色の数値化には、表色系を使用します。2

マンセル表色系

美術の授業などで一度は見たり、聞いたりしたことがあるのではないでしょうか。これは、アメリカの画家・美術教育家のA.H.マンセルが考案した表色系で、色の三属性である色相、明度、彩度をもとに、それぞれ番号や記号で分類された色票を使い、物体の色と色票とを見比べて色を表現するのが特徴です。一般にデザイン関係の分野で多く用いられています。日本では「三属性による色の表示方法」としてJIS(JISZ8721)で採用されています。

図10 マンセル色相環
図11 マンセル色票(2.5Rの明度と彩度)

りんごの色を知ろうとすれば、まず図10のマンセル色相環で、りんごの色に一番近い色を探します。円周上のそれぞれの色相(H)に、5Y(YはYellowの略)、5YR(YRはYellowRedの略)、5R、5RP…と記号がつけられています。この中で一番近い色は10RPと5Rの中間の2.5Rのようです。次に、2.5Rの明度/彩度を示したマンセル色票(図11)で、明度(V)と、彩度(C)の近い色を探します。ここでは、明度(V)=4、彩度(C)=12が近いようです。このことから、色相(H)=2.5R、明度(V)=4、彩度(C)=12をマンセル表色系(HV/C)で表わすと、2.5R4/12(2.5アール4の12)ということになります。色彩計で測定すれば、値が瞬時に表示されます。

色相環は、現在実用として用いられているのは10色相(Y, YR, R…)のそれぞれを4分割にした40種か、2分割にした20種です。
このページで使っているマンセル色相環とマンセル色票は画像処理によって説明しており、実際のものとは異なりますのでご了承ください。

XYZ(Yxy)エックス・ワイ・ゼット(ワイ・エックス・ワイ)表色系

XYZ表色系は、現在CIE標準表色系として各表色系の基礎となっています。物理学者のT.ヤングが発見し、のちにH.へルムホルツが拡充した光の三原色(R=赤、G=緑、B=青紫)の加法混色の原理に基づいて発展したもので、色度図を使って色をYxyの3つの値で表します。
Yが反射率で明度に対応し、xyが色度になります。図12はXYZ表色系色度図です。
図からわかるように、横軸方向がx、縦軸方向がyです。また、無彩色は色度図の中心にあり、彩度は周辺になるほど高くなります。

図12 Yxy色度図

リんごの色を測定して見ると、次のような数値になりました。この数値がどんな色を示しているのかを見てみましょう。図12から、x=0.4832、y=0.3045の交点(A)がこのりんごの色度になるわけです。反射率はY=13.37%になっており、これはL*a*b*色空間の明度L*に相当します。

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