ヒューマンキャピタル
従業員の健康管理
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コニカミノルタのアプローチ
背景と課題認識
生活習慣病リスクの高まりやメンタルヘルス不調による休務者が社会的に増加していることを踏まえ、従業員の心身の健康確保を図り、生産性やパフォーマンスの向上につなげることが、重要な経営課題だと認識しています。
目指す姿
コニカミノルタは、「従業員の健康がすべての基盤」との認識のもと、「健康第一」の風土を醸成し、健康経営を推進しています。従業員一人ひとりが心身ともに健康を保ち、生き生きと働き続けられる職場づくりを通して人財力を高め、企業としての持続的成長を目指します。
重点施策・KPI
いきいきと働くことのできる安全で快適な職場(会社)の実現
従業員個人のフィジカル・メンタル両面の健康度向上に加え、2020年度からは、組織の健康度についても定量化して改善を進めることで、企業の持続的成長につなげています。
実績 | 目標 | |||
---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
Level 4職場の削減率(%)※1 | 38 | 69 | 30 | 50 |
組織健康度上位レベル移行率(%)※2 | - | 5.1 | 5 | 10 |
- ※1
- ストレス度が最も高いLevel 4職場(4段階のストレスチェック結果で、最もストレス度が高いと判定された職場)数の2019年度実績からの削減率
- ※2
- 組織健康度調査の結果が、3.5未満から3.5以上(上位レベル)に改善した職場数の前年比増減割合
実績 | 目標 | |||
---|---|---|---|---|
2020年度 | 2021年度 | 2021年度 | 2022年度 | |
フィジカルハイリスク者(最も健康リスクの高い従業員)数※1 | 24%増 | 30%減 | 8%減 | 12%減 |
メンタル不調によるのべ休務日数※2 | 15.1%増 | 10.1%増 | 7%減 | 13%減 |
- 注
- 2019年度実績からの増減率
- ※1
- 対象範囲:コニカミノルタ(株)。ただし、フィジカルハイリスク者数の目標と実績については、FY2021以降、対象範囲を国内グループ従業員に拡大
- ※2
- 2021年度に算定方法を変更したので2020年度に遡って実績を修正
健康第一の風土醸成を通じた健全な経営の推進
いきいきと働くことができる職場(会社)を目指して活動を推進しています
コニカミノルタでは健康経営を推進するうえでの理念である「コニカミノルタグループ健康宣言」に基づいて、会社と健康保険組合のリソースを最大限活用できるよう、施策立案と実行をワン・マネジメント体制(コラボヘルス)で運営しています。人事部長が健康保険組合理事長を兼務し、人事部の健康推進責任者と健康保険組合常務理事が密接に連携し、重要案件では経営層も含めた迅速な意思決定を行いながら、健康増進策を積極的に展開しています。
「健康経営」推進に向けた組織(コラボヘルス)体制
健康宣言の理念を実現するために、会社の中期経営計画に連動させ、2014年度からの3ヵ年の健康中期計画「健康KM2016」に続き、2017年度からは「健康チャレンジ2019」を策定・実行し、健康リスクを抱える従業員の最小化と従業員の健康度の「見える化」による生活習慣改善(健康ムーブメント)に注力してきました。
2020年度からは、新中計「Happiness Company2022」を掲げ取組領域を「リスク管理」から「生産性・活力向上」、「個人」から「組織」に拡充し、企業の持続的成長につなげています。
「前中計(2017年度~2019年度)と新中計(2020年度~2022年度)のポジショニング比較」
新「健康中計」のフレームワーク
また、2020年度以降、新たに健康投資管理会計の考え方に基づいて、当社が実施している各種健康増進策(健康投資)が、従業員の健康度や生産性の向上にどのように影響し、経営課題の解決につながるかを体系的に整理した戦略マップを作成し、企業戦略との連携を図りながら、健康経営に取り組んでいます。
健康リスク保有者の最少化
コニカミノルタは、経営戦略の着実な遂行に不可欠な人財力を高めるため、そのベースとなる従業員の健康度向上に取り組んでいます。会社と健康保険組合が一体となって諸施策を立案・実行しており、健康リスク保有者をフィジカル・メンタルの両面からセグメント化し、数値目標を立ててそれぞれの人数低減を目指しています。
