人的資本
組織・文化・DNAの構築
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コニカミノルタのアプローチ
背景と課題認識
プロフェッショナル人財が高いパフォーマンスを発揮し活躍できる組織風土や文化を醸成していくうえで、2つの課題を設定し、施策を実行しています。
① エンゲージメントの向上
② 逆境に打ち勝つ経営幹部チーム統合力
目指す姿
すべてのグループ従業員が、コニカミノルタのビジョンに共感し、働きがいとチャレンジ意欲(エンゲージメント) を持って業務に取り組むことが、お客様への貢献、ひいては当社の持続的成長につながると考えています。そのような組織への変革を進めるため、従業員一人ひとりの声に耳を傾け、当社の強みや課題を理解した改善を実施し、「個が輝く」組織風土の実現につなげていきたいと考えています。そのためにも経営トップから率先して逆境に強いチームづくりを進めていく必要があると認識しています。
重点施策とKPI
GES(Global Employee Survey:グローバル従業員意識調査)にて、組織風土の現状をエンゲージメントスコアで測定し(エンゲージメント・長期ビジョン・戦略を自分事化できているか、個が輝いているか、個が輝くことを後押しする環境であるかを測定)、各組織にて改善に向けたアクションを実施することで、グループ全体の競争力向上を実現します。
実績 | 目標 | |||||
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2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2022年度 | 2025年度 | 2030年度 | |
エンゲージメントスコア | GES設計 | 6.4 GES実施 課題抽出と目標設定 |
6.6 | GES実施 エンゲージメントスコア 対FY21で10%UP |
7.7(業界平均) | 業界上位25% |
回答率 | - | 90.8% | 85% | - |
経営ビジョンへの共鳴と6つのバリュー
フィロソフィー
2020年9月、コニカミノルタは、2030年を見据えた長期での経営ビジョンステートメント「Imaging to the People」を策定しました。2003年のコニカミノルタ発足以来不変の経営理念「新しい価値の創造」、2030年を見据えて目指す姿を示した「経営ビジョン」、そして価値創造の源泉としての企業文化・風土である「6つのバリュー」で構成されるコニカミノルタフィロソフィーの体系のもと行動しています。
6つのバリューの実践
私たちは、コニカミノルタグループ従業員の礎である「6つのバリュー」を日々実践することが社会やお客様に新しい価値を継続的に提供すること(コニカミノルタフィロソフィー)につながると考え、さまざまな取り組みを行っています。
RETHINKコミュニケーション
経営ビジョンに 「Imaging to the People」 を加えた新たなコニカミノルタフィロソフィー達成に向けた、従業員一人ひとりの行動を促す行動スローガンとしてRETHINKは定められました。コニカミノルタグループの一人ひとりがRETHINKすることで「One Konica Minolta」の推進を促し、長期ビジョン・中期経営計画達成の加速を目指します。また、お客様に対してもRETHINKを提案し、それを通じてお客様とともに成長し、社会に貢献していきます。
Konica Minolta Awards
コニカミノルタでは、グローバル表彰制度(Business Contribution Awards、Transform Awards)を通じて、称賛される事例を明示しグローバルにグループ全体で価値観を共有することにより、褒める文化とチャレンジする風土の醸成に取り組んでいます。特にTransform Awardsは、社会やお客様の課題提起や新しい価値創造に向けて挑戦する活動・姿勢を評価する表彰制度であり、好事例のノウハウを全社で学び、業務に活かすことを推進しています。
また、コニカミノルタ(株)では、6つのバリューを常に意識した行動の習慣化につなげていくため、人事制度上にもその理念を反映しています。
これらの取り組みを通して、6つのバリューを実践する企業風土へトランスフォームすることを進めています。
Konica Minolta Awards
グローバル・エンプロイー・サーベイの実施と各地での継続的な改善活動
従業員にとって「働きがいとチャレンジ意欲(エンゲージメント)」が感じられる組織風土・職場環境を醸成することを目指し、全世界の従業員を対象とした「長期ビジョン・戦略の自分事化」「個の輝き」「個が輝くことを後押しする環境」に対するGES(Global Employee Survey:グローバル従業員意識調査)を行って各組織の現状を可視化し、改善に向けたアクションを計画、確実に実行しています。この取り組みによりグループ全体の競争力を向上させます。
GES(Global Employee Survey:グローバル従業員意識調査)結果
実績 | 目標 | ||||
---|---|---|---|---|---|
2021年度 | 2022年度 | 2022年度 | 2025年度 | 2030年度 | |
エンゲージメントスコア | 6.4 | 6.6 | GES実施 対FY21でスコア10%UP |
7.7(業界平均) | 業界上位25% |
回答率 | 90.8% | 85% | - |
- ※
- エンゲージメントスコア:エンゲージメント、長期ビジョン・戦略を自分事化できているか、個が輝いているか、個が輝くことを後押しする環境であるかを10段階で評価。
2022年度はグループ社員の85%が当調査に参加。17万を超えるコメントが寄せられ、各組織での課題の掘り下げ、改善アクションの計画と実行を継続的に進めています。
2022年度のエンゲージメントスコアはグループ全体で6.6となり、対2021年度比0.2ポイントアップしました。事業環境等により2021年度比10%のポイントアップという目標には達しませんでしたが、前年度の調査で著しくエンゲージメントスコアが低かった会社・組織を抽出し、改善アクションの検討、確実な実行を通じてスコアの上昇を確認しています。
また、全体のエンゲージメント向上に向けて、エンゲージメントスコア向上が顕著な会社・組織の好事例(国内外)を経営会議、社内オンラインにて共有し、会社・組織での横展開を推進しています。
中長期視点でのエンゲージメント向上に対しては、人事部門内に選任担当者を配置(海外販売会社からエンゲージメントに知識・経験を持つ社員を日本に招聘)し、経営層、従業員への効果的なアクションに関するヒアリングの実施を行っています。加えて、他社好事例等も参照しながら、戦略・施策を策定し、全社展開を図っています。
●好事例:日本国内販売会社における改善アクション
エンゲージメント向上を中期戦略の重要施策と位置づけ、コニカミノルタグループ全社で行う調査(年1回)に加え、独自の調査を展開しています。さまざまな部門を巻き込んで調査結果を分析し、①心理的安全性を高める取り組み ②組織レジリエンス力を高めるための施策展開 ③若年層へのアクション強化 ④中間層含めた従業員との対話の促進など、会社・組織課題を的確に捉え、より効果的で実行性のある施策を展開しています。
経営チームの統合:レジリエンスプログラムの実施
レジリエンスプログラム
2022年よりコニカミノルタ(株)の経営幹部を対象に、レジリエンスプログラムを導入しました。
このプログラムでは困難や逆境、強いストレスに直面したときに、適応する能力を高めることに加え、強い経営幹部のチームづくり、その影響を広く組織全体に波及させ、活力ある組織を創出することを目指しています。
本プログラムは、社内外の産業医が講師となり、医学・心理学・脳科学に基づく人間の特性の理解を通じて、身体・情動・思考・精神の4つの切り口で習慣を形成することによって、個人と組織のピークパフォーマンスの発揮とレジリエンス力の向上、加えて参加した経営幹部同士の統合・調和を目的としています。
1年間のプログラムの実践により、参加した経営幹部の行動や価値観が変容し、また業務面でも組織間の連携や相乗効果が促進されました。