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公開日2025.08.21

受け手に届き、成果を生み出す
全日本DM大賞銅賞を受賞したDM施策の舞台裏に迫る

DM施策に取り組んだコニカミノルタジャパン 清野・後藤 DM施策に取り組んだコニカミノルタジャパン 清野・後藤

コニカミノルタジャパン株式会社 プロフェッショナルプリント事業部
プリントソリューション統括部 エンタープライズアーキテクト 清野 治樹(左)
プリントソリューション統括部 後藤 佳奈美(右)

メールマガジンといったデジタル施策がマーケティングの主流となるなか、紙のDMというアナログ施策に取り組み、高い成果を収めたのが、当社の自社実践によるセミナー告知施策です。障がい者雇用を担う企業の特例子会社をターゲットに、視認性の高いA4サイズのDMを用い、申込用と閲覧用のQRコードを宛先ごとにパーソナライズ。デジタルではアプローチが難しい層への接点創出を図り、メルマガと比較して申込率150倍という成果を生み出したことで、「第39回全日本DM大賞」では当社として初となる銅賞を受賞しました。

DM施策の背景には、「読まれること」を前提とした設計、ターゲットに合わせたメッセージ構成、そして企画・デザインも含めた自社実践の低コスト運用といった工夫があります。本記事では、本取り組みの狙いや工夫、紙のDMだからこそ実現した成果、そして今後の展望についてご紹介します。

デジタルが届かない層にアプローチするためのDM
ポイントは特別感と保存性

今回の取り組みでは、特例子会社向けのセミナー告知におけるDM活用によって、デジタル施策ではリーチしにくい層への接点創出を目指しました。取り組みについて伺う前に、そもそもDM施策に取り組む狙いを教えてください。

紙のDMを使った施策には2つの目的があります。ひとつは、有効なマーケティング手段のひとつとしてセミナーへの集客を行うこと。そしてもうひとつは、印刷業界におけるDMの価値を見直す狙いです。印刷需要が減少していくなかで、私たち自身が紙の活用を実践してマーケティングの成果を出すことで、顧客に対しDMの価値や可能性を伝えていくことを大きなミッションとしています。(清野)

DM施策の背景を説明するコニカミノルタジャパン清野

デジタル施策がマーケティングの主流となる中で、アナログ施策である紙のDMにはどのような強みがあるのでしょうか。

新規リードの創出において、紙のDMは「デジタルでは届かない層」へのアプローチ手段として重要な役割を担っています。今やメールマガジンはごく一般的なマーケティング施策です。送り手は日々メールマガジンを企画、送信し、受け手は1日に複数社から何通もメールマガジンを受信します。そのためメールマガジンという施策は、メールに対する反応率に限界があるという根本的な課題を抱えています。

その一方、紙のDMは住所さえわかれば送付できるため、受信ブロックはなく、企業内で回覧されて複数人が申し込んでくれるケースもあるなど、アナログならではのメリットがあります。(後藤)

たとえ1万件のメールアドレスを保有していても、実際に読んでもらえるのは3割程度で、残りの7割には情報が届かないままという現実があります。そのギャップを埋める手段として紙のDMは有効ですし、調査レポートでも「紙なら読む」層が一定数存在していることが明らかになっています。デジタル施策に対する“配信疲れ”も背景にあると思いますが、「自分宛てに届いた紙の媒体には特別感がある」と感じる方は一定数いらっしゃるのではないでしょうか。

こうした特別感に加えて紙は保存性が高く、一度スルーされたとしても机の上や掲示板に置かれて再び目にされることで、参加行動につながるケースが多いです。実際に私たちの取り組みでも、DM送付から数日後にコンバージョンが再び上がるといったデータが出ており、この保存性は紙のDMならではの特長です。(清野)

紙のDMはコストと不透明さが課題
読まれるためのDM設計と、QRコードの活用がカギに

紙のDMが抱える課題や難しさについて、どのように考えていますか?

やはり一番の課題は、DMはコストも工数もかかる一方で、施策の成果が見えづらいという点にあると思います。印刷費やデザイン費をかけても、結局「効果があったのかどうか分からない」といった不安が先に立ってしまい、なかなか社内での意思決定が進みにくいのではないでしょうか。(後藤)

これはDMだけでなく、紙媒体の販促全般に言えることですが、デザインや印刷といった制作にかかる時間やコストが高い割に、数字での可視化が難しいという構造的な課題があります。デジタルのマーケティング施策が一般的になるにつれ、紙の施策を控えるケースが増えており、結果としてノウハウの継承が難しくなっていると感じています。(清野)

DM設計の課題について説明する後藤

紙のDMが抱える課題に対して、どのような工夫をされてきたのでしょうか?

