授乳

産後のママに聞いた大きなギャップポイントの一つが授乳です。こんなに大変だと思わなかった、自然に出ると思ってた、こんなに痛いと思わなかったなどの声が集まっています。ここでは授乳の大変さを知り、正しく備えるために必要な知識を集めました。早速学んでいきましょう。

Lesson

レッスン
  • 平成27年の産後1ヶ月における授乳方法は、母乳育児51.3%、混合栄養(母乳とミルクの併用)45.2%、人工栄養(ミルクのみ)3.6%と、約半数の人が母乳育児をしていました。
    そこで、ママの妊娠中の思い別にみると、妊娠中に「ぜひ母乳だけで育てたい」人では67.6%、「母乳が出れば母乳で育てたい」人では31.4%が母乳育児でした。妊娠中の思いが産後の母乳育児率と関係しているようです。

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  • おっぱいや乳首のマッサージは、日本で勧められることがありますが、海外では母乳育児率が改善しないことから不要とされています。
    一方で、家族の母乳育児の考えは母乳育児率に影響します。家族で母乳育児のメリット・デメリットについて学び、母乳で育てたいのか、またそのための協力方法を話し合いましょう。母乳かミルクか迷ったときは家族と一緒に悩み、ママの希望を尊重しましょう。

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    参考文献
  • 授乳で困ることのトップ2は、「母乳が足りているかわからない」40.7%、「母乳が不足気味」 20.4%と、母乳の量に関することです。母乳は見た目で飲んでいる量がわからず、おっぱいが張らなくなったり、赤ちゃんがしょっちゅう起きたりすると、母乳が不足していると思いがち。しかし、おっぱいが張らなくても母乳は飲んでる最中に作られますし、お腹がいっぱいでもすぐに起きる赤ちゃんもいます。早合点してミルクを足すと、その分母乳が作られにくくなるので、ミルクを足し始める、またはミルクの量を増やす前に助産師に相談しましょう。

    参考文献
  • おっぱいや赤ちゃんの様子を観察してみましょう。
    赤ちゃんが母乳をよく飲んでいれば、尿や便をよく出します。授乳した時間とともに、尿や便が出た時間を記録しておきましょう。また、授乳中に赤ちゃんの飲んでいる音が聞こえたり、赤ちゃんの皮膚がみずみずしかったり、授乳中に飲んでいないほうのおっぱいから母乳が出てきたりするのも良いサインです。

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  • 出産直後は十分な母乳が出ないママがほとんどです。なぜなら赤ちゃんがおっぱいを吸うことで母乳を作る/出すホルモンが良く出て、少しずつ母乳が増えていくためです。出産直後から少なくとも1日に8-12回以上、頻回に授乳することが大切です。
    特に夜は、母乳を作るホルモンの反応が良く、夜間授乳することは理にかなっています。産院のスタッフ、パートナーや周囲のサポートを受けて頻回授乳を乗り切りましょう。

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  • 体質や既往歴によって出ない人もいます。胎盤の一部分が子宮に残っている場合や乳腺の発育が不十分な場合、多嚢胞性卵巣症候群や過去のおっぱい手術の経験がある場合など、母乳が作られにくいことがあります。これはママのせいではありません。
    母乳が出ているかの判断は難しいもの。「悩むこと」が辛いので、少しでも気になったら助産師さんや産科の看護師さんに相談し、様子を見ながら一緒に考えていきましょう。

    参考文献
  • 妊娠前のおっぱいの大きさとは関係ありません。
    妊娠前に小さくても、妊娠中、そして産後に大きくなります。また、母乳は飲まれている最中にどんどん作られるものです。おっぱいの大きさは人によってさまざまですが、大きさに関わらずほとんどの人が問題なく授乳できるとわかっています。

