開発者インタビュー
輝度計「LS-150」 / 色彩輝度計「CS-150」

写真左側から、(品質保証部)増田 和晋、(開発部)麻生 耕平、柏原 将人

写真左側から、(品質保証部)増田 和晋、(開発部)麻生 耕平、柏原 将人

1986年発売以来のロングセラー商品であり、その使いやすさから、さまざまな業界で広くご愛用いただいているLS-100/CS-100Aシリーズを2015年12月にリニューアルいたしました。
新製品を開発するにあたり、お客様より要望の多かった機能を追加し、また、OLED、レーザープロジェクター、LCD TVなど、最近のトレンドである光源に対応できるよう基本性能も大幅に向上させました。
これらを実現するために、商品開発の現場でどのようなこだわりや苦労があったのか、開発プロジェクトの技術者にお話を伺いました。

絶対値精度などの基本性能が大幅にUP

もっと手軽にLEDの輝度を測定したいというお客様のニーズに応えて開発した「LS-150/CS-150」 、従来機と比べ基本性能はどのようにUPしたのでしょうか?

最近のLEDは高輝度化・高彩度化が進んでいます。高輝度化への対応のため、測定可能輝度範囲を1桁拡大しました。また、高彩度化について、従来機ではLEDのような発光波長範囲が狭い光源では誤差が大きくなる場合がありましたが、新たに搭載したセンサーにより測定精度を高め、器差も大幅に抑えることができました。

基本性能が大幅にUPしているのですね。それを実現するのは大変だったのではないでしょうか?

基本性能は光学部品の設計により決まるため、キーとなる部品の再設計にチャレンジしました。LEDやOLED、プロジェクター、液晶ディスプレイなど、さまざまな種類、メーカーの光源を測定しても、絶対値誤差や器差が小さくなるよう、各光源の分光波形データを用いて何度もシミュレーションし、設計の最適化を行うことで基本性能の大幅なUPが実現できました。

シミュレーションだけでなく、実機での実力も確認されているのでしょうか?

もちろん実機測定による検証も実施しています。実機測定によって気がつくこともありますので、必要に応じて設計や製造へのフィードバックを実施しています。

測定対象物(LCD TV、OLED、レーザープロジェクター)

測定対象物(LCD TV、OLED、レーザープロジェクター)


実機測定による検証

実機測定による検証

検証で苦労されたことはありますか?

性能向上、機能UPに伴い、従来の検証方法を再確認したところ、見直しが必要な箇所がありました。測定条件、評価機材などを確立していくのに苦労しましたが、さまざまな光源を実機で測定し、納得のいく精度が出ることを確認しています。

ユーザビリティにこだわった測定機能の追加

バックライト機能を搭載

バックライト機能を搭載


色温度表示など表色系が充実

色温度表示など表色系が充実

性能UPに加え、測定機能も大幅に刷新したということですが、例えばどういう機能が追加されたのでしょうか?

光源の測定は暗所で行うことが多いのですが、暗くても操作しやすく測定結果が見やすいよう、バックライトキーを押すと液晶表示部や操作キーの表示が光るバックライト機能を追加しました。暗所で迷うことなく使えるよう、バックライトキーの表示は常に点灯しています。

また、新たにオートモード機能も搭載しました。この機能を使うと、測定対象物の輝度に合わせて最適な測定時間が自動的に選択されますので、安定した測定値を得られ、作業効率が向上します。

「CS-150」では、色温度や主波長を測定したいというお客様のニーズに応え、表色系を充実させました。COLORキー1つで表示を切り替えられるので、とても便利です。

このような機能の追加だけでなく、操作性も向上させています。 使用頻度の高いバックライトキーや表色モードを切り替えるCOLORキーはアクセスしやすい左側に、十字キーとセットで使用するメニューキーやESCキーは右側に配置するなど、操作性にもこだわりました。

使いやすいキー配置で操作性も向上

使いやすいキー配置で操作性も向上

お客様より要望の多かった機能を追加し、使い勝手がよくなるように、デザインも含めたさまざまな工夫をしているのですね。では、最後に皆様からお客様に一言お願いします。

「絶対値精度」が大幅に向上し、「簡単操作」で「機能」も充実している「LS-150/CS-150」。お客様に安心して測定していただけるよう、社員一丸となって開発した自信作です。是非手に取ってご覧いただき、その実力を体感してください。

「絶対値精度」が大幅に向上し、「簡単操作」で「機能」も充実している「LS-150/CS-150」