人的資本
人財のひきつけ・育成・活躍推進
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コニカミノルタのアプローチ
背景と課題認識
プロフェッショナル人財を引きつけ、育成し、そして活躍を推進するうえで、以下の課題を設定し、施策を実行しています。
- 次世代リーダーシップ候補のパイプライン
- 人財のリスキル・アップスキルと適所配置の加速
目指す姿
各地域での人財引きつけ・育成・活躍推進を主体と置きつつも、コニカミノルタグループ全社を牽引する優秀な人財については、全社視点での可視化・育成のプロセスを回し、メリハリをつけた人財投資により最大限の効果を追求することで、事業の選択と集中の加速とその後の持続的ビジネス成長の実現に寄与していきます。
重点施策
- 次世代リーダーシップ候補のパイプライン強化
- 事業の選択と集中の加速に向けた人財供給のボリュームとスピードアップ
次世代リーダーシップ候補のパイプライン強化
経営者候補人財の育成
会社経営を担える次世代リーダーを計画的に配置・育成するため、2020年度よりポテンシャル人財を可視化し、CEOと事業トップが1on1で育成の方向性を確認・議論する場を設けています。この議論を通して、次の事業トップ候補はいるか、3~5年後を見据えたらどうか、という組織課題を明確にし、そのうえで、後任候補の特定とさらなる成長に向けて担わせる役割をCEOと事業トップが握り、次の1年間の成長度合いを確認する、というサイクルを回して、150名規模の計画的育成を行っています。
2024年度は、これに加えて、将来の社長候補に絞って、経営トップ層で人財を共有し、育成のための計画的な配置・教育プログラムを検討するための場として「人財委員会」を設置しました。この委員会は社長を委員長として、事業及び技術の管掌執行役・コーポレートの担当執行役で構成され、2024年度は4回の委員会を通して、2030年代をターゲットとした人財を選定いたしました。また、2025年度からは、個々の強化領域を見ながら、事業を超えるようなアサインメントの実施や、外部教育機会の提供を具体的に進めています。

グローバルビジネスリーダーの育成
コニカミノルタグループ約4万人のうち4分の3を占める海外人財の全社での活用も優先順位の高い課題です。それを加速するためにDX関連で実績のあるスイスのビジネススクールIMDと協業し、グローバルビジネスリーダー育成を進めています。全グループの優秀人財を可視化し、選抜された人財に対し、育成プログラムや経営トップによるコーチングの提供、個別育成計画の策定を経て、実際の国境を越えたアサインメントを進めています。
具体例としては、ヨーロッパのハイポテンシャル人財を日本本社に呼び、中期経営戦略策定メンバーに加えました。そのなかで、現場意見の計画への反映、そして海外販社施策との整合性を取ることなど、目に見える貢献をしてくれています。ほかにもアメリカとオーストラリアの間での戦略的な人財ローテーションを実現するなど、このプログラムの成果として表れています。
ここで選抜した人財が全社の経営人財となるよう、育成強化を図っていきます。

グローバルレベルでの次世代リーダーに向けたチャレンジ機会の提供
グローバルに広がる多様な人財の発掘を狙い、将来を担うマネジメント人財のパイプラインを戦略的に強化していく「GLOWプログラム」を進めています。
このプログラムは6カ月短期海外派遣で、2022年度より一新し、適用範囲を日本人のみから海外グループ社員にも広げ、日本から海外だけでなく、海外から日本、海外から海外という派遣も可能としています。
また、このプログラムは会社主導でミッションを与えるのではなく、強い意志をもった社員により、自らの力でミッションを設定する必要がある点も特徴的です。具体的には、派遣候補者は、自ら派遣先への受入交渉を行い、現地での貢献やミッション、そして派遣プラン策定を行う必要があります。自らがチャレンジする機会を掴み、現地の協力を得て目標に挑むことで、これまで培ったスキルや武器を国外でも通用するものに磨きあげながら、派遣者の多様性やグローバル視点を養い、世界と戦える真のグローバル人財の持続的な育成を目指していきます。
2023年5月から3期にわたり派遣し、3期合計で31名、そのうち海外人財は10名となります。実際に派遣された際には、現場で短期に成果をあげるために、いかに早く現場に溶け込むか、いかに協力を引き出すか、苦労しながらも必死になって成果をあげてくれています。受入先からも派遣者による組織貢献に対して非常に高く評価され、事業課題解決と人財育成両面で成果をあげています。
現在第3期として2025年4月から派遣を実施し、次なる第4期の選考を開始しています。今後も、厳しくもリターンの大きいプログラムとして、しっかりと継続していきたいと考えています。