送付したDMが埋もれず、担当者の方に手に取って読んでいただく上では、キャッチコピーやコピーの見せ方、DMのサイズなど、細かなデザインの工夫が欠かせません。今回の施策でもA4サイズで少し大きめにしたり、封筒に入れずに一目で内容が伝わるようにするなど、「読まれること」を前提に設計しました。見た目のインパクト以上に、開封しやすさや記憶への残りやすさを意識しましたね。(清野)

他の施策では封筒にチラシを封入して送っている例もありますが、それでは何の案内かが届いた瞬間に伝わりにくいと思います。ですので、我々の施策では“開封しなくても内容がわかる”状態に仕上げることを意識しました。

また、施策の成果を可視化するため、QRコードを設置するようにしています。QRコードを読み込んでいただいてフォームへ回答いただければ、申し込み情報は個別に取得できます。QRコード一つひとつをユニークにし、マーケティングオートメーションに紐づけをしなくても、フォームに入力さえいただければ集計できるため、手軽に仕組み化できるのもポイントです。(後藤)

DMとの親和性が高い特例子会社に対象を絞ったアプローチ
目的はセミナーへの集客

「第39回全日本DM大賞」で銅賞を受賞したDM施策について教えてください。

障がい者雇用の促進を目的とする制度に沿って大手企業が設立する特例子会社の代表取締役や人事担当者向けに、障がい者雇用における社員のやりがい向上をテーマにしたセミナーをご案内するDMを送付しました。

視認性の高いA4サイズのDMを使用し、文字や写真も大きくして、読みやすさを意識したこと、申込み用のQRコードは553通すべてに個別のコードを付与し、今後の施策に活かせるようにしたことが特徴です。(後藤)

DM大賞について振り返る清野と後藤

DM送付のターゲットに特例子会社を選定された背景についてお聞かせください。

今回の取り組みでは特例子会社、その中でも障がい者雇用に課題を持つ人事部門の担当者をターゲットとして想定しました。障がい者雇用の促進に取り組む大手企業にとって、「どのような仕事を任せるか」は多くの特例子会社が抱える課題です。

こうした課題に対し、印刷業務は有効な解決手段のひとつとして可能性があり、まだ十分に開拓されていない潜在市場だと考えています。実際にコニカミノルタグループの特例子会社であるコニカミノルタウイズユー株式会社は、主にグループ内の印刷業務を担っており、同様のニーズは他社にも存在するはずです。(清野)

しかし、特例子会社はメルマガやWeb広告といったデジタルでのアプローチが届きにくい傾向があります。Web上での情報発信が少なく、そもそも営業窓口が設けられていないことも少なくありません。そのため、デジタルのアプローチは親会社経由になりやすく、事業側の決裁者まで届きにくいのです。教育機関や介護施設などでも、同じような傾向がみられます。

そこでアナログなアプローチであるDM施策がより効果的なのではないかと考えました。メールアドレスのリストが存在しなくとも、DMは住所リストをもとに送付することができます。加えて、日中はDMを受け取ってもすぐには見られなくても、日中の業務が終わったタイミングでゆっくり目を通すことができます。(後藤)

読み手の視認性と利便性を重視したDM設計
資料DL導線と営業フォローで接点を最大化

DMのビジュアル面について、こだわった点を教えてください。

まずDMのレイアウトについては、表面を見ただけでセミナーの内容が一目で伝わるよう、できる限り情報を絞ってシンプルに設計しました。また、よくある封筒型やはがきサイズのDMだと他の郵送物に埋もれてしまうため、A4サイズの両面厚紙という仕様にしています。

A4サイズで見やすいだけでなく、厚紙ですので作業や休憩しながら片手でも見れますし、なにより開封するひと手間が不要です。ハガキサイズと比べるとA4サイズは郵送費が高くなってしまいますが、とにかく特例子会社の現場の方に目を通してもらうことを最優先に考えました。(後藤)

読まれることにこだわったA4サイズのDM

読まれることにこだわったA4サイズのDM

マーケティング施策として、こだわった点を教えてください。

今回のDMでは宛名だけでなく、申し込み用と記事閲覧用の2つのQRコードを宛先ごとにパーソナライズすることでデータ連携しやすいように工夫しています。

宛名などのバリアブル印刷が必要な箇所は、クラウド型のバリアブルソフトであるVariable Studioで作成し、個別のQRコードは自社ツールで生成しています。それぞれのQRコードは読み取り履歴を記録し、申込者だけでなく、資料閲覧者も追跡できるようになっています。(清野)

メルマガの動線設計で培ったノウハウをDMにも活かしたことも特徴です。業界特化型の「こんなお悩みはありませんか?」といった課題提起とその解決策といったメルマガに準じた構成を意識しています。受け取った方が課題に共感し、自然とセミナーに参加したくなるような構成としました。

また、情報収集には積極的であっても日時の都合でセミナーに参加できない方に対して資料ダウンロードの導線を設けています。後日、弊社の営業担当からフォローアップしており、セミナーに参加できなかった方にもアプローチすることで獲得リードの最大化を狙っています。(後藤)

申込率はデジタルの150倍
紙だからこそのリーチ拡張性やコストパフォーマンスを評価

今回のDM施策によって、どのような成果が得られましたか?