フィジカル面では、国内グループ会社全体で重症化予防に注力しています。特に、最も健康リスクの高い従業員に対する産業保健スタッフによる対応(保健指導や受診勧奨)を強化した結果、2021年度の該当者の数は、2013年度比で90%以上減少しています。それにともなって、従業員一人当たりの入院費は、同じ期間で比較した場合、世間一般(健保連平均)が35%増加する中で、当社は19%増に抑えられており、重症化予防策の効果が出ているものと推察しています。2022年度は、産業保健スタッフによる保健指導を年間を通して行うなど、取り組みをより一層強化し、対象層のさらなる減少を図っています。
最も健康リスクの高い従業員数
(2013年度を100とした場合の指数)
最も健康リスクの高い従業員に対する対応状況
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|
産業保健スタッフによる対応率 | 100% | 100% | 100% |
医療機関受診率 | 100% | 92% | 95% |
一人当たりの入院医療費の推移
(2013年度を100とした場合の指数)
2021年度は、2020年から続く新型コロナウイルス感染症の蔓延による受診控えの影響で、健診の実施が難しい環境ではありましたが、定期健康診断受診率は100%を維持できました。一方で、健康診断実施後の最も健康リスクの高い従業員の2次検診受診率は95%にとどまったので、2022年度は、職場上長とも連携したうえで、産業保健スタッフによる受診勧奨を強化し、病院受診率のさらなる向上を目指しています。 各種健康関連指標(適正体重維持者の比率や血圧・血糖などのリスク者比率)の状況、がんの早期発見・早期対応を目的とした各種がん検診受診率は以下のとおりでした。
過去3年間の各種健康関連指標の状況
健康関連指標 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
適正体重維持者(BMI18~25未満)比率 | 70.7% | 67.2% | 69.1% |
血圧リスク者比率 | 0.3% | 0.4% | 0.3% |
血糖リスク者比率 | 0.2% | 0.1% | 0.1% |
糖尿病管理不良者比率 | 0.6% | 0.4% | 0.3% |
注 コニカミノルタ(株)全従業員に占める割合
過去3年間の各種がん検診受診率
検査部位 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 |
---|---|---|---|
肺 | 99.1% | 99.3% | 99.0% |
胃 | 95.8% | 87.9% | 90.5% |
大腸 | 94.1% | 94.4% | 94.9% |
前立腺 | 97.6% | 99.0% | 99.1% |
乳 | 66.0% | 60.5% | 67.8% |
子宮頚 | 40.9% | 36.4% | 43.8% |
注 集計範囲:コニカミノルタ国内グループ全従業員
また、健康保険組合と連携して特定健診を実施し、その結果に基づいて、生活習慣病予防のための特定保健指導に取り組んでいます。従来、特定保健指導は、健康保険組合から委託を受けた会社の保健師が行っていましたが、2018年度からは一部を外部の専門業者に委託し、会社の保健師はより健康リスクの高い従業員の保健指導に注力する一方で、生活習慣病予備軍となる特定保健指導対象者には、専門業者のノウハウを活用したきめ細かな対応を行った結果、2021年度(2022年8月現在集計中のデータ)は初回面談率、面談完了率とも、2016年度比で大幅に改善しました。
特定保健指導における初回面談率・完了率
メンタル面では、全従業員を対象としたストレスチェックを年2回実施し、毎回90%以上の従業員が受検しています(2021年度は92%が受検済み)。ストレスチェック結果をセルフケアに活用する一方で、職場別のストレス度を4段階に層別して結果を各組織長にフィードバックし、最もストレス度の高いLevel4職場については改善策を立案・実行しています。その結果、2021年度のLevel4職場数は4職場となり、前年の8職場から50%減少するとともに、高ストレス者比率も8.4%となり、前年から1.3%低下しています。あわせて、ラインケア機能の強化によるメンタル不調者の早期発見・早期対応を目的としたe-Learningを、グループの全管理職を対象として定期的に実施しています。受講率は95%前後を維持しました。アンケートの結果、このe-Learningを有益と答えた人の割合は90%に達しています。メンタルヘルス教育については、従来の「ラインケア強化」を中心としたディフェンシブな取り組みから、「職場風土の改善」に向けたオフェンシブな取り組みへの拡張を図っています。さらに、2020年度からは、スコアが生産性と強い相関のある「組織健康度調査」を新たに実施し、その分析結果を活用した職場改善活動にも取り組んでいます。