人財のリスキル・アップスキルと適所配置の加速
DX専門技術人財の育成・活用
事業の選択と集中を加速させ、コニカミノルタがデジタルカンパニーとして世のなかに必要とされる企業であり続けるためには、保有するコア技術を最大限に活かし、それをさらに進化させていくことができるDX専門技術人財の強化がますます重要になっていくと認識しています。
コニカミノルタは、長年磨き続けてきたコア技術に最新のIoTやAI技術を組み合わせた「画像IoT技術」の開発に注力し、2014年度から本格的に新規事業創出に取り組み、そのために人財の育成・獲得を進めてきました。
これを軸に発展させ、DX推進に必要なロールを定義し、そのロールに紐づけた育成体系の明確化を行っています。また、各ロールの人財数とレベルを可視化し、効果的な人財配置・育成を行う下地としています。
この活動の結果、DX専門技術人財として目標としていた1,000名超を認定するに至り、現在はデータ活用の優先度の高い部門に配置し、職場内での実践につなげています。
DXビジネス拡大に向けた人財の強化

人財配置
コニカミノルタ(株)では、プロフェッショナル人財への成長を後押しし、事業ポートフォリオ転換に向けた人財戦略を実行するため、2022年にスキル体系を一新すると同時にタレントマネジメントシステムを導入し、個々人のスキル・経験を人財データベースに登録することで、どこにどのようなスキルを持った人財がいるのか、全社レベルで把握できるようにいたしました。これにより数年後に不足する人財の予測や、強化領域に求められる人財のシフト等の戦略的な配置を迅速に検討、実行することが可能となっています。
人財公募制度
コニカミノルタ(株)は、会社主導の人財配置を補完する仕組みとして、従業員自らの意志で異動にチャレンジする「人財公募制度」を導入しています。これは、自己のキャリア開発に積極的にチャレンジする人財の創出と、チャレンジ精神を尊重する風土の醸成を狙いとし、国内販社からの応募など、会社をまたいだチャレンジも可能としています。
人財育成体系
コニカミノルタ(株)では、OJD※ を基本として、その効果をより高めるため、4つの軸で教育体系を構築しています。すなわち、将来の社長候補やグローバルでの活躍を期待するポテンシャル人財など、人財を定めて必要な投資を行う「選抜型教育」、入社時やプロモーションタイミングの人財あるいは組織をリードする立ち位置にある人財を対象とした「階層別教育」、女性リーダー育成に向けたマインドチェンジやメンター教育などの「キャリア形成支援」、最大150万円/年の自己啓発支援、豊富な社内教育プログラムなどの自らが学びたいものを定めそこに必要な支援を行う「Re/Up skilling」となります。これらの教育投資とチャレンジ評価や人財公募、副業解禁などの多様な制度をかけ合わせ、個の力の最大化と同時にこれら人財の力を最大限に引き出せる組織風土づくりに取り組んでいます。
なお、2024年度に実施した研修の受講者数は、のべ約16,500名、研修時間は約46,500時間でした。
- ※
- OJD:On the Job Development(業務を通じた能力開発)の略。OJT(On the Job Training)の発展形であり、上司の指導のもと、課題を共有しながら能力開発を行うこと。
| 実績 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|
| 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
| のべ受講者数(人) | 約9,600 | 約8,600 | 約8,600 | 約10,100 | 約16,500 | 約16,500 |
| のべ受講時間(時間) | 約83,000 | 約64,000 | 約59,000 | 約83,000 | 約60,000 | 約46,500 |
| 従業員一人当たりの年間平均研修時間(時間) | 約16 | 約13 | 約13 | 約18 | 約14 | 約11 |
- 注:
- 対象はコニカミノルタ(株)の正規従業員
データ詳細はESGデータ内の社会データ(Excel)を参照ください。

