ヒューマンキャピタル
人財育成
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コニカミノルタのアプローチ
背景と課題認識
現在、世界中の企業が膨大な収集データとAI・ICT技術とを組み合わせながら新しいサービスの創出を競い合っています。コニカミノルタも「課題提起型デジタルカンパニー」への進化を目指しており、そのための鍵となるのが「人財のトランスフォーム」です。
お客様や社会のニーズを的確に把握したうえで、コニカミノルタならではの革新的な価値を創造・提供することができる人財を継続的・計画的に育成していくことが不可欠だと認識しています。
目指す姿
革新的な価値を創造していくためには、一人ひとりが輝き、多様な考え方を持つ人財が自由闊達に議論を尽くしていくことが大切です。目指す人財像として、「変革の先頭に立ち、オーナーシップを貫いて、最後までやり遂げる人財」、「創造力を発揮して、他を巻き込み、顧客価値を生み出す人財」」――すなわち「グローバルで勝ち抜くビジネスアスリート」を掲げ、プロフェッショナルとしての個の進化、ひいては企業としての進化を遂げていきます。
重点施策とKPI
- 若手の早期抜擢や女性役員候補のパイプライン強化による、リーダーシップ人財の計画的な育成
- 顧客ニーズにデジタルで応えるリーダー(DXリーダー)をグローバルで育成し、2022年度までにグローバルなDXポジションへのアサイン完了
実績 | 目標 | |||
---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
幹部候補人財の戦略的配置(%) (戦略的リーダーシップポジションに対する人財配置割合)※1 |
70 | 98 | 100 | 100 |
DXリーダー育成数(人)※2 | - | 24 | 27 | 40 |
- ※1
- 戦略的リーダーシップポジションに対する人財配置割合
- ※2
- DXリーダー:顧客ニーズにデジタルで応えるリーダー
人財育成制度
ビジネス成長をリードできる人財育成を推進しています。
コニカミノルタでは、激しい競争に勝ち抜くため、イノベーションの創出による持続的ビジネス成長をリードする人財の育成を進めています。
次世代リーダーの計画的育成(サクセッションプラン実行)
DX推進による会社の持続的成長を支えるため、リーダーシップ人財を計画的に育成することが必要です。
特に、若手の早期抜擢や女性役員候補のパイプラインの強化、候補者への具体的育成プラン策定は急務となっています。
この施策として、代表執行役社長と事業トップが各事業のタレントをレビューする場を定期的に設けています。
レビューを通じて、各事業の現状および3~5年後に想定される組織課題と求められるリーダーシップポジションの人財要件を明確化したうえで、後任候補を中長期でリストアップし、人財育成プランの検討を実施しています。
特に、次世代を担う若手の早期抜擢の観点、多様な力を活かすうえでの女性抜擢の観点を含めて、トップ間で真剣な議論を行っています。
グローバルDXリーダー育成
DXを強力に推し進めるため、現場に近いところで、専門組織をオーケストレートし、顧客ニーズにデジタルで応えるリーダー育成をグローバルに展開することが必要と認識しています。
育成にあたり、DXリーダー要件を定め、グローバルで候補人財を可視化、絞り込んだうえで、社外教育機関と連携した教育プログラム、役員による個別コーチングを実施しています。 2021年度は、デジタルワークプレイスの領域を先行させ、戦略的なグローバルアサインメントにより、DXビジネスの拡大を成し遂げています。
今後は、全事業に対象を拡大し、グローバルリーダーの育成を加速化していきます。
人財育成体系
コニカミノルタ(株)では、OJD※ を基本として、その効果をより高めるため、役割、立場の変化にあわせた「階層別研修」と、各種の「知識、スキル向上研修」を実施するとともに、自律的な成長を促進するための支援制度を設けています。具体的な支援制度としては、推奨外部教育機関の紹介とともに、個人が選択した教育プログラムの受講料を補助する仕組みを導入しております。
なお、2021年度に実施した研修の受講者数は、のべ約8,600名、研修時間は約47,000時間でした。(eラーニング除く)
- ※
- OJD:On the Job Development(業務を通じた能力開発)の略。OJT(On the Job Training)の発展形であり、上司の指導のもと、課題を共有しながら能力開発を行うこと。
ビジネスプロデューサー育成プログラム(CGF)
コニカミノルタ(株)では、事業の力強い成長を実現するビジネスプロデューサーの育成を目的としたプログラム(CGF)を実施しています。新しい価値の創造を通じて社会課題を解決したいという志を持つ若手人財を選抜して実施しており、2021年度は10期メンバー15名が活動しました。プログラムに参加する若手人財は、育成カリキュラムのなかで、ともに研鑽し合いながら新規事業の創出に取り組みます。このプログラムは既成のものではなく、社内のさまざまな領域から選出された人財育成に熱い思いを持つ運営委員がすべてのカリキュラムを練り上げています。このことから、CGFは職場や専門性、世代を超えた交流と研鑽の場としても大きな役割を果たしています。
新しい事業アイデアのブレーンストーミング風景
ICT人財育成・認定制度