また、メンタル不調による休務から復職する従業員を対象とした「復職準備勤務制度」を設け、最大3カ月のリハビリ勤務期間中に産業医・職場上長・人事との面談を最低3回設けるなど、スムーズな復職に向けて、対象者への手厚いフォローを実施しています。
これらの対策の結果、2021年度のコニカミノルタ従業員のメンタル不調による休務日数は、2019年度比では10%増加したものの、2020年度比では4.3%減少しています。2022年度は、コロナ禍でリモートワークが増加した就業環境を踏まえたセルフケア教育(e-Learning)や、復職準備勤務制度のきめ細かな運用などにより、メンタル休務日数のさらなる削減を図っていきます。
また、コニカミノルタグループで定期的に実施しているグローバル従業員意識調査(GES)において、「自身の仕事に意義やお客様への貢献を感じる」という設問の2022年度の平均点は、10点満点中6.3(前年度6.2)、「エンゲージメント」に関する設問の平均点は前年同様5.4となり、多くの従業員が自分の仕事に熱心に取り組んでいることが確認できました。今後も成長に向けた変革をもたらすために従業員への働きかけを継続し、エンゲージメントのさらなる向上に取り組んでまいります。
メンタル不調による休務日数と休務者比率の推移(各年4月1日時点のデータ)
過重労働対策
過重労働による健康障害の防止に向け、2007年度から月中で超過勤務時間が30時間以上の従業員とその上長に「超過勤務抑制指導メール」を配信し、長時間労働の抑制に努めています。
また、前月の超過勤務時間が80時間以上の従業員には、産業医による健診を実施し、健康の確保を図るとともに、上長には「業務改善計画書」の提出を義務付け、2カ月連続での長時間勤務の防止を徹底しています。
さらに、2016年度からは健診の受診基準を見直し、超過勤務時間が3カ月連続60時間以上の従業員や前月の超過勤務時間が45時間以上となった従業員の中での希望者も、新たに産業医健診の対象に加えることで、過重労働による健康障害防止を強化しています。これらの対策の結果、一人当たりの年間総労働時間は、毎年1,700時間台を維持しており、従業員の過重労働を抑制し、ワークライフバランスのとれた、健康で働きやすい職場を実現しています。2022年度は、長時間勤務者の健診がよりスムーズに行えるよう健診予約システムを改定し、長時間勤務者のさらなる削減を目指します。
また、平均勤続年数、総実労働時間、有給休暇取得率などの従業員の就業に関する状況は、以下のとおりです。
従業員の就業状況
2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
---|---|---|---|
平均勤続年数 | 21.1年 | 20.9年 | 21.5年 |
総実労働時間(月平均)※1 | 157時間 | 161時間 | 169時間 |
所定外労働時間(月平均)※1 | 13時間 | 20時間 | 26時間 |
有給休暇取得率 | 75.0% | 51.7% | 56.4% |
自己都合退職率 | 3.1% | 2.7% | 3.1% |
※1 裁量労働者については、みなし労働時間ではなく、実労働時間で超過時間を算出
注 コニカミノルタ(株)従業員が対象
従業員の健康度の「見える化」による健康増進活動
コニカミノルタでは、従業員の健康度を示す指標を設定し、日頃の生活習慣を「見える化」することで健康意識を向上させるとともに、健康増進に向けた支援活動を実施し、健康度の底上げを図っています。
国内グループ全体で、従業員の運動や歩行習慣の定着に向けたチーム対抗でのウォーキングイベントや外部インストラクターによる運動講習会、食習慣の改善・意識向上を狙いとした食堂でのヘルシーメニューの提供などを行っています。2021年度は、免疫力の向上が新型コロナ対策としても有効であることから、株式会社グリーンハウスおよび株式会社ヤクルト本社との協業により、食堂を活用した腸活イベントやオンラインでの腸活セミナーを開催しました。
他社との協業による腸活イベント
歩行習慣の定着を目的として、年間を通して開催しているウォーキング推奨イベントは、毎年従業員の半数以上が参加しており、2021年度は51.3%が参加しました。
