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公開日2025.9.30

【導入事例】 株式会社栄光 様 
独創的な同人誌作家に選ばれ続ける印刷会社 
次の一手は、強インパクトの厚盛ニス・箔加工

AccurioShine 3600導入事例 栄光様 AccurioShine 3600導入事例 栄光様

栄光様に設置されたAccurioShine 3600(左)  
立体感と高級感を兼ね備えた「厚盛箔」のサンプル(右)

人気の高いアルミ蒸着紙に対応 挑戦続ける作家の心をつかむ

同人誌印刷でトップクラスの受注実績がある栄光様は、年間約3万件もの同人誌を手がけています。イベントでの販売がメインの同人誌は目立つことが大切で、いかに印象的な表紙に仕上げるかが重要です。

そのような表紙加工を実現するため、厚盛ニスと厚盛箔加工ができるコニカミノルタのデジタル加飾印刷機 AccurioShine 3600を導入。多くの作品の表紙に選択され、利用実績は右肩上がりです。

栄光様が抱えていた課題

ニーズの高い厚盛ニス、厚盛箔をメニューに加えたい

人気の高いアルミ蒸着紙への加工を実現したい

高品質化で他社と差別化したい

導入で解決できたこと

AccurioShine 3600により厚盛ニスと厚盛箔を実現

アルミ蒸着紙加工にカスタマイズで対応

特別感のある表紙印刷により他社と差別化

特殊装丁分野での人気が高く、年間3万件の同人誌印刷を受注

栄光様は売上の7割が同人誌印刷を占め、この分野ではトップクラスの受注実績がある印刷会社です。日本全国、さらには台湾の作家からも注文が入り、その数約2万人。受注は基本的にオンラインで受け、データの受け渡しもオンライン。納品先は多くの場合同人誌イベントの会場です。

同人誌イベントは年2回東京ビッグサイトで開催される「コミックマーケット(通称コミケ)」が有名ですが、その他にも大小様々なイベントが各地で毎週のように開催されています。それらに出展するため、多くの作家が日々作品を制作しています。そのような作品の同社の年間受注数は約3万件、月間平均で約3,000件に上ります。多いときは1日に500件もの受注があります。

株式会社栄光様

株式会社栄光 様

そのほとんどは小ロットで、多くは100部。最小ロットが10部で、平均すると1件あたりの部数は180部です。10部から数十部といった極小ロットは増加傾向にあり、その分品質へのこだわりが高まっていると代表取締役社長の岡田一様は次のように語ります。

「小ロットで作るからこそ1部ずつへの愛着が強く、高品質な仕上がりを求める方が近年ますます増えています。目を凝らさなければ分からないようなキズを指摘されることもあり、当社はこういう方達に鍛えられてきました。同人誌印刷の活況を見て新規参入をされる会社も少なくありませんが、そんなに簡単にはできません」

ご自身も元々漫画家の経歴を持つ岡田様。15年前、後継者がいない中既に同人誌印刷を手がけていた栄光様のビジネスを引き継ぎ、以来同社を引っ張ってきました。作家の気持ちをよく知るからこそ、作家に寄り添ったビジネスを展開できているのでしょう。

代表取締役社長 岡田一様

代表取締役社長 岡田 一 様

一つの転機となったのが、コロナ禍でした。2020年にイベントができなくなり仕事が激減した同社は、特殊装丁のやり方を紹介したカタログブック『特殊装丁本 2020』をオンラインで販売しました。営業推進部部長の今川亮様は、「仕事がなくなった印刷会社を応援する意味もあったと思いますが、1,000部が4時間で売り切れました。慌てて増刷し、合計6,000部がすぐに完売しました」と語っています。

営業推進部部長 今川亮様

営業推進部 部長 今川 亮 様

この本で特殊装丁を学んだ作家達が新しい表現に挑戦し、さらにこんなことはできないかという要望が増え、同社がそれに応える―そんな好循環が生まれ、現在の爆発的な受注につながっています。

栄光様のサンプルの数々

栄光様のサンプルの数々
特殊なニーズに合わせたユニークな印刷加工メニューを幅広く揃える

導入の背景:同人イベントでニーズを直接リサーチ
一番人気のアルミ蒸着紙に対応

栄光様は定期的に各種同人誌イベントに出展し、作家のニーズをリサーチしています。その中で近年人気の高まっていた加工法が、スポットで印象的に表紙を飾る厚盛ニスや厚盛箔です。菓子のパッケージなどで採用されるようになり、同じような加工がしたいという問い合わせも増えていました。

そこで2023年、本格的に導入を検討。コニカミノルタのデジタル加飾印刷機AccurioShine 3600を含む2機種で比較検討を行いました。デジタル加飾印刷機は版や型の作成が必要なく、1部から加工が可能なため、小ロット多品種生産に最適です。

同社がAccurioShine 3600に決めた最大の理由は、アルミ蒸着紙の「ミラックスV」に対応できたことでした。さらに当初の仕様では対応できなかった、偏光紙である「ノスタルジー メランコリー」も、ぜひお願いしたいという栄光様の思いに応え、コニカミノルタがカスタマイズを施すことで使用可能になりました。

