微妙な色の違い(色差しきさ)を伝えることも、測色計は得意です。

数値で違いがわかります。

色差

「色」を使う現場でいちばん問題になるのは、微妙な色の違い(色差)です。測色計があれば、色と色との微妙な違いも、数値で表すことができます。では、2つのりんごの色差をL*a*b*色空間とL*C*h色空間で見てみましょう。
はじめに、L*a*b*色空間でりんごイL*= 43.31 a*= 47.63 b*=14.12)の色を基準にして、別のりんごロL*= 47.34 a*= 44.58 b*=15.16)との色差を測定するとAの表示になりました。図14で見てみると、その違いがわかります。また、図13(参考)は色差についての概念を簡単に説明したものです。

図13 (参考)L*a*b*色空間の色差図

L*a*b*色空間の場合、ΔE*ab(デルタ・イースター・エー・ビー)の数値で色差を表します。二つの色の、方向の違いはわかりませんが、色差を一つの数値で表すことができます。Aの場合、ΔL*=4.03 Δa*=−3.05 Δb*=1.04 ΔE*ab=5.16です。これを計算式で表すと、ΔE*ab=〔(ΔL*2+(Δa*2+(Δb*21/2となります。

一方、L*C*h色空間で測定した場合の色差はBのようになりました。
明度差ΔL*は、L*a*b*色空間と同じですが、彩度差ΔC*=-2.59、色相差ΔH*=1.92で、図14から、彩度がマイナスになり、色相はb*方向へ変化しています。また、図15から、ロイに比べて「多少うすい色」ということがわかります。
これらを総合的に見て、りんごロの色をりんごイと比べて、ことばで言い表すとすれば「赤系の色相で多少うすい色」といったところでしょうか。

Δ(デルタ)は、差を表すときの記号として使われます。
図14 L*a*b*色空間色度図(色相と彩度)
図15 色調図(明度差と彩度差)

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