さまざまな健康増進イベントの実施を通じて、「生活習慣の改善にすでに取り組んでいる(もしくは今後取り組みを開始したいと考えている)従業員の割合」は年々増加し、ヘルスリテラシーの向上とともに、健康の基本である運動、睡眠、食事、喫煙などの生活習慣も、多くが改善傾向にあります。
生活習慣を改善したい従業員の割合
注 コニカミノルタ(株)従業員が対象
従業員の生活習慣
注 コニカミノルタ(株)従業員が対象
- ※1
- 「週2回以上30分以上の運動」または「毎日1時間以上の歩行」のどちらかの習慣がある従業員比率(高いほど良い)
- ※2
- 睡眠不足と感じている従業員比率
- ※3
- 「栄養バランスを考えていない」、「早食い」、「就寝2時間前の夕食」、「間食」、「朝食抜き」のうち3つ以上に該当する従業員比率(低いほど良い)
また、従業員の健康増進を支援するためのウェブサイトを通して、直近の健康診断結果から、同年齢平均と比較した10年後の循環器系疾患、脳卒中、虚血性心疾患の発症倍率を個人ごとに提示することで、生活習慣の改善を促しています。この仕組みは従業員に加え、健康保険制度の扶養家族にあたる配偶者も利用できます。
ウェブサイトでの将来の疾病リスクの提示例
さらに、受動喫煙対策として、過去、構内喫煙所の段階的な削減と喫煙所の屋外化、構内一日禁煙デーなどを実施するとともに、喫煙者には禁煙サポートプログラムへの参加を推奨してきましたが、2020年4月からは、喫煙に対する法規制強化を踏まえて、受動喫煙の防止と喫煙率のさらなる低下を目的に、国内グループ会社全体で「構内・所定就業時間内全面禁煙化」に踏み切りました。
これらの対策が奏功し、喫煙率は年々低下しています。
構内喫煙所数削減状況と喫煙率の推移
注 コニカミノルタ国内グループ全体の実績
また、アンケート調査からプレゼンティーイズム※1の主要因を分析したうえで、腰痛対策、睡眠不良者への専門職からの個別指導、メンタルヘルス対策などを進めてきましたが、働き方の変化による身体活動やコミュニケーションの低下要因が潰しきれず、2021年度の従業員一人当たりのプレゼンティーイズム損失額※2(1カ月平均)は71,824円と前年より約7%増加しました。このため、トライアルとして厚生労働省推奨事業でもあるICTを活用した改善プログラム(投資額997.5万円)を3カ月間集中的に展開した結果、症状の緩和・運動習慣の改善・メンタルリスクの軽減を実現でき、金額換算すると1,750万円の利益貢献に相当することが検証できたため、本プログラムの継続導入により、次年度でのプレゼンティーイズム損失額の改善(減少)を目指しています。
従業員一人当たりのプレゼンティーイズム損失額の推移
(円/人)
- ※1
- プレゼンティーイズム:何らかの健康問題によって、業務の能率が落ちている状態
- ※2
- プレゼンティーイズム損失額(従業員一人当たり)の算出方法
損失額=3,300円×8時間×有症状日数×パフォーマンス低下
パフォーマンス低下=1-(仕事の量の低下)×(仕事の質の低下)
女性の健康支援
女性活躍推進・健康支援強化の観点から、婦人科がんの早期発見、早期対応を目的として、がん検診の受診率向上を図っています。健康保険組合からの検診費用の補助に加えて、構内への検診車の導入や提携医療機関を増やすなど、受診環境の整備や感染防止策に取り組んだ結果、2021年度の国内コニカミノルタグループにおける乳がん・子宮頸がん検診の受診率は、前年から大きく上昇しています。
2021年度は、コロナ禍でも従業員が安心して受診できるよう、検診施設内での感染予防対策の実施を幅広く周知するなどの取り組みが奏功し、過去最高の受診率を達成しました。今後もこのような取り組みを継続し、女性の健康推進を強力に支援していきます。
乳がん・子宮頸がん検診の受診率推移
※コニカミノルタ国内グループ全従業員の受診率
2019年9月には、さらなる受診率向上に向けた啓蒙活動の一環として、タレントの麻木久仁子さんをお招きし、ご自身の乳がん経験を踏まえて、早期発見のための検診受診の重要性などについてお話しいただく講演会を開催し、500名近くの従業員が参加しました。
また、同年11月には、公益財団法人がん研究会有明病院乳腺センターの柴山朋子先生をお招きし、日本におけるがんの現状、乳がんの分類と治療法の変遷、遺伝性がんのメカニズム、がんの予防法などについてご講演いただき、200名以上の従業員が聴講しました。
熱心に語られる柴山先生
講演会の様子
