• 2021.01.07

    多様な働き方が企業にもたらすものとは?実現に向けた取り組みを解説

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    多様な働き方が企業にもたらすものとは?実現に向けた取り組みを解説
    働き方改革の推進が求められる今、多様な働き方の重要性は理解していても、どのように実施していけばいいのかわからず、悩んでいる企業も多いのではないでしょうか。社員に柔軟な働き方を提供するためには、勤務形態の自由度を高めるとともに選択しやすい環境を整備していかなければなりません。
    ここでは多様な働き方について多角的な視点から考え、企業の取り組みの参考となる情報を解説します。

INDEX

今なぜ多様で柔軟な働き方が必要か

多様で柔軟な働き方は、働き方改革の柱となる考え方です。そうなった背景と、改革が実現したら得られる未来を見ていきましょう。

多様で柔軟な働き方が求められる背景

みずほ総合研究所の推計によると、2065年の労働力人口は2016年より4割減少する見込みです。少子高齢化による労働力の減衰は、この先も回復の見通しが立ちません。
現役世代の減少が続くなか、少ない労働力をいかに活用できるかが、社会全体の大きな課題です。政府が提唱する働き方改革では、一億総活躍社会の実現を目指しています。そのためには、時間や場所にとらわれない働き方の多様性・柔軟性が必要なのです。

また、働く人の意識の変化も、多様で柔軟な働き方を促しています。年功序列制度や終身雇用制の崩壊、転職への抵抗感の低下に加え、仕事とプライベートの両方の充実を求める声が多く上がるなど、仕事に対する考え方が過去の時代とは変わってきています。
コロナ禍のなかで、自分自身の働き方を見直す機会が増えたことも、大きな要因といえるでしょう。あたりまえにとらえられてきた日常が、新型コロナウイルス対策によって中断され、これまでとは違う働き方に目を向けるきっかけができた人もいたようです。

多様で柔軟な働き方によって叶えられる未来

多様で柔軟な働き方が実現すると、どのような未来が訪れるのでしょうか。
時間や場所にとらわれず、自分の生活環境に合わせて働けるようになれば、これまで働くことが困難と思われていた人の就業機会が拡大します。育児や介護で離職していた社員が働き続けられるようになり、遠隔地からでも希望する企業に就職できるようになる可能性があります。

また、地方を視野に入れたリクルート対象の拡大は、企業の人材不足解消のための策となるでしょう。
一人ひとりに合った働き方ができると、ワークライフバランスが充実し、社員の満足度が高まり、業務効率のさらなる向上へのモチベーションにつながるという好循環も期待できます。
働き方が多様化する事で現在の職場環境の縮小や移転が可能となり、結果、企業の固定費を削減させることも可能です。削減分を新たな投資にあてることも可能になります。

多様で柔軟な働き方のために何ができるのか?

多様で柔軟な働き方のために何ができるのか?

多様で柔軟な働き方を実現するために、企業は何をしていけばよいのでしょうか。取り組みに向けて押さえておきたいポイントを見ていきます。

社員が望む働き方とは?

内閣府が公表した国民への意識調査(男女共同参画白書 平成28年版 )によると、男性・女性ともに「仕事」と「家庭生活」をともに優先したいと考える割合が半数以上となっています。どれかひとつに偏るのではなく、複数の活動をバランスよく行い、人生を充実させたいと考えていることがわかります。

パーソルキャリア株式会社が2019年8月に実施した調査では、若い世代では特に、プライベートと仕事いずれも充実させたいという意識が高いことがわかりました。仕事を通して「やりがい」「収入」を得たいと考え、オンとオフのバランスを取りながら、自分を成長させていきたいという意欲が感じられます。

残業時間の抑制は、働き方改革の指針のひとつで、上限規制が定められています。企業側は、規制内の労働時間を厳守しながらこなせる量を適切な仕事量とし、プライベートを犠牲にしない働き方が望まれていることを知っておかなければなりません。
働きに見合う給与や待遇を求める声が多いことは当然ですが、そのほかには、勤務形態の多様性を訴える意見もあります。柔軟な働き方は業務の生産性や仕事へのモチベーション、健全な生活や健康、幸福度に影響を与える可能性が高まり、その価値が注目されています。

