• 2021.07.15

    生産年齢人口の減少は確定的 労働人口の不足に向けて企業が取り組むべきことは?

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    生産年齢人口の減少は確定的 労働人口の不足に向けて企業が取り組むべきことは?
    世界の中でもいち早く超高齢化社会へと突入した日本。労働力不足が社会全体の課題となって久しいなか、企業の安定的な人材確保について先行き不透明な状態が続いています。企業の担当者の多くが、人材の確保に悩んでいるのではないでしょうか。労働人口を示す言葉には、生産年齢人口をはじめとしていくつかの種類があります。
    ここではそれらの言葉の違いや人口推移の現状について紹介しながら、今企業として最も優先すべき取り組みを解説していきます。

INDEX

生産年齢人口とは

生産年齢人口とは

生産年齢人口は、経済活動の基盤となる数値です。生産年齢人口の基本的な知識、現状とあわせて混同されがちな労働力人口との違いを総務省統計局が示している用語の定義をもとに解説します。

生産年齢人口の定義

生産年齢人口とは、15歳以上65歳未満の人口を指します。義務教育を終了し高齢者となるまでの期間で、実質的な生産活動の中心にいると考えられる層の人数です。
似たような表現として生産人口という言葉もありますが、ほとんどの場合では生産年齢人口と同義で使われます。

労働力人口との違い

労働力人口も生産年齢人口と混同されがちな言葉ですが、両者には明確な違いがあります。労働力人口は満15歳以上で、労働する意思と能力を持った人の数を表します。労働力人口の数値は現在就業している人と、失業者の合計値です。
労働力人口に対し、非労働力人口という言葉があります。収入となる仕事をしなかった人で、休業者及び完全失業者以外の人を指します。具体的には、家で主に炊事や育児などの家事をしている人、学生、病気療養中、高齢者などが含まれます。
生産年齢人口では65歳という区切りがありますが、労働力人口には上限がありません。内閣府の調査によると、労働力人口に占める65歳以上の割合は年々上昇傾向となっています 。
また労働人口という表現もありますが、こちらは大まかな意味で使われることが多く、内容的には生産年齢人口か労働力人口のいずれかを表します。

出典:総務省統計局 労働力調査(基本集計)2020年(令和2年)平均

生産年齢人口の推移

日本における総人口のピークは2008年の1億2,808万人、そこから減少が続いています。一方、生産年齢人口はそれ以前の1990年代からすでに減少に転じていました。
内閣府が発表している「人口減少と少子高齢化」によると、日本の生産年齢人口は2065年に約4,500万人となる見通しで、2020年時点と比べると約2,900万人の減少です。2020年時点の65歳以上の老年人口は約3割、生産年齢人口の割合は約6割です。2065年の人口構成見通しでは、老年人口の割合が約4割まで上昇、生産年齢人口の割合は約5割に低下します。
国内全体の人口減少に先んじて始まった生産年齢人口の減少ですが、今後ますますこの動きが加速していくと見られます。

生産年齢人口と労働力

生産年齢人口と労働力

生産年齢人口の減少は確実なものとなっています。しかし労働力については、明るい見通しもあります。

労働力に関する見通し

ここ20年余りの間、生産年齢人口では減少が続いています。しかしそれに対して2012年以降、労働力人口には増加傾向が見られます。2017年以降は特に顕著な動きとなっていましたが、2020年にはやや減少しています。
これは新型コロナウイルス感染症拡大の影響があると見られています。独立行政法人労働政策研究・研修機構が公開している新型コロナウイルス感染症関連情報の「新型コロナが雇用・就業・失業に与える影響」を見ると、2020年日本において、休業の理由には「勤め先や事業の都合」「自分や家族の都合」があり、前者がやや多いことが分かりました。具体的には2020年1~3月期には「勤め先や事業の都合」で休業したのが7万人、「自分や家族の都合」で休業したのは14万人でしたが、新型コロナウイルス感染症が拡がり、第1回目の緊急事態宣言が全国に発令された頃、4~6月においては「勤め先や事業の都合」での休業が118万人、「自分や家族の都合」による休業が92万人となりました。
これは感染症が日本に拡大したことで、社会全体の消費行動が停滞したことが影響して、企業が活動を縮小せざるを得なくなり人員削減へと動いたこと、あるいは、企業が休業をしたことが考えられます。また、「自分や家族の都合」による休業も増加したのは、学校が休校措置をとったことによって、幼い学童の面倒をみるために家族が休業をせざるを得なかったケースも考えられます。

このように、新型コロナウイルス感染症拡大によって、企業が休業あるいは非正規社員の解雇などを行ったことも影響して、2020年の労働力人口の減少につながったと考えられます。今後新型コロナウイルス感染症拡大の影響によって落ち込んだ社会経済活動が回復するにつれ、企業が事業活動を活性化させることになれば、一時的に退出した属性の人も、ある程度の人数については労働市場への復帰が予想されます。