また、婦人科がんにとどまらず、更年期障害や月経前症候群などの女性特有の疾病への対処方法を学び、パフォーマンスの維持・向上につなげられるよう、外部の専門家を講師に招いての「女性のいきいき健康セミナー」を開催しています。
新型コロナウイルス感染症対策
コニカミノルタでは、従業員の健康度向上への取り組みの一環として、従来から感染症予防に努めています。国内ではインフルエンザに関する流行情報の提供や予防接種の呼びかけを行うとともに、海外赴任者やその帯同家族、海外出張者に対してはマラリアや肝炎、HIVなどの感染症に対する情報提供を実施しています。また、健康診断の胸部レントゲンを通して、結核の感染有無を早期に確認し、必要な対処を行うことで、感染防止に努めています。
このようななかで、新型コロナウイルス感染拡大に際しては、従業員とその家族の健康・安全の確保を最優先に位置づけ、「感染しない・うつさない」ための対策に全社を挙げて取り組んでいます。
国内での感染拡大時には、従業員に対して「出社前の検温と体調チェック」、「こまめな手洗いや手指のアルコール消毒」、「マスクの着用と密集の回避」など、一人ひとりの感染予防対策徹底を要請するとともに、各職場では、「時差出勤やリモートワークの活用」、「居室の換気」、「会議のオンライン化」、「食堂の時差利用(30分×3回転)と一方向着席」などの対策を実施しました。
また大型連休前には、人流の増加により、さらに新規感染者が増加するおそれがあるため、全従業員に日々の感染対策を怠らず、外出、帰省の出発前に発熱など何らかの症状を認める場合には、ためらわず中止または延期することをはじめ、自己の責任において基本的な感染防止対策を徹底し、細心の注意を払って行動するよう要請しました。
一方、コロナ禍をきっかけに、働き方として在宅でのリモートワークが定着してきていますが、運動不足やメンタル面での課題も浮き彫りになってきたため、「自宅で手軽にできるフィットネス動画」や「在宅リモートワークにともなうメンタルヘルス上の問題点への対処方法と相談窓口」、「セルフケアに関するe-Learning(15分ほどの動画コンテンツ)」などを全従業員にメール配信し、必要に応じた活用を促すことで、心身の健康に関するサポートを行っています。
第7波がピークとなった2022年8月は、過去最高人数の国内KMグループ従業員の新型コロナウイルスの感染が確認されましたが、各職場と従業員一人ひとりが感染防止策を徹底することにより、新型コロナが初めて流行した2020年初め以来、一度も社内でのクラスターは発生しておりません。
変異を繰り返し、感染力や重症化率が大きく変動する新型コロナウイルスですが、従業員の健康を第一としながら事業への影響を最小化すべく、KMグループオリジナル作成の「新型コロナウイルスに対する行動ガイドライン」を柔軟に改訂、運用しながらwithコロナでの事業活動を進めています。
社外からの評価
「健康経営銘柄」への選定
コニカミノルタの“健康経営”に向けた理念や体制、取り組みが評価され、経済産業省および東京証券取引所が共同で取り組む「健康経営銘柄」に電気機器セクターから2015年、2016年、2018年~2022年の7回選定されています。
コロナ禍以前よりコニカミノルタでは、従来行われてきた新卒一括採用のみに頼らず、積極的に中途採用を行い即戦力となる人財を確保してきました。
「健康経営銘柄」への選定について、「スマートワーク大賞」その他の外部評価とあわせてさまざまな媒体で、「コニカミノルタは従業員の健康がすべての基盤との認識のもと、健康第一の風土を醸成し、健康経営を推進している会社」であることをPRするとともに、採用活動全般を強化した結果、IT系などをはじめとした即戦力人財の獲得競争が特に激しいなかで、2021年度の中途採用における入社者は2019年度比で146.6%、2020年度比では293.1%の伸長となりました。
また、「健康経営銘柄」への選定を機に、コニカミノルタ健康推進部門の担当者が、多くの顧客企業の課題を聞き、当社が実施している対策内容やその効果検証結果を踏まえたアドバイスを行う活動を始めました。お客様のご要望に応え、顧客企業が「健康経営」に取り組むうえでのサポート役として課題解決の手助けを行うことで、顧客接点の拡大にもつながっています。
国内グループ会社が連携して各種施策を進めた結果、経済産業省が主導する「健康経営優良法人2022」に選定されたグループ会社は前年の9社から12社に拡大し、大規模法人部門「ホワイト500」:6社、大規模法人部門:1社、中小規模法人部門「ブライト500」:2社、中小規模法人部門:3社が選定されました。