同じ色のはずなのにどうして違って見えるの?

測色計を使えば色の数値化ができ、また分光測色計によって色を分光反射率グラフで見ることができます。数値化やグラフ化は色のコミュニケーション手段として有効なのですが、色を扱う現場では、色に関する様々な問題を抱えており、それを解決する手段としても測色計は役に立つのです。
例えば皆さんは、異なる光源の下では色が違って見える、、、という経験はありませんか?

色の見え方は、いろいろな条件によって左右されます。

光源の違い

八百屋さんの店先では真っ赤でおいしそうだったりんごが、家の蛍光灯の下ではなんとなくおいしそうに見えない…。こんな経験はありませんか? 太陽光、蛍光灯、白熱電灯…など、それぞれ照明光源の違いによって、同じりんごでも違う色に見えてしまいます。

対象物や環境条件の違い

表面状態の違い

例えば、滑らかなプラスチック板の表面をサンドペーパーで擦ってキズを付けると、色が白っぽく見える…。こんな経験はありませんか?表面状態の違いによって、同じものでも違う色に見えてしまいます。

見る方向や照明の位置の違い

一般に物の色は、見る角度がほんの少し違っただけでも、明るい色に見えたり、暗い感じに見えたりします。透明感のある色や金属感のある色などは特にこの傾向が強いようです。色を正しく伝えるためには、見る方向も一定にしなければなりません。また、光の当たる方向(照明光源の位置)が違っていても、色の見え方は違ってきます。

錯覚や個人差による違い

大きさの違い

小さな色見本を見て気に入った壁紙も、実際に買って壁に貼ってみると、少し派手すぎるように感じることがあります。 面積の大きい色は、小さい色に比べて明るくあざやかに見える傾向があり、これを色の「面積効果」といいます。大きな面積のものを、小さな色見本で決めてしまうと失敗することもあります。

背景の違い

たとえば、りんごを明るい背景の前に置くと、暗い背景の前に置いた時に比べて、くすんだ感じに見えます。これは色の「対比効果」といわれるもので、色を正確に判断するためには好ましくありません。

観察者の違い

色を判断する場合、人間の目の感度にはそれぞれ個人差があり、色覚が正常とされている人でも、ほとんどは赤色か青色にわずかに感度が偏ることが知られています。
また、年齢とともに視力にも変化が現れてきます。このように、観察者の違いによっても色の見え方は違ってくるのです。

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