ノスタルジーメランコリーのサンプル

見る角度によって色が変化する
アルミ蒸着紙「ノスタルジーメランコリー」を使用したサンプル

企画開発部部長の𠮷村昭二様は、「同人誌は目立ってナンボなので、インパクトの強いアルミ蒸着に対応できるというのは最大の決め手でした。さらにこちらの要望に応えて、一番人気である偏光紙のノスタルジー メランコリーに対応してもらえたのは非常にありがたいこと。入社1 年目のオペレーターでも問題なく扱える操作性も優れています」と評価しています。

企画開発部部長 𠮷村昭二様

企画開発部 部長 𠮷村 昭二 様

同社は作家が新たな加工メニューである厚盛ニスに挑戦しやすいよう、工夫を施しています。データの作成方法を注文サイトで紹介し、試しやすいようにポストカードメニューも用意。実際の仕上がりを手軽に確認できるようになり、表紙での利用につながっています。

AccurioShine3600のオペレーション風景

AccurioShine 3600とそれを利用する様子
高レベルの加工を実現するデジタル加飾機だが、操作は難しくない

導入の効果:増え続ける厚盛ニス利用
業界のレベルアップにも貢献

リサーチ通り厚盛ニスのニーズは高く、2024年10月のサービス開始から利用者は右肩上がりで増えています。2025年6月の受注数は80件、今後も増加が期待できます。岡田様は「間違いなく他社との差別化につながっています。作家さんからすれば内容によって印刷会社を分けるのは面倒なので、厚盛ニスの受注が増えることで普通の冊子印刷も増えるという相乗効果が出ています」と語っています。

厚盛ニスはAccurioShine 3600導入と同時にメニュー展開しましたが、厚盛箔は半年遅れて2025年6月からスタートしました。「お客様が混乱しないよう、あえて半年ずらしました。既に厚盛箔もSNSで反響があり、今後間違いなく注文が増えると感じています」(岡田様)

厚盛ニスと厚盛箔

厚盛ニスは優れた手触りを持つ立体的な仕上がりを演出(左)
厚盛箔は、華やかに輝く箔の存在感が高級感を実現する(右)

厚盛ニスの利用が増えるに連れ、作家側のスキルもアップしています。他の人の作品を見て学び、自分なりにアレンジし切磋琢磨するのが同人誌の醍醐味です。岡田様は「最初は皆さん、水滴など同じような表現に使っていましたが、最近はバリエーションが増えて洗練されてきています」と感心しています。同社のサービスが、業界全体のレベルアップや盛況に少なからず貢献していることは間違いないでしょう。

前述の『特殊装丁本』は2020年以来2年に1回出版しており、次は2026年です。次回はおそらく厚盛ニスや厚盛箔加工がメインとなるはずです。

説明書きを記載したポストカードの加飾サンプル

ポストカードの加飾サンプルの裏面に、ニス版やカラー版の説明を記載している

今後の展開:一般商業印刷への拡大を目指す

厚盛ニスは同人誌の表紙だけでなく、企業向けの一般商業印刷にも利用が広がっています。例えば日本中央競馬会(JRA)が販売する「御駿印(ごしゅんいん)」に採用されました。御駿印は神社仏閣で人気の御朱印をヒントに、新しい競馬の楽しみ方を提案する試みです。競馬場やレースごとに様々な御駿印が販売されており、その1つに栄光様の厚盛ニスで加飾したカードが採用されています。

岡田様は「今後この分野の販売を拡大していきたいと考えています。そのためにも、コニカミノルタには対応メディアを増やし、様々なニーズに応えられるようにしてほしい。これからも期待しています」と語りました。

岡田様と𠮷村様と今川様

取材を終えて

― 岡田様、𠮷村様、今川様ありがとうございました!

AccurioShine 3600のお客様満足ポイント

版や型が不要で1部から加工でき、小ロット多品種生産に最適

同人誌の表紙用紙として人気が高いアルミ蒸着紙にも対応

高度な習熟が不要な操作性でオペレーターの負担を軽減

お客様プロフィール

名  称

株式会社栄光

住  所

広島県福山市箕島町南丘6455-3

創  立

1975年(昭和50年)2月

設  立

1990年(平成2年)7月

従業員数

60人(2025年8月現在)

事業内容

同人誌印刷、製本、一般商業印刷

U R L

https://www.eikou.com/
栄光様オフィス

同人誌印刷の他に圧着DM、アクリルや木製のグッズなどを製作。同人誌印刷については、作家のニーズに合わせたきめ細かいメニューを展開しつつ、効率良く生産できるよう体制を整えている。イベントに合わせて重なりがちな納期を分散させるため、早期入稿を促す前割を用意する一方で、ギリギリまで作り込みたい作家向けには当日納品メニューを用意するなど、作家のニーズに寄り添ったサービスが特徴。

※掲載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。(取材時:2025年7月)

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