睡眠

産後の生活は、赤ちゃんの睡眠サイクルに合わせて大きく変化します。この章では赤ちゃんの睡眠の特徴を知り、適切で安全な睡眠とは何かを一緒に考えていきましょう。また、赤ちゃんだけでなく子育てをする皆さん自身が、産後の睡眠リズムの変化やそれによって生じうる心身の負担について理解した上で、心の準備をしたり対処方法を考えておくことで、スムーズに育児をスタートできるようお手伝いしたいと思います。

Lesson

レッスン
  • 赤ちゃんによってさまざまです。米国の国立睡眠財団は、睡眠と健康に関する多くのデータや研究をもとに0〜3ヶ月までの推奨睡眠時間を14〜17時間、許容範囲を11〜19時間としています1)。このように、赤ちゃんによってかなりばらつきがあることがわかりますね。他の子と比べて心配になる必要はありません。自分の赤ちゃんのペースに合わせてあげましょう。

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  • 赤ちゃんは生後6か月くらいまで定期的な睡眠サイクルを持ちません。新生児は多くの場合一度に1〜2時間しか眠りません。また大人と比べ睡眠は浅く、睡眠周期も短いことから、眠りが浅くなった(レム睡眠)時にちょっとした変化(不快感、空腹、排せつ、モロー反射)で目覚めることがよくあります。成長に伴って途中で目覚めても数分後には再び眠りにつくことができるようになります。

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  • 17〜19時間程度の寝不足で判断能力は酔っ払っている状態と同程度にまで低下することが示されています1)。さらに、育児中はこの寝不足状態が続きます。産後6年は睡眠満足度が妊娠前のレベルに戻らないというドイツの研究結果も2)。寝不足が続くと自律神経が乱れ、精神面への影響も無視できません3)。周囲のサポートや社会資源を頼って、できるだけ睡眠をとるよう心掛けましょう。

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  • 一般的に赤ちゃんは1歳くらいになるまで、毎晩夜通し寝るということはなかなかありません。生後3か月になると、赤ちゃんによっては睡眠のリズムができ始め、夜に最大5時間ほど眠れるようになります。生後5か月になると、半数の赤ちゃんが8時間くらい寝られるという研究があります1)。このように夜のお世話は長丁場です。パートナーや家族と上手に分担して行っていきましょう。

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  • 生後3〜6ヶ月になると少しずつ昼夜のリズムができてくるとされています。その頃から、赤ちゃんが生活リズムを作れるよう、日中はカーテンを開けたり、家族と同じ空間で賑やかに過ごしたりするのがよいでしょう。日中に寝る時は日常の騒音を気にする必要はありません。一方、夜は照明を暗くしてあまり話さず静かにします。赤ちゃんへの刺激を必要最低限にすると、赤ちゃんは夜は眠るものだと次第に学んでいきますよ。

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  • 添い寝は赤ちゃんとの絆を深め、夜間の母乳育児を促進することが知られています。一方、添い寝が乳幼児突然死症候群のリスクを高める可能性について世界中で議論されています。そのため、添い寝をするときは周囲に窒息の原因になるものを置かないなど環境に十分注意しましょう。

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  • 赤ちゃんが枕を使い始める目安は1歳前後とされています。生まれてしばらくの間は、睡眠中の窒息や突然死のリスクという観点から、赤ちゃんに枕を使うことは勧められていません。また、赤ちゃんの背骨の構造(Cカーブ)から考えても必要はありません。
    個人差があるので、それぞれの赤ちゃんに合わせて選択してくださいね。

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  • 赤ちゃんには「向き癖」があり、寝る向きや角度によっては、頭の形がいびつになる場合があります。しかし1才くらいになって寝ている時間が短くなると目立たなくなるようです。近年首の座った赤ちゃん対してヘルメットで矯正する療法がありますが、何もしない場合と差がなかったことが報告されています。歪みが激しい場合は小児科に相談してみるとよいでしょう。

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