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公開日2025.11.12

【導入事例】 勝和印刷株式会社 様 
未来のラベル需要守る「いいものづくり」 
直接取引狙い〝ダブルのデジタル化〞

AccurioLabel230導入事例 勝和印刷株式会社様 AccurioLabel230導入事例 勝和印刷株式会社様

※本記事は、ラベル新聞2024年3月15日号に掲載された内容をもとに構成しています。

市中央部の谷町エリアの中で、大阪城や難波宮跡といった史跡近くの市街地に拠点を置く勝和印刷株式会社(大阪市中央区谷町、TEL06-6943-1600)。協力会社の助力も得ながらシール・ラベル以外にオフセットやスクリーン、オンデマンド印刷を駆使して少量から大量までの多様な印刷物に応じる。そんな同社は2020年にコニカミノルタのデジタル印刷機「AccurioLabel 230」を導入してものづくりの適応力と応用力を底上げ。香川慎太郎社長に勝和印刷株式会社のこれまでとこれからの話を聞いた。

初めに会社概要から

勝和印刷株式会社は1983年設立のラベル印刷会社です。現在従業員は8人で、設備状況は平圧機が3台に凸版間欠機が2台、抜き加工機が1台。これら設備と別のフロアには、大判のインクジェットプリンタ(IJP)とバーコードプリンタが各1台、そしてコニカミノルタのデジタル印刷機『AccurioLabel 230』が1台。後加工機として、グラフテックのカッティングプロッタ1台を設備しています。

勝和印刷株式会社 香川慎太郎社長

勝和印刷株式会社 香川 慎太郎 社長

主たる事業分野は

設立当時は繊維関連の仕事が多かったのですが、今はほぼなくなりました。現在は食品を中心に化粧品や工業向け、あとは100円均一やホームセンターの商品に貼るラベルなども手がけています。『シール印刷なら何でもお任せください』と謳う当社ホームページ(HP)では、シール全般以外にもオフセット、スクリーン、オンデマンド印刷と幅広い対応を明記。協力会社の助力も得て、ノウハウを活かしてお客さまのニーズへ的確にお応えすることを特徴としています。

近況と稼働状況は

設備の稼働状況として、間欠機は常時動いていますが、平圧機の仕事が減っている印象。また当社は小ロットの仕事が多いため、コニカミノルタのAccurioLabelをはじめデジタル印刷機は動きっぱなしといえるほどよく活用しています。当社のウリの一つが、これらデジタルの対応力。電子写真方式(EP)とUVIJを持ち、少量から迅速に応じられる点もご評価をいただきます。

昨今の景況感や顧客の要求要望について

環境対応について、当社の取引先からは現時点でない印象です。それよりもまずはコスト。関連資材の値上げやエネルギーコストの高騰が続いていますから、目下そちらの対応が第一の状況です。ただ一点、FSC森林認証を100円均一の商品にも採用している事実には驚いています。実際の製作は協力会社でお願いしているのですが、たとえ100円の大量生産品であってもそうした環境に配慮した素材を使用するという世の中の変化を感じています。

「デジタル化」の転機 デジタルシフトはいつ・何をきっかけに

今から12年前にIJPを初めて入れたのですが、それに合わせて勝和印刷株式会社のHPを開設しました。当時ブローカー経由の仕事が多く、直接取引を今後増やしていかなければと判断。それにはまず勝和印刷株式会社のことを広く世間に知っていただかなければとの思いで、HPの立ち上げを図りました。そうはいっても、ただ新設しただけでは効果は薄いもの。何か目玉となるものが要るとの考えから、IJPを設備して『小ロットからシールを作ります』と宣伝したわけです。

効果はどうでしたか

HPを見て、というお問い合わせは多かったですね。小ロットのシャンプーやリンスのラベルなど、細々とした小ロット案件の直接受注が集まりました。基本的には単発仕事ばかりでしたが、中には『もっとこんな仕事もあるのだが』と、お客さまから別の大ロットの仕事をいただくことも。HP開設とIJP導入のダブルのデジタル化によって当初目的の直接取引で新しい得意先が生まれ、時に新しい仕事を持ってきてくれる形に結実しました。