労働力の安定化は女性や高齢者の労働市場への参加が鍵

コロナ以前の状況では、労働力は短期的ながら安定すると見られていました。その要因となっているのが、女性や高齢者の労働市場への参加です。先にもありましたが、労働力人口における高齢者の存在感は年々大きくなってきています。
国では高齢者の職域の拡大を奨励し、年齢に関わらず働きやすい職場づくりの推進を図っています。また育児・介護休業法をはじめとする女性の社会参加の足がかりとなる法整備も進められています。
働き方改革の推進による就労形態の多様化が、女性や高齢者の就業のあと押しとなります。生産年齢人口の減少に歯止めがかからない状況下では、労働力確保の大きな支えとなりそうです。

企業としての取り組みおよび着目すべき点

企業としての取り組みおよび着目すべき点

生産年齢人口の減少はもはや止めることができません。現実を見据えたとき、企業として優先的に取り組むべきことは何かを解説していきます。

現状を踏まえ現実的な視点を持つ

これまで見てきたように日本の総人口および生産年齢人口の減少により、労働力不足は今後も大きな問題として残るでしょう。企業は人材確保を喫緊の課題としてとらえ、今すぐにできることから着手するという確固たる意思をもつ必要があります。
絶対数が足りないなかにあって、人材雇用への意識が過去と同じままでは乗り切れません。年齢や性別・属性にとらわれず、各人の能力を見極めて人的リソースを活用することが大切です。
採用候補となる人材の多様性、雇用形態の見直しを図ることで、採用対象の範囲に広がりを持たせるようにしていきます。

既存の人的資源を最大限に活かす

いくら雇用を進めても、社員各自の能力が発揮しきれない職場環境では意味がありません。心身の健康は、労働生産性に大きく影響します。特に近年は、メンタル面の不調がもたらす甚大な損失については、社会的な問題にもなっています。
従業員の健康を経営的な視点で考え、生産性の向上を目指す健康経営への取り組みは不可欠でしょう。社内の人的リソースを最大限に活かすためには、社員の健康管理の施策強化が重要です。
職場環境の改善の重要性や具体的な事例をさらに知りたい場合は、「職場環境改善の重要性や具体的な事例を紹介」の記事で詳しくご紹介しています。

効率化・IT化を進める

限られた人材で継続的な企業運営を行っていくためには、業務効率の向上IT化の促進が欠かせません。オンラインを活用した会議やミーティングを常態化して、参加者が集散するのにかかる時間を短縮したり、遠隔地との意思疎通の円滑化を図ったりするのも業務効率化に向けた取り組みとなります。クラウドによるデータ管理は、テレワークにおける業務遂行に必須のインフラです。社内と遜色ない業務環境が実現でき、情報共有が果たされれば、働き方の幅が広がるでしょう。

また、業務オペレーションの見直しにより、ムダな作業、重複する業務を排除することで時間的・人的コストを縮小することもできます。本業に関わるコア業務以外の作業について見直しを行うために、アウトソーシングを活用するのもひとつの手段と言えるでしょう。
さらに RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入により、ソフトウェアタイプのロボットを活用し、業務の自動化を行うのも有効な方法です。

働き方の多様化を実現

さまざまなワークスタイルを選べる職場であることが、採用対象となる人材層を拡大します。テレワーク・フレックスタイム・時短といった働く場所と時間の多様性、副業・ダブルワークの許容は、年齢や性別、属性にとらわれない働き方を促進します。
高齢者・女性では多くの人が、ライフスタイルに合った働き方を希望しています。企業の柔軟な対応が、潜在する労働力の掘り起こしに寄与すると考えられます。

また、テレワークの導入は、地方人材を幅広く活用すると同時に、地方企業が大都市圏の人材を活用できるチャンスともなります。企業は、大都市圏に拠点を置く、採用の対象を通勤できる範囲に居住する人材で検討するといった縛りが無くなれば、都市、地方双方の交流が活発化し、地域経済への貢献にもつながります。
さらに人材マネジメントの最適化によって適材適所を実現すれば、社内の人的リソースを余すところなく活用し、個々のパフォーマンスを十分に引き出すことができるでしょう。

生産年齢人口減少が確実な未来を見据えて

少子高齢化の傾向が急速に進む今、かつて経験したことのない社会構造の変化が企業に与える影響は計り知れません。生産年齢人口の減少が確実な未来である以上、可能な限りの手法を駆使して事業運営の継続を図る必要があります。人材不足を嘆くばかりでは、何も改善できません。現実をしっかりと見据えて手の届くところから着手し、課題解決に乗り出す姿勢が求められます。

RPAは導入すればいきなり業務効率化される「夢のツール」ではなく、既存業務の棚卸しや適用業務の切り分けを経て、段階的に導入するステップが必要です。自社実践を経てRPAの導入・運用ノウハウを持つコニカミノルタジャパンに、お気軽にご相談ください。

いいじかん設計 編集部

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