公開日2025.11.17
【導入事例】株式会社太陽印刷社 様
斬新なパッケージを実現し、大手メーカーから絶大な信頼を獲得
太陽印刷社様に設置されたJETvarnish 3D(左) 箔押しとスポットニスにより高級感を演出したパッケージ印刷の実例(右)
箔押し・スポットニス加工で、新たな領域に業務が拡大
静岡県静岡市で主に大手プラモデルメーカーのパッケージを手掛ける太陽印刷社様は、他社との差別化を目指し、コニカミノルタのデジタル加飾印刷機であるインクジェットスポットUVニスコーターJETvarnish 3Dを導入しました。
これにより、今まで声のかかることがなかった特別仕様品のパッケージ制作の相談をされるようになり、業務の幅が大きく広がっています。今後新たな販路の拡大やオリジナル商品の販売を目指すなど、さらなる業務拡大に取り組んでいます。
太陽印刷社様が抱えていた課題
他社との差別化に向けて新たな取り組みを模索 |
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価格競争では不利、「選ばれる」ための技術が必要に |
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「おおっ!」と、驚きのある仕事をしたい |
導入で解決できたこと
他社にはできない加飾が可能になり差別化を実現 |
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これまでにない新たな業務、特別仕様品パッケージの相談が舞い込む |
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顧客や第三者から評価を受け、社員のモチベーションも向上 |
他社と明確に差別化でき、驚きのある仕事をしたい
静岡県静岡市はプラモデルの製造品出荷額が日本全国の86% ※1 と、まさにプラモデルが地場産業です。静岡市は「模型の世界首都」と銘打ち、2020年には地域創生プロジェクト「静岡市プラモデル化計画」を打ち出すなど、プラモデルが地域になくてはならない存在となっています。
※1:2020年「工業統計調査」(経済産業省)をもとに算出。
そのような地域にあって太陽印刷社様は、大手プラモデルメーカーのパッケージ製造をメインに仕事を続けてきました。プラモデルは店頭でパッケージを見て購入されることが多く、パッケージの出来が売上を左右する大事な存在です。そのため高い印刷品質が求められてきました。
株式会社太陽印刷社 様
高品質なパッケージを納期とコストを遵守しながら納品することが重要で、それ自体容易なことではありません。しかし、それ「だけ」では他社と差別化ができません。他社と差別化し「選ばれる」存在となるため、太陽印刷社様が選んだ手段がスポットニスや箔押しなどの加飾印刷でした。代表取締役の増田和也様は次のように語ります。
「差別化のため価格を下げるという方法もありますが、当社のような小規模な会社では大手に太刀打ちできません。そうなると他社がやらないこと、簡単にはできないことに取り組む必要があります。同時に、驚きのある仕事、作っていて自ら『おおっ!』と思えるような仕事をしたいという気持ちもあり、デジタル加飾印刷機の導入を検討し始めました」
代表取締役 増田 和也 様
導入の背景:対応用紙サイズの大きさと生産スピードを評価
導入にあたっては当初、コニカミノルタを含む3社で検討を始めました。1社の製品は自社の要望と仕様が合わなかったため早々に検討から外し、2社で比較を進めていきました。
両社のショールームなどを訪ね、自社のデータを持ち込んでテスト印刷をするなど検討を重ねました。「そこでサンプルを見て、こんなに細かくできるんだと驚きました。メインの大手プラモデルメーカーのお客様の仕事をするに当たって困らないようにテストをさせてもらいましたが、かなり面白いことができるという印象を持ちました」と増田様はコニカミノルタのショールームから得た当時の感触を語ります。
結果的に太陽印刷社様が選んだのは、コニカミノルタのインクジェットスポットUVニスコーターJETvarnish 3Dでした。エンボス(厚盛り)効果のある3Dスポットニスコーティングが可能な機種。さらにオプションのiFOILを採用することで、ホットフォイルでの立体的な箔加工までシームレスに対応できるようになります。生産速度も最高3,123枚/ 時(B2縦通し、18μm時)※2 と高速です。
※2:ニス圧により、スピードは異なります。箔転写を行う場合は、箔転写の速度に準じます。
JETvarnish 3D
その選定理由を増田様は、「パッケージは印刷サイズが多様で、大型のサイズにも対応する必要があります。その点JETvarnish 3DはB2サイズに対応しており、業務上十分な大きさでした。またもう1社の製品に比べ生産スピードが速く、高い生産性が見込めました」と説明してくれました。
導入したのは2023年1月。当初はコニカミノルタのエンジニアがデータの作成法やオペレーションの指導をするため訪問しました。その後も新たな取り組みをする場合などには、太陽印刷社様まで足を運んでフォローを行っています。
コニカミノルタのサポートについて増田様は、「機械が止まると業務が止まってしまうので、迅速なサポートは必須です。その点コニカミノルタは、何かあるとスピーディーに来社してくれるので助かっています」と評価しています。
タッチスクリーンから、見当位置合わせやニスの高さ調整など
熟練技術が必要な工程もデジタルで容易に行うことができる
導入の効果:JETvarnish 3D 導入によって、新しい領域の業務が広がる