そうした中、AccurioLabelを導入した設備投資の狙いは

大きく2点あります。1点目は、とにかく小ロットの仕事が多かったということ。それまで当社はほぼすべての小ロット案件を外注していました。換算すると、1カ月で50、60万円レベル。この社内への取り込みを考え、内製化した場合の減価償却までの期間を計算するなどして設備を判断しました。

2点目は、当社のデジタル機がUVIJだけだった点。インクの盛りや光沢から不向きな案件があり、写真のような高精細な画質を再現したい場面にも対応できずにいました。こうした背景から、2020年の11月に設備しました。

オール外注から内製シフト 
「AccurioLabel 230」導入

2020年11月に導入されたAccurioLabel 230

コニカミノルタのデジタル印刷機を2020年11月に導入
これまで月50万円超出していた外注を内製化した
オペレーターは同機やIJP、プロッタも担当

「キレイをどんどん」 機種の選定について

決定打となった点、まずはきれいな表現力です。写真が盛り込まれるデザインでも対応できる、高い印刷再現性を評価しました。次に印刷速度。前述の通り、小ロットの受注が相当数ありますから印刷のスピードは重要視しました。同機は白トナー未搭載の4色機ですが、それで構わないという考えでした。機械の価格面もそうですが、やはりスピードの面から。時にはデジタルで白が打てるか、と尋ねられることもありますが、ないものはないとそこは割り切って、この機械でできる仕事をこなそうと。そんなわけで対抗機種はなくなり、当社にとっては〝一択〞でした。

デジタルで刷った地ビールのラベル

デジタルで刷った地ビールのラベルは湖や森の写真も鮮やか

ここまでの効果測定として評価は

まず印刷品質ですが、写真画像もきれいに再現できてとても満足しています。次に印刷スピードについて、受注後2、3日で発送できるような短納期対応が可能となりました。一方で、カウンターチャージがネック。色安定性もありスピードも速いため、大ロットの案件を同機で刷ろうと思ってもなかなかコストが見合いません。また、大ロットだとプロッタ1台で処理しきれません。別フロアの抜き加工機を使うこともできますが、そこまでして大ロットをAccurioLabelで刷ろうとは考えていません。機動力を発揮して、小ロットをどんどんこなしていく運用がベストだろうとの見解です。

担当しているのは

男性オペレーターです。前職では製版関連の業務に就き、AccurioLabel専属のオペレーターとして採用しました。上手に操作してくれていて、IJPもプロッタも手際よく1人でこなしてデジタル部門を彼に任せています。

同機だからできた、というような使い方など

版のないデジタル印刷機なので、送り長のある大型のラベルが刷れる点は平圧機や間欠機にはできない部分ですね。送り300mmや400mmといったサイズのシールを同機で印刷しています。印刷機だと大きすぎて刃型がセットできなくても、プロッタを用いれば問題なく対応可能。このやり方で化粧品関連の大きなシールを製造しています。

また販促物との相性も良好。選手の写真が載ったプロスポーツチームのステッカーをAccurioLabelで刷りました。UVのIJPではとても再現できず、かといってオフセット印刷で外注するとコストが合わない。写真画質で仕上げられるので、出力してラミネートを貼り、断裁してステッカーを自社内で仕上げました。今見ても大変きれいに仕上がっていると高く評価できます。

可変印字を施した食品ラベル

可変印字ラベルも食品ラベルもデジタル機で自在に

デジタルを分けて考える ここまでの評価は

デジタルはデジタルと分けて考えています。印刷機の場所も、当社ではコンベンショナル機とデジタル機でフロアも別に。それぞれの部門ごとに売り上げを上げて利益を出していければ、という考えです。せっかくよい機械を導入したので、外注の内製化以外にも新たに仕事を受けようと〝こういう印刷物が刷れます〞という印刷見本を用意。サンプル帳のような形にまとめて配布するなどして〝外注先になります〞というこれまでの勝和印刷とは真逆の動きを取りました。

