このりんごは、どんな色?

色の表現は、十人十色。
色を伝えるって意外にむずかしいものなんです。

4人に、ひとつのりんごを見せて色を聞くと、それぞれ違う答えが返ってきました。

同じりんごを見ているのに、みんなそれぞれのことばで色を言い表していますね。しかもずいぶん感覚的な表現です。このように、表現のしかたが人によってまちまちでは、色を伝えることは非常にむずかしく、あいまいになってしまいます。この場にいない人が「燃えるような赤いりんご」と言われて、まちがいなくこの色を再現することができるのでしょうか。
それほど、色を言い表すということは、複雑でむずかしいことなのです。
でも、もしここに、誰もが理解できる共通の表現方法があれば、色のコミュニケーションはもっとスムーズになり、正確になるのではないでしょうか。正しく伝えあうことができれば、色のトラブルもきっと解消できることでしょう。

ことばは、どこまで色を表現できるのでしょうか。
慣用色名と系統色名。

色を言い表すことばには、昔から独特のものがあり、時代によって変化しています。 いまお話ししている赤を例にとっても、珊瑚色、紅梅色、臙脂、茜色、朱色などのほかに、ローズ、ストロベリー、スカーレットなどの呼び名があり、これらを慣用色名と呼んでいます。
さらに、色の調子を分析し、あざやかな、くすんだ、濃い…などの形容詞によって、より正確に表す方法が使われています。先ほど、男性が「あざやかな赤」と言ったのがこれで、系統色名と呼んでいます。このように、色をことばで伝える工夫はいろいろありますが、紅色や、あざやかな赤、だけでは、人によって受け取り方が違い、色の表現としてはまだまだ不十分です。では、色を誤解のないように言い表すには、どうすればよいのでしょうか。

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