増田様は検討時からメイン顧客の大手プラモデルメーカーにデジタル加飾印刷機導入の話をしていました。すると案件が1つ、導入前の時点でメーカーから太陽印刷社様に持ち込まれてきます。それはプラモデルのモデラーの世界大会で、各部門の優勝者に送られる特別仕様プラモデルのパッケージ。優勝者しかもらえない、まさに特別なパッケージです。極小ロットで高品質が求められる、デジタル加飾が生きる案件でした。
太陽印刷社様はその案件に高品質で応えます。以降、年1回開催される同大会において、2023年から毎年特別仕様のパッケージ製造を受注しています。「お客様自身が“ 夢を売る仕事” をされているからか、攻めたデザインのサンプルを見せたらその分盛り上がってくれます。前のめりで反応していただき、限定品ならこれくらいしようよ、という発想なので刺激を受けます。ありがたいです」(増田様)
そもそも太陽印刷社様が手掛けてきたパッケージは従来、箔押しがいくつかある程度でした。「スポットニスの仕事なんて、一つも持っていませんでした」(増田様)。JETvarnish 3D導入によって、新しい領域の業務が広がっています。加飾を施すパッケージは、現在ほとんどがイベント会場での限定品や特定地域向けなどの特別仕様の製品です。
あえてサイズを変えたり、紙を厚くしたり、表情のある紙を使ったりなど特別感を演出しています。それに加えて箔押しやスポットニスによって、さらに独創的な表現を実現します。「一般的なプラモデルは2~3千円くらいですが、この前作った中国向けの限定品は約8万円で販売されたそうです」(増田様)
JETvarnish 3D導入後、新たにデザイナーを採用しました。従来は顧客からデータをもらって仕上げるという業務内容でした。そこから、要望を聞き提案をして製品に仕上げるというビジネスモデルが加わり、可能性が大きく広がっています。
箔押し・スポットニス加工を実施したポストカードの実例
期間限定で静岡市内に開館していた「どうする家康 静岡 大河ドラマ館」に採用される
戦国武将の豪奢な兜の出で立ちが加飾によって表現されている
顧客の自社を見る目が変わり、社員のモチベーションもアップ
以前はこのような特別仕様品について、太陽印刷社様に声がかかることはありませんでした。「他社と違うことをやりたいという気持ちは前からあったのですが、そのための武器がありませんでした。JETvarnish 3D導入後は、お客様の我々を見る目が変わりました。特別なことをやろうというときに、当社に声がかかるようになったのです。最近はうちに声をかければ、何か面白い案が出てくるんじゃないかと思ってもらえるようになりました」(増田様)
特別仕様品を扱うようになったことで、購入者がYouTubeなどで太陽印刷社様が製造したパッケージの商品を紹介する動画が制作されるようになりました。購入者の反応が目に見えるようになったことで、社員のモチベーションも上がっています。
増田様は、「YouTuberの方が『これは今までにない箱ですね』なんて言ってくれると、すごく嬉しいですね」と語っています。
今後の展開:新規顧客の開拓と同時に、自社のオリジナル商品にも取り組む
太陽印刷社様は現在、導入したJETvarnish 3Dをさらに活用するため、新たな顧客開拓に取り組んでいます。デジタルの強みを生かせる、小ロットで高級感を求められるようなパッケージを提案しています。例えば洋菓子店のケーキやクッキーのパッケージなど。高級感がありながら100部程度からでも印刷でき、型が不要なため比較的安価で可能です。既に引き合いもあり、商談が進んでいます。
東京都世田谷区の老舗洋菓子店にて採用されたパッケージの見本
銀色の落ち着いた輝きを表現し、派手さだけでない上品な高級感を演出している
現在は顧客の要望に合わせて提案し、業務を進めていますが、「ゆくゆくは自社で売れるものを作りたい」と増田様は言います。「導入から3年近く経って、ようやく操作もかなり習熟してきました。これからさらに新たな取り組みをしていきたいですね」と語ってくれました。
取材を終えて
― 増田様ありがとうございました!
JETvarnish 3Dのお客様満足ポイント
細かい加飾が可能で、今までにない特別なパッケージを実現 |
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版や型が不要で1部から加工でき、極小ロットにも対応 |
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「目に見える」評価で、社員のモチベーションも向上 |
お客様プロフィール
名 称 |
: | 株式会社太陽印刷社 |
住 所 |
: | 静岡県静岡市駿河区丸子6292番地 |
設 立 |
: | 1948年(昭和23年)11月 |
事業内容 |
: | パッケージの印刷加工、ディスプレイ・POP の製作、 パンフレット・ポスター等の印刷 |
U R L |
: | https://taiyo-insatsu.com/ |
プラモデルのパッケージを中心に、ディスプレイ・POPの制作、パンフレット・ポスターの印刷などを手がける。デザインから印刷加工、製品化まで一貫生産が可能。打ち合わせから提案、要望に合わせた修正・納品までスピーディーに対応する。
※掲載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。(取材時:2025年9月)
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