デジタル印刷部門のフロア

デジタル印刷部門はコンベンショナル機とは別フロアで

今後のデジタル印刷機に対しての見解は

この先ももっと各社からたくさん新モデルが登場して、普及していくのだと思います。先ほどもお話しした通り、デジタル機を回している間はある程度目を離せます。従来の印刷現場みたいに、機械のそばについてずっと見ておかないといけないという必要もありません。その間に別の業務もできるし、1人で複数台動かすこともできます。

現時点で当社ではオペレーター不足を感じていませんが、今後社会全体で働き手が減っていく状況。技術も要らず、速く刷れ、複数台動かすこともできるといったデジタル印刷機が主流になっていくのでは。『デジタル印刷機は、あるならあった方がいい』。これが12年間運用してきた私の考えです。

課題などは

まずは大ロットへの対応。デジタル印刷機で小ロットを機動力よくこなすことはできますが、今後世の中の主流になっていくという点においては、採算の合う大ロットをこなせるようなモデルの登場をメーカーに期待したいですね。これにも関連しますが、次に挙げるのは後加工機の充実化でしょうか。デジタル各社は自社製の印刷機は出しますが、後加工機までは自社モデルとして製造していない。シールは刷って終わりではなく、抜きなどの後加工が必要。どれだけ印刷スピードが改善され速くなっても、後加工の部分で詰まっては結局機動力を生かしきれないことになります。当社のプロッタも、AccurioLabelの速度に比べるとやはり処理速度は遅い。この後加工の不満が解消されると、普及がさらに進むでしょうね。

あとは減価償却と保守の年数。コンベンショナル機に慣れている身としては、これらの短さが気にはなります。いずれにしても、当社はUVIJとEP方式がそろい、対応範囲も広がってデジタルをうまく活用できています。

需要守る「いいもの」 これからの予測は

インキも使わず版も要らず、紙を掛け替えるだけで刷れてしまうのがデジタル印刷。一部では、デジタル印刷機に特化したビジネスモデルで大きく利益を上げている印刷会社もあると聞きます。デジタル化とどう向き合って、社内に取り込んでいくのかが求められそうです。

また新たな動きとしては、ラベルレス化。食品や飲料といった消費財向け以外に、物流分野のラベルレスも始まりそうです。伝票ラベルなどを介さずにダイレクト印字やレーザー照射で必要な情報を印字すればラベルは必要なくなります。そう考えると、現時点では消費財で先行するラベルレスですが、いつか宛名や表示目的のラベルから先になくなり、むしろ消費財のラベルの方が最後に残る――。そんな日が来るかもしれませんね。

最後に総括を

変化の大きい時代ですが、当社ができることといえば『いいものを作ること』、そして『お客さまにいい印刷物を届けること』でしょうか。ここまでデジタルの話をしてきましたが、私自身は単発の仕事をたくさんこなすよりもお客さまの元に出向いて打ち合わせをして、ともにものづくりをしていくことを好みます。校正で時には想定していたものと違うと言われたら、持ち帰りますと再度やり直して持参します。そこはメールやオンラインではなく、ちゃんと対面でモノを通じて作り上げていく。こうしてご納得いただくことで、勝和印刷を信頼に足るパートナーだと感じてくださる皆さまに支えられて今日まできました。AccurioLabelを利活用すれば、モノで合わせていく作業がもっと迅速で確実になるでしょう。

われわれは環境経営やラベルレス化と向き合っています。それでも変わらないのは、シールを作りたいというお客さまに寄り添い、お喜びいただけるものを精度高く作り続けていくことや、ラベルの価値を実感いただくこと。それが、ラベルレス化が進んでいく時代にも〝モノにラベルを貼ること〞の意義を示し、先々の需要を守ることにつながるのだと考えます。そのためには、やはりご満足いただけるラベル・いい印刷物を日々作り続けることがすべての起点だと思うのです。

― 香川様ありがとうございました!

お客様プロフィール

名  称

勝和印刷株式会社

住  所

大阪府大阪市中央区谷町4丁目8番28号

設  立

昭和58年5月20日

従業員数

シーリング印刷・平版印刷・紙器印刷及び左記に付随する一切の事業

U R L

https://www.sp-showa.co.jp/company/

※掲載されている情報は取材時のものであり、閲覧時には変更されている可能性があることをご了承ください。(取材時:2024年2月)

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