多様で柔軟な働き方を可能とする勤務形態や施策・制度

多様で柔軟な働き方を実現するためには、ワークスタイルの多様性を認める必要があります。具体的には以下のような勤務形態や制度が、企業側の現実的な施策として考えられます。

■フレックスタイム制

社員自身で始業・終業時刻、労働時間を決めることで、生活と仕事とのバランスをはかり、効率的に働くことを目的とします。あらかじめ定められた総労働時間をもとに、就業規則への規定と労使協定の締結をもって実施します。通勤混雑を避けること(時差通勤)ができ、自由で効率のよい働き方が可能です。

■時短勤務

フルタイムの所定労働時間よりも短い時間での勤務を可能にするもので、2010年に改正された育児・介護休業法では、各事業主に対して子育て中の短時間勤務導入が義務づけられました。2019年12月に告示され2021年に施行される同法の改正では、育児や介護をしながら働く人が、看護休暇介護休暇を時間単位で取得できるようになります。

■副業・兼業

副業・兼業に関する裁判例では、業務上制限される場合をのぞき、「労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由である」(厚生労働省)と述べられています。国は多様な働き方への政策の一環として、副業・兼業の普及を促進しています。収入の増加や活躍できる場の拡大、能力の活用、他分野での人とのつながりなど、副業・兼業がもたらすメリットは多岐にわたると考えられているのです。

■テレワーク

柔軟な働き方の代表格として注目されるテレワークは、IT技術を活用し、在宅やモバイル、サテライトオフィスなどの社外で働く方法です。新型コロナウイルス対策として、導入する企業が増加しています。

多様で柔軟な働き方が企業へもたらすメリット

多様で柔軟な働き方が企業へもたらすメリット

ここで、多様で柔軟な働き方が企業へもたらすメリットを確認しておきましょう。

■企業イメージの向上

多様で柔軟な働き方に対しての努力や工夫が見られる企業は、社員を大切に考えているとされ、持続可能な社会に貢献する姿勢が評価されます。企業イメージが向上すれば、求職者から選ばれる企業となり、優秀な人材獲得の可能性が高まります。

■労働力の恒常的な確保

一人ひとりに合わせた働き方ができれば、介護や育児、ストレスを理由にした離職の防止策となります。社員の流出を阻止するとともに、社員候補の対象が拡大し、労働力の恒常的な確保に貢献します。

■業務遂行意欲の高まり

通勤ストレスの軽減やワークライフバランスの充実により、慢性的疲労の蓄積を回避できれば、心身の健康が保たれます。無理なく働けることで、与えられた業務に対する遂行意欲が高まり、最終的には生産性の向上につながります。

■コスト削減

フレックスタイムの導入で業務の効率化が促進されれば、残業代の削減が期待できます。テレワーク導入では通勤費の削減が見込めます。さらに、出社人数に合わせたオフィス縮小・移転によって、オフィス賃料の軽減や光熱費などのランニングコストの削減につなげることができます。

コニカミノルタジャパンでは、2013年より全社でテレワークの運用を開始しました。テレワーク実施の状況、浮かび上がった課題とその改善策など、実践事例の詳細をまとめて参考資料として提供しています。ぜひご活用ください。

多様で柔軟な働き方の実現に向けて

多様で柔軟な働き方の実現に向けて

多様で柔軟な働き方についての知識をふまえ、実際に企業が取り組みを実施していくステップと推進するうえでの課題を解説します。

多様な働き方の実現に向けたステップ

1.自社の実情の把握

多様な働き方への方向性を探っていくためには、自社の現状を把握しなければなりません。社員に対して働き方についての聞き取りを実施し、実情の把握に努めます。既存の勤務形態の確認を行い、課題の改善策とより働きやすい職場とするためのワークスタイルを考えていきます。

2.社員の希望調査

社員が自分の働き方についてどのように考えているのか、さらに詳細な調査を広く実施します。個々の働き方に関する希望を聞いて、具体的な立案へと結びつけていきます。

3.導入施策・制度の検討・立案

上記の調査結果をふまえ、導入施策や制度の施策候補をあげます。他社の事例を参考に、自社にとって現実的な手法を検討します。

4.実施に向けた具体的な計画策定

施策・制度の実施に向け、具体的な計画を作成します。
既存ルールの改定や新たなルールの設定、就業規則とのすり合わせを行い、トラブル発生のリスクを回避します。各施策の対象となる社員を選定し、全社的に取り組みを周知します。対象者以外の社員にも、しっかりと理解を求めます。
必要な機材や環境の整備を行い、施策実施の準備をします。

