人的資本
組織・文化・DNAの構築
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コニカミノルタのアプローチ
背景と課題認識
プロフェッショナル人財が高いパフォーマンスを発揮し活躍できる組織風土や文化を醸成していくうえで、2つの課題を設定し、施策を実行しています。
① エンゲージメントの向上
② 逆境に打ち勝つ経営幹部チーム統合力
目指す姿
すべてのグループ従業員が、コニカミノルタのビジョンに共感し、働きがいとチャレンジ意欲(エンゲージメント) を持って業務に取り組むことが、お客様への貢献、ひいては当社の持続的成長につながると考えています。そのような組織への変革を進めるため、従業員一人ひとりの声に耳を傾け、当社の強みや課題を理解した改善を実施し、「個が輝く」組織風土の実現につなげていきたいと考えています。そのためにも経営トップから率先して逆境に強いチームづくりを進めていく必要があると認識しています。
重点施策
Your Voice(Global Employee Survey:グローバル従業員意識調査)にて、組織風土の現状をエンゲージメントスコア*で測定し、各組織にて改善に向けたアクションを実施することで、グループ全体の競争力向上を実現します。
経営ビジョンへの共鳴と6つのバリュー
フィロソフィー
コニカミノルタは、人々の「みたい」に応え、新たな価値を創造してきました。2030年を見据えて、コニカミノルタのあるべき姿と社会的存在意義を、その原点かつ強みであるイメージング技術を通じて成し遂げていくことを表した長期での経営ビジョンステートメント「Imaging to the People」を掲げています。そして、これとともに2003年のコニカミノルタ発足以来不変の「経営理念」、価値創造の源泉としての企業文化・風土である「6つのバリュー」、そして「お客様への約束」を、コニカミノルタフィロソフィーとして体系化しています。

6つのバリューの実践
「6つのバリュー」は、私たちの信条そのものであり、もともと持っているDNAです。私たちがビジネスを通じて接するすべての人・社会に対する具体的な振る舞いや特徴であり、立ち返るべき判断基準でもあります。
RETHINKコミュニケーション
コニカミノルタフィロソフィーの実現に向けた、従業員一人ひとりの行動を促す行動スローガンとしてRETHINKは定められました。コニカミノルタグループの一人ひとりがRETHINKすることで長期の経営ビジョン・中期経営計画達成の加速を目指します。また、お客様に対してもRETHINKを提案し、それを通じてお客様とともに成長し、社会に貢献していきます。
Konica Minolta Awards
コニカミノルタでは、グローバル表彰制度を通じて、称賛される事例を明示しグループ全体で価値観を共有することにより、チャレンジする風土の醸成に取り組んでいます。顧客価値創造や業務変革、無形資産の価値向上など、社員一人ひとりが、新しい価値の創造に向けて挑戦する姿勢を評価する表彰制度であり、好事例のノウハウを全社で学び、業務に活かすことを推進しています。
また、コニカミノルタ(株)では、6つのバリューを常に意識した行動の習慣化につなげていくため、人事制度上にもその理念を反映しています。
これらの取り組みを通して、6つのバリューを実践する企業風土へ変革することを進めています。
結果発表動画撮影の様子と、受賞者との対話会
双方向コミュニケーション
経営層と社員の対話からコニカミノルタの成長をともに考え実践につなげていくために、双方向コミュニケーションを重視しています。四半期ごとに開催している社内向け決算説明会「CEO LIVE!」では、全社員に向けて、社長や役員が業績や方針を直接説明します。企画・資料作成は若手社員が担い、一般社員にもわかりやすい内容にしています。Q&Aコーナーでは、毎回リアルタイムで多くの質問が寄せられ、関心の高い順に社長や役員がその場で回答しています。開催後には社内ポータルサイトに動画を掲載して広く展開しているほか、アンケートを実施して社員の声を次回以降の企画や運営に反映し、内容の向上に努めています。さらに、CEO LIVE!の時間内に回答できなかった質問の回答も、後日社内ポータルサイトに掲載しています。回答作成には生成AIも活用し、効率化を進めています。
この説明内容は、英語・中国語でグローバルに展開しています。
また、CEO LIVE!開催後には、少人数で社長や役員と議論できる場として「オフ会」も実施しており、社員の声を直接聞き、業績や会社方針に対する考えなどを議論しながらコミュニケーションを深めています。
グローバル・エンプロイー・サーベイの実施と各地での継続的な改善活動
従業員にとって「働きがいとチャレンジ意欲(エンゲージメント)」が感じられる組織風土・職場環境を醸成することを目指し、全世界の従業員を対象としたエンゲージメントを測るYour Voice(Global Employee Survey:グローバル従業員意識調査)を行って各組織の現状を可視化し、改善に向けたアクションを計画、確実に実行しています。この取り組みによりグループ全体の競争力を向上させます。
| 実績 | 目標 | |||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | 2025年度 | 2030年度 | |
| エンゲージメントスコア* | 6.4 | 6.6 | 6.8 | 6.8 | 7.7(業界平均) | 業界上位25% |
| 回答率 | 90.8% | 85% | 91% | 91% | - | - |
- *
- エンゲージメントスコア:Your Voice(0~10段階で回答)における、該当設問「社外の人に、コニカミノルタで働く事をどの程度勧めますか」の回答平均点(2022年度、2023年度の開示において設問の記載に誤りがあったため修正しました。2021年度から同じ設問で評価を実施しています。)
具体的には、サーベイを通して経営と従業員の距離感を課題認識し、社長自ら国内外の各拠点を訪問して従業員との直接対話を行っています。また各事業部や各社・職場単位でも、調査結果を起点にした対話を通して改善アクションを実行するサイクルを回し続け、2024年度のエンゲージメントスコアは事業構造を見直している状況ではありましたが、前年度スコアを維持しています。2025年度は現場での好事例から導き出した「対話ハンドブック」を作成し、「Your Voice」 の調査結果に基づき、「結果の共有」「メンバーとの対話」「アクションの実行」の3つのステップを着実に回すための「型」を展開していきます。
これらの取り組みを通して、エンゲージメントスコアを2025年度に業界の平均水準まで、2030年度には業界上位25%に入ることを目標としています。また、エンゲージメントスコアは役員の報酬決定スキームに組み込まれており、重要な経営指標の一つとし、グループ一体となって取り組んでいます。
経営チームの統合:レジリエンスプログラムの実施
レジリエンスプログラム
組織の変革と成長への回帰を目指すにあたり、この変革はトップから起こすことが重要だと考え、まずは、経営層がプロフェッショナル人財・プロフェッショナル経営チームになるために当社では社長を含む役員と役員候補に対し、「レジリエンスプログラム」を導入しています。
「レジリエンスプログラム」とは、医学・脳科学・心理学的な観点から、人と組織が最高のパフォーマンスを出すために本質的に必要な要素について学び、それを1年間かけて習慣にしていくプログラムです。
具体的には、身体・情動・思考・精神性という4つの切り口に分かれております。例えば、脳のパフォーマンスを高めるための運動・栄養・睡眠だけではなく、困難で複雑な状況においても、高い視座と広い視点で自身と組織を統合する「人間性」も高めていくものになっています。
経営層自らが変革することで、その影響を次世代そして会社全体に波及させ、当社がプロフェッショナル人財集団へ変貌する根幹になると考えています。
このプログラムの実践により、参加した経営幹部の行動や価値観が変容し、また業務面でも組織間の連携や相乗効果が促進されました。
その効果の表れの一つとして、役員の業績目標に据えている上述のエンゲージメントスコアのポイントアップにもつながっています。

