの分光反射率グラフ

レモン

レモンを測定してみると、図27-(1)のような分光反射率グラフになりました。このグラフから、黄系と赤系の波長成分の反射率が高く(光の量が多く)、紫、藍の波長成分の反射率が低く(光の量が少なく)なっていることがわかります。これも、図27-(2)で示すように、レモンが黄や緑、赤の波長成分を反射して、紫や藍の波長成分を吸収しているということを意味しています。すなわち、これがレモンの色の正体です。

図27 レモンの分光反射率グラフ

ページトップへ戻る