コニカミノルタ(株)では、ITやデジタル技術を駆使して、お客様起点で付加価値提供を実現できるICT人財の育成を目的とした社内教育プログラムを実施しています。「ICT人財スキル認定制度」として、社内でデータサイエンティスト※1などの人財タイプを定義したうえで、入門からエキスパートまでのスキルレベルの認定・登録を行う仕組みを整えるとともに、レベルに応じた教育カリキュラムを整備しています。2021年度は、データサイエンティストとして218名、プロダクトオーナー※2として56名、ITアーキテクト10名※3がスキル認定登録されました。(※4)
- ※1
- データサイエンティスト:各種データから意思決定やワークフローの課題を抽出し、解決策を構築する人財
- ※2
- プロダクトオーナー:ビジネスとソフトウェア技術の両方に精通し、ソフトウェア開発への投資対効果を最大化する人財
- ※3
- ITアーキテクト:ITサービスを顧客へ提供するためのプロセスやアーキテクチャの実現を担う人財
- ※4
- KM(コニカミノルタ)システムアーキテクト:主にクラウドのインフラとシステム構成、アプリケーションアーキテクチャを設計する。2021年度は登録なし
コニカミノルタカレッジ
イントラネットを通じて随時募集している、すべての従業員が受講可能なプログラムです。「ビジネススキル系」「専門スキル系」「eラーニング」「通信教育」など150を超えるコースメニューをそろえ、先端技術の習得やコニカミノルタの固有技術の伝承、そしてビジネス実現に必要なスキルアップに役立てています。
コニカミノルタカレッジ
若手海外派遣プログラム
コニカミノルタ(株)では、若手従業員を海外の販売会社や世界トップクラスのビジネススクールなどに派遣する「若手海外派遣プログラム」を実施しています。このプログラムは、多様な価値観のなかでの交流やリーダーシップの実践を通じて、グローバルに活躍するために必要な視座の向上・視野の拡大を図り、早期にリーダーを育成することを目的としています。
これまでに122名の若手従業員がこのプログラムに参加し、プログラム終了後、その経験を活かしてビジネスに貢献しています。なお、2020、2021年度の派遣は新型コロナウイルスの影響により保留としていましたが、その期間も派遣予定者に対し実践的な英語学習プログラム、海外で働くために必要な知識・技能を習得するためのプログラムの提供を続けています。また、これまでは、日本で働く従業員だけを対象としたプログラムでしたが、2022年度からは海外の関係会社の従業員を日本本社へ、海外関係会社から別の国の関係会社に派遣へと対象者や行き交う範囲を拡大し、グローバルレベルでの若手幹部候補育成を進めていきます。
若手海外派遣者の展示会参加の様子
人財育成を促進する人事制度
評価・処遇制度
コニカミノルタ(株)では、今後も新しい価値をお客様に提供し続けていく組織を実現するため、従業員一人ひとりがプロフェッショナル人財として、優れた知識・知見や独自のスキルを持ち、課題解決のため自律的な考えに基づく行動をとる事を求めています。これを加速するため、一般従業員の評価・処遇制度を改定し、失敗をおそれず高い目標にチャレンジし、「コニカミノルタフィロソフィー」に沿った人財を高く評価する仕組み、そして、チャレンジ行動がとれている従業員を結果に拘わらず評価する仕組みを導入しました。
なお、従業員の処遇については、統合以来、年功要素を除外し、能力および成果を公平に評価して、昇格や昇給に反映しています。
さらに、プロフェッショナル人財を牽引するリーダーを強化するために、2022年4月より管理職定義を見直すとともに、これまでの単線型の管理職制度を複線化し、従来の管理職を「エンパワーメントリーダー」「エキスパート」に位置づける事としました。
人財公募制度・FA制度
コニカミノルタ(株)は、会社主導の人財配置を補完する仕組みとして、従業員自らの意志で異動にチャレンジする「人財公募制度」と「FA(フリーエージェント)制度」を導入しています。これらは、自己のキャリア開発に積極的にチャレンジする人財の創出と、チャレンジ精神を尊重する風土の醸成を狙いとしています。
「人財公募制度」は、人財を求める部門の募集に従業員が自らの意志で応募するもので、今後は日本のみならずグローバル人財も対象とする制度に拡大していきます。
また、「FA制度」は、従業員自身がチャレンジしたい職種や職場をイントラネットに登録、人財を求める部門がその情報を見て面接を申し込み、双方の希望が合えば異動が成立する仕組みです。
これらの制度の継続により、グループ横断的な人財の流動化を図るとともに、自律的なキャリア開発を支援していきます。
社外からの評価
「全国アビリンピック」で銀賞を受賞
コニカミノルタ(株)の特例子会社であるコニカミノルタウイズユー(株)に勤務する障がいのある従業員が、2021年12月に開催された第41回全国アビリンピック(全国障害者技能競技大会)パソコンデータ入力技能競技に東京都代表として出場し、銀賞を受賞しました。
受賞した従業員は、日頃、業務でパソコンを使用しデータ入力作業を行っており、業務スキル向上と実力を試すため参加を決意しました。その後、就業時間内外を活用し自己研鑽した結果が、銀賞受賞につながりました。
グローバル人事組織の設置
コニカミノルタ(株)では、新しい価値をグローバルにお客様に提供し続ける組織を実現するために、世界各国の人財の育成と適材適所を推進するグローバル人事組織を設置しています。グローバル人事組織では、経営層や関連部門との連携を図り「世界各国の人財の可視化」「個別育成計画の策定」「個別育成計画に基づく業務の付与・グローバルローテーション・社内外の研修機会の提供」「やる気を高める報酬制度の導入」「従業員エンゲージメント向上」を通じて、個の力を高め、組織全体の力を高める支援を継続的に行っています。