5.段階的な導入

多様で柔軟な働き方の実現は、一朝一夕にできることではありません。また、全社的な規模で急に制度を変えてしまうと、現場に混乱を招きかねません。一部の部署から段階的に実施し、検証と修正を重ね、次第に拡大・進行していくのが良策です。

コニカミノルタジャパンではこれらの自社の状況を可視化できる働き方改革アンケートを提供しています。

推進するうえでの課題

多様で柔軟な働き方を、と企業側がいくら力を入れても、それを実践する社員に意義が伝わっていなければうまくいきません。施策の目的と価値を周知しながら、多様で柔軟な働き方の実現に向けて、社員自身の意識を喚起する必要があります。多様で柔軟な働き方に関する教育と、施策や制度を有効に活用していくための能力・スキルの形成サポートが求められます。

■よくある課題と必要な対策のポイント

1.「労働時間削減=多様で柔軟な働き方」ではない
社員を管理する側では、単純に労働時間を減らすことが多様で柔軟な働き方ではないことを十分に理解する必要があります。業務時間を圧縮したことによる仕事の持ち帰り増加の事例や、残業代が減ることへの不満の声もあることを認識しておきましょう。

2.多様な働き方を前提とした評価体制の見直し
働き方の多様性を確保しながら、公正な評価を下すための仕組みづくりも重要です。例えば、成果物の提示と紐付けした評価基準を明確にするなど、どのようなワークスタイルを選んでも社員が納得できる評価が得られるような体制を整えましょう。

3.業務効率化があってこそ多様で柔軟な働き方が実現できる
多様で柔軟な働き方を実現するためには、業務の効率化が前提にあります。どのような働き方であっても出社時と同様の業務効率を維持、または向上できるように、業務フローの見直しや効率化をサポートするシステムの導入も検討しましょう。

4.社員一人ひとりのライフスタイルの理解
これまでの全社員が出社して働くことを前提としていた働き方だけでなく、育児・介護中でも働く社員や遠方で働く社員など、社員一人ひとりのライフスタイルに合わせた様々な働き方があることを社員全員で理解しましょう。一人ひとりの働き方に関する価値観を尊重していく姿勢が大切です。

このように、各施策や制度の導入前には、自社の状況について十分に検討し、慎重に進めていく必要があります。これらの課題への対策も行うことで、多様な働き方が社内に浸透しやすくなります。

多様な働き方のメイン施策となるテレワーク

多様で柔軟な働き方に向けたメイン施策となるのが、昨今増加傾向にあるテレワークです。
テレワークの主な種類としては、在宅勤務のほか、カフェなどの多様な場所を利用するモバイルワーク、施設設置型のサテライトオフィス勤務の3つがあります。なかでもサテライトオフィスは、企業としての機能を完備しているため生産性を維持できるとして、注目している企業が多く見られます。

いずれの手段を活用するときでも、導入の際のポイントは、遠隔地にいる社員の労務管理方法、情報通信システム・機器類の整備、テレワーカーの執務環境整備です。対象となる人数や業務内容と照らし合わせ、職務遂行に支障のない事を確認する必要があります。
また、テレワークを実施するには、テレワークの目的・指針の明示と社員の理解浸透は欠かせません。就業規則改定といったルール整備を行い、対象者が戸惑いや不安をもたずに働ける環境を提供しましょう。

継続・効果が期待できる取り組みを目指す

「多様で柔軟な働き方」とひと口にいっても、各企業によって適合する施策は異なります。コロナ禍においてテレワークを導入する企業が多く見られましたが、継続が難しいと感じているところも少なくありません。多様で柔軟な働き方を目指すのであれば、持続可能なかたちでの導入を考える必要があります。働き方改革への理解と自社の実情に合わせた施策の実施は、これからの企業に課せられた責務です。多様で柔軟な働き方の実現は、企業にとって生き残りをかけた戦略の一環ともいえそうです。


コニカミノルタジャパンではテレワークを実行する上での様々な課題を解決するソリューションに加えて、人事・労務まわりの制度見直しまで、ご支援することが可能です。ぜひお気軽にご相談ください。

いいじかん設計 編集部

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