合計で553通のDMを発送し、83件の申し込みを獲得しました。一方のメルマガ施策では、約4万通を配信して50件の申し込みに留まっています。DMからの申込率はメルマガ施策の150倍という驚異的な数値を記録しました。

1枚のDMが複数人に回覧され、複数名からの申し込みを獲得する“シャワー効果”も確認できました。中には1社あたり10名近い申し込みがあったケースもあり、紙ならではのリーチ拡張性が証明されたと感じています。(清野)

セミナーの参加者には決裁者層も含まれており、セミナー参加によって得られたメールアドレスから今後の商談につながる可能性も十分あります。紙DMは単なる送客手段にとどまらず、商談の起点となる有効なタッチポイントであると再認識できました。(後藤)

効果についての実感を語る後藤

コニカミノルタジャパンでは初となる全日本DM大賞で銅賞を受賞しました。
どのような要素が評価されての受賞だったのでしょうか。

全日本DM大賞では、DM施策の「戦略性」「クリエイティブ」「実施効果」の3項目について各審査委員が評価します。特に今回の施策では、メール配信による申込率0.1%と比較して、DMではメルマガ比150%という高い申込率を記録した点や、QRコードを用いたトラッキングにより、申込率ベースでの定量的な効果を測定できた点などが評価されたポイントだったと考えています。(後藤)

デザインは社内制作、印刷も自社設備を用いたことから、低コストで実施できた点も評価され、実際に受賞作品がまとめられた年鑑に「コスパ最強」という言葉が見出しにつけられています。ターゲット戦略と効果測定を重視したDM設計が評価され、今回の受賞につながったのではないでしょうか。(清野)

紙のDMだからこその“手触り感”
重要なのはデザインだけでなく、誰に何を届けるか

DM大賞の受賞作品集

DM施策の実施と全日本DM大賞の受賞を通じて、どのような気づきがありましたか。

私自身、以前はメールマーケティングの担当者だったこともあり、「マーケティング施策といえばデジタルが主流」という認識を強く持っており、紙のDMに対しては従来型の施策であるという印象しか持っていませんでした。

しかし、今回のプロジェクトを通じてその見方が大きく変わりました。DMからのセミナー参加者数が増えていく度に、私たちが企画したDMを受け取った特例子会社のご担当者の方々が実際にスマートフォンを取り出して、A4のDMに印刷されたQRコードを読み取ってくださる姿を思い浮かべると、「私たちが届けた情報が、確かに誰かに求められているのだ」と実感できたことが印象に残っています。メルマガではなかなか得られないような、マーケティング施策の“手触り感”を感じられたのは、大きな気づきでした。(後藤)

今回の取り組みを通して、DMの効果を引き出すうえで大切なのは、必ずしも凝ったデザインや特殊な加工ではない、と実感しています。以前には形状にこだわったDMも全日本DM大賞に応募していたのですが、受賞には至っていません。結果として評価されたのは、最もシンプルな構成でありながらターゲット設定とメッセージ設計を丁寧に行った今回のDM施策でした。マーケティングの基本である「誰に・何を・どのように届けるか」を押さえることで、見た目以上に「伝わるDM」をつくれることを、数字としても証明できたと思います。(清野)

お客さまや印刷会社様を巻き込み、より効果的なDM施策を実践、広めていきたい

今後の展望をお聞かせください。

今回の取り組みは、コニカミノルタ単体での自社実践という位置づけでしたが、今後は、われわれが日頃お取引きしているお客さま、そして印刷を担う印刷会社様と、3社で成果を共有できるような事例づくりを進めていきたいと考えています。具体的には、DM施策が企業の売上効果につながり、同時に印刷会社様に仕事を生むという関係性を、ひとつでも多く実現していきたいという思いがあります。(清野)

今回の事例をもとにセミナーの開催を企画しています。DM施策の実践効果を可視化できた点を強調しながら、他部門や営業担当者とも成果を共有し、さらなるマーケティング施策のブラッシュアップにつなげていきたいと考えています。(後藤)

今後の展望を語る清野

DM施策を支えたバリアブル印刷と、Variable Studioは、どのような企業におすすめできるでしょうか。

Variable Studioは、宛名の可変印刷はもちろん、画像やコピーも柔軟にパーソナライズできる点が魅力で、これまでDM施策に取り組んでこなかった方でも試しやすい設計になっています。もともと導入コストが低めに設定されているので、トライアル的に使いながら仮説検証を繰り返せる点は、私たち自身も実感しているポイントです。(清野)

宛名だけでなく、今後は受け手が「自分に宛てたものだ」と感じられるような企画が重要になってくると思います。DMの表現力を活かすうえでも、Variable Studioのように簡単にバリアブル設計ができる環境があることで、マーケティング施策をより柔軟に、戦略的に進めていけるはずです。(後藤)

― 清野さん、後藤さん、ありがとうございました!

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