4 測色計を選ぶための基礎知識と測定事例
これまで色について勉強してきたように、測色計を使えば色の数値化ができ、色についてのコミュニケーションがスムーズに行えること、色についていろいろな角度から分析できることがわかりました。ここでは測色計を選ぶための基礎知識を中心に、測定結果に影響をおよぼす特殊な色や条件について勉強してみましょう。

見る方向や照明の位置の違い。

一般に物体の色は見る角度がほんの少し違っただけでも、明るい色に見えたり、暗い感じに見えたりします。透明感のある色や金属感のある色などは特にこの傾向が強いようです。色を正しく伝えるためには、見る方向も一定にしなければなりません。また、光の当たる方向(照明光源の位置)が違っていても、色の見え方は違ってきます。

照明・受光光学系(ジオメトリー)

色は見る方向や照明する方向によって違って見えます。測色計で色を測定する場合、センサーで受光する方向と光源によって照明する光の入射方向の条件を「照明および受光の幾何学条件」と言い、CIE(国際照明委員会)やJISなどで定められています。

単方向照明方式

一方向(角度)から照明する方式です。45˚:n(45˚:0˚)では、試料面の法線に対して45°±5˚の角度から照明し、法線方向(0˚±5˚)で受光します。
n:45°(0°:45°)では、試料面の法線方向(0˚±5˚)から照明し、法線に対して45°±5°の角度で受光します。
なお45°:nの場合、光源が円周状に配置されている円環照明(45°a:0°)、放射状に間隔をおいて配置されている環状照明(45°c:0°)、および、一方向照明(45°x:0°)などがあります。

拡散照明(積分球)方式

積分球などを使って、試料をあらゆる方向から均等に照明する方法です。(積分球は、光をほぼ完全に拡散反射する硫酸バリウムなどの白い塗料で内面を塗布した球です)
d:n(de:8˚)、D:n(di:8˚)では、試料をあらゆる方向から均等に照明し、試料面の法線に対して8˚の方向(8˚±5˚)で受光します。
n:d(8˚:de)、n:D(8˚:di)では、試料面の法線に対して8˚の方向(8˚±5˚)で試料を照明し、あらゆる方向に反射する光を集積して受光します。

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