機能紹介「高速分光測光器 CAS140シリーズ」オプション機能の「迷光補正」でUV測定での精度向上を実現!

高速分光測光器CAS140シリーズの新しいオプションである迷光補正機能をご紹介いたします。
迷光は分光器の内部で発生するノイズ成分で、本機能を用いることで迷光を10-5オーダーまで押さえることが可能です。
特にUV測定での精度向上に有効で、今回ご紹介する例ではUV域の縦軸精度に3~4%の改善をすることが出来ました。また、可視域LED測定時の色度においては最高0.0005まで精度改善が見られました。

NIST方式の迷光補正機能

迷光は分光器の内部で発生するノイズ成分です。特にポリクロメーター方式の分光器で発生し易く、測定誤差が生じて精度が悪くなる要因となります。迷光対策としては2種類あります。1つは分光器の光学設計を改善する方法で、そしてもう1つが、校正の方法を工夫することで迷光を補正する方法です。インスツルメントシステムズ社のCAS140シリーズでは、アメリカ国立標準技術研究所(NIST)が提唱する方式の迷光補正機能を採用し、測定精度の向上を可能にしました。

迷光補正の概要

迷光を補正するには、分光器内で発生する迷光の挙動を正確に把握することが重要です。それぞれの波長ごとに見られる放射量の挙動は、検出器の特定の画素から得られる電荷量に依存します。これを応用して単波長の信号を入力し、変動する出力をマトリックス化して補正を掛けることで迷光補正を実現しています。

UVA LEDでの迷光補正

紫外線の範囲は、通常 UVA(320-400 nm)、UVB(280-320 nm)、UVC(200-280 nm)に分けられます。UVA の放射は、印刷インキ、接着剤、塗料の硬化に使用され、UVC 放射は、消毒殺菌と水質浄化に使用されます。
図1 は、UVA LED のスペクトル測定における、迷光補正適用時(青線)とそうでない場合(赤線)、そして原理的に迷光が低いダブルモノクロメーター方式の分光器で測定した場合(緑線)の結果を示しています。350nm以下のUV域において迷光補正を適用した場合は、適用しない場合と比べて一桁以上迷光が抑えられていることがわかります。このケースでは迷光量としては10-5オーダーまで下げられ、放射強度の精度を3%以上改善することができました。


図1 UVA LEDの分光スペクトルの対数表示

UVC LEDでの迷光補正

UVC LED測定においてはさらに迷光補正の効果が顕著になります。図2では、迷光補正機能により従来比 放射強度の精度が約4%改善しました。ダブルモノクロメーター分光器に匹敵するレベルまで迷光が抑えられていることがわかります。今回のLEDサンプルのピーク波長(257nm)自体は迷光補正の有無では全く変わりません。一方で迷光が抑えられたことでスペクトルの重心波長が約 0.8 nmシフトし、測定精度の向上が見られました。


図2 UVC LEDの分光スペクトルの対数表示

可視LEDでの迷光補正

図3 は白色と緑色の標準LEDを測定した際の、迷光補正適用(青)と不適用(赤)のスペクトル結果を対数表示にて表しています。迷光補正の効果がはっきり出ていることがわかります。特に短波長側の青色域や紫外域において、迷光レベルは一桁近く下がり10-4から5・10-5 オーダーまで押さえることができています。
迷光補正はLED素子の色度検査においても非常に有効です。分光器の不確かさは高精度タイプでも±0.002から±0.0015程度です。一方、LED素子メーカー様の中には検査時の許容誤差を± 0.001に抑えたいという高いご要求を頂くケースもあります。色度精度を極限まで高めたいお客様から歓迎される解決法、それがCAS140の迷光補正機能です。


図3 白色LEDと緑色LEDの分光スペクトル(対数表示)

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