    参考文献
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    母乳育児体験談「おっぱい下手な息子の体重が激減!」
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  • Column 04
    「ミルク育児」で気をつけたいこと
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  • Column 05
    ミルク育児の生活
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  • 授乳以外の時間は自分の時間と思うかもしれませんが、生後6ヶ月の赤ちゃんを育てるママが子どもを持って負担に思うことは、「自分の自由な時間が持てない」(56.5%)がトップです。授乳が仮に1回約30分×8−12回/日とすると、授乳だけで4-6時間も必要です。そこに、オムツ替えや寝かしつけ、沐浴などがあります。しかも、抱っこで寝てくれても、布団に寝かせると起きてしまうことは珍しくなく、時間はあっという間に過ぎてしまいます。

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  • よくあるトラブルは乳頭にキレツや水ぶくれ、血マメができることです。また、乳腺炎になるママも珍しくありません。赤ちゃんの吸う力は想像以上に強いです。おっぱいの先だけ吸うと圧力がかかりすぎ、このようなトラブルがおきてしまうのです。1回の授乳でなることもあるので、乳輪をできるだけ含み、圧力を分散させるようにしましょう。
    乳腺炎は母乳を飲み切れなかったり、乳頭から細菌が入るなどが原因で起こります。

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  • ちょっとしたコツがあります。赤ちゃんとママのお腹を寄せ合い、赤ちゃんのお口が大きく開いた時に、できるだけ多く乳輪を含ませましょう。赤ちゃんが乳首の先だけ吸わないようにするのがポイントです。ただ、首の座っていない赤ちゃんを抱っこするのも不安なママが、お腹を寄せ合うのも大変です。是非、産院の助産師さんや看護師さんにチェックしてもらいましょう。

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  • 違います。赤ちゃんが泣く前に与えることがストレスのない授乳のコツ。そのためには、赤ちゃんからのサインをキャッチすることが大切です。
    赤ちゃんは泣くと舌を上にあげてしまい、乳輪を多く含んで飲むことが困難に。そうすると、乳首の先だけ吸われてママの負担にもなります。また、ママは焦って心も疲れてしまいます。赤ちゃんがはっきりと目覚め、動きが活発になったり、むずがったり、口を開けたり、おっぱいを探す素振りをしたら、ママはおっぱいの準備をし始めて、落ち着いて授乳しましょう。ミルクの赤ちゃんも同じタイミングです。

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  • 大丈夫です。母乳には、飲ませ始めに出る脂肪分の少ない「前乳」と、終わりごろに出てきて成長や発達に必要な脂肪分が多い「後乳」があります。短時間でおっぱいを変えるよう説明されることがありますが、そうすると前乳ばかり飲んでしまい、赤ちゃんは満足感が得られなかったり体重が増えなかったりすることがあります。両方から飲んでもらうのがベストですが、片方で終わった場合、次の授乳は反対からしましょう。また、授乳毎に最初に与えるおっぱいを変えましょう。

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  • 夜間の平均授乳回数は、産後1ヶ月で3.5±2.2回、産後半年で2.6±1.7回です。個人差が大きいですが、夜間の授乳はしばらく続きます。そのため、母乳であれば添い乳をしたり、ミルクであれば準備や後片付けを工夫し、夜間の授乳を乗り切りましょう。また、日中にママが休息をとれるよう、できるだけ家事をサポートしてもらいましょう。

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  • ・ミルクを溶かすお湯は70度以上
    ・作ってから2時間たったミルクは飲まなくても捨てる
    粉ミルクは無菌ではありません。特にエンテロバクター・サカザキ菌という菌が、製造段階でも開封後でも入りやすいとわかっています。そのため、70度以上のお湯で溶かす必要があります。ただし、飲ませるときは人肌に冷まして。また、作ってから2時間以上たったミルクは捨てましょう。菌は計量スプーンにも付くことがあるので、使う物は清潔にしましょう。

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  • 大丈夫です。2018年8月、乳児用液体ミルクの製造・販売が可能になりました。液体ミルクは高温滅菌済みのため常温で保存可能、調乳の手間が入りません。保育者の体調が悪い時、夜間や共働きで時間が限られている時に簡単に授乳ができます。災害時の備えとしても活用できます。ピンチの時に上手に利用したいですね。

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  • Column 06
    哺乳瓶選びのポイント~いつ・どのように選んだらいいの?
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