人的資本:ダイバーシティ
DEIをベースとした組織風土醸成
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コニカミノルタのアプローチ
背景と課題認識
人財の多様性をイノベーションの源泉にしていくために、国籍や人種、性別、年齢、専門性などの多様性を持つ人財を受け入れ、従業員一人ひとりが持つ違いを強みに変え、チームとして力を発揮していくことが重要です。 そのためには、従業員の力の発揮を阻害するバイアスを解消し、誰もが率直に対話できる心理的安全性の高い組織風土づくりが必要です。
目指す姿
社会課題を解決するソリューションを創出し続けるために、互いの違いを尊重し、多様な価値観を受け入れることで、従業員の働きがいを向上させます。そして、従業員同士が異なる考えを健全にぶつけ合うことができ、助け合いのなかから誰もがチャレンジできる組織風土の醸成を目指します。
重点施策とKPI
- 社会からの要請に応え、ありたい組織風土を実現するため、コニカミノルタ(株)および主要グループ会社での独自のDEI推進計画立案と実行
- グループ共通のDEI推進を実践するための学びの場の提供/啓発活動の強化
| 実績 | 目標 | ||||||
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2021 年度 |
2022 年度 |
2023 年度 |
2024 年度 |
2024 年度 |
2025 年度 |
||
| 公平性 | コニカミノルタグループ | 7.1 | 7.4 | 7.6 | 7.6 | 7.8 | 8.0以上 |
| コニカミノルタ(株) | 6.1 | 6.1 | 6.6 | 6.7 | 6.7 | 7.0以上 | |
| 意見の自由 | コニカミノルタグループ | 6.9 | 7.2 | 7.3 | 7.4 | 7.7 | 8.0以上 |
| コニカミノルタ(株) | 6.5 | 6.6 | 6.8 | 6.9 | 7.2 | 7.5以上 | |
※以下設問について、0~10段階での回答の平均点
公平性:「自身が所属する部門・チームでは、あらゆるバックグラウンドを持つ人々が公平に扱われている」
意見の自由:「自身が所属する部門・チームにおいて自身の意見が尊重されている」
※FY23~25方針としてFY21調査時点での同業種ベンチマークをベースに目標値を設定
事業の成長につながるDEI推進計画の策定と実行
2024年度は、コニカミノルタ(株)を含む主要グループ会社において、2022年度から2023年度に策定した各社の特徴にあったDEI推進計画(24カ国27社で策定)に沿って、活動を継続しています。
その結果、目標には届きませんでしたが、グローバル構造改革という経営として痛みをともなう改革を進めたなかでも、KPIに設定した従業員エンゲージメント調査の設問項目について、維持・向上を図ることができました。
2030年のコニカミノルタが目指す姿を実現するためには、各社・各事業がそれぞれ必要な取り組みを進めることが重要です。今後も、各組織が強みや課題を踏まえた対応を行い、コニカミノルタグループ一体となって、粘り強くDEI推進を進めます。
従業員への学びの場の提供
コニカミノルタ(株)での取り組み
コニカミノルタ(株)では、2016年度からDEI推進の本質について経営層や従業員の理解促進を、並行して進めてきました。そして、従業員一人ひとりの違いを互いに認め合い、前向きにチャレンジできる組織風土醸成に取り組んできました。
| 2017~2019年 | 経営層対象 講演会 |
|---|---|
| 2017~2018年 | 部長職以上対象 ダイバーシティワークショップ |
| 2019~2021年 | リーダー層対象 組織の心理的安全性向上のためのワークショップ |
| 2021年 | 全社員対象 アンコンシャスバイアスに関するe-learning |
性的指向・性自認の多様性を受け入れる環境整備
コニカミノルタ(株)では、性的指向・性自認の多様性を受け入れる環境整備に取り組んでいます。
2018年度には、「性的指向や性自認等に関する悩み相談窓口」を設置するとともに、全従業員対象のe-Learningを実施、社内ポータルサイトに掲載しています。また、社内の施設や設備についても、誰もが利用しやすいよう整備を進めています。
コニカミノルタグループ一体となった取り組み
2022年度からは、従業員一人ひとりがDEIをより身近に感じ、学び続けることができる新たな DEIトレーニングをスタートしました。
このトレーニングプログラムは、グループ会社のDEI推進担当者とともに、それぞれの知見や経験を持ち寄り、行動につながるトレーニングに必要なトピックを整理し、体系化して作成しました。コニカミノルタグループで働くうえで不可欠なDEIに関するスキルを効率的に身に付け、自らを高められるようになっています。
「基礎編」の英語版をコニカミノルタグループ全体に展開、中国やベトナムなどでは、翻訳も進めています。
また、日本においては独自コンテンツとして、心理的安全性の向上とアンコンシャスバイアス解消のための動画を作製しました。この動画と日本語版のDEIトレーニングプログラム「基礎編」の両方を必須受講で展開し、国内グループ会社の従業員1万人以上が受講しました。現在は、新規入社者を中心に未受講者への受講を進めています。

多様性を歓迎する活動(啓発活動の強化)
コニカミノルタグループで一体となった啓発活動
2017年度から日本国内グループ会社の従業員に向けて、役員やロールモデルへのインタビュー記事、社内のDEI推進好事例等を、社内ポータルサイトを活用して定期的に発信、また、全社プログラムを実施するなど、DEIの理解促進に取り組んできました。
2021年からは、海外も含めコニカミノルタグループで一体となった活動を推進するため、欧州、米国と日本のDEI推進担当が集まり、グローバルプログラムを企画、年間3回開催しています。また、グローバルプログラムと同時期に日本国内向けプログラムも開催し、より多くの従業員がDEI推進に参画できるよう取り組んでいます。
3月には、国際女性デーに連動したテーマで、6月はプライド月間に合わせたテーマで開催しています。そして11月は、毎回異なるテーマを設定しています。
※6月はLGBTQ+の権利について啓発を促す「プライド月間」として世界的に認知され、各地でさまざまなイベントが行われています。
| 開催年月 | テーマ | 参加者数 |
|---|---|---|
| 2021年6月 | RETHINK EMPOWERMENT Unlock the Power of Diversity with Authenticity and Allyship |
約550名(グローバル開催) 約100名(日本開催) |
| 2021年11月 | RETHINK OUR WORKPLACE WITH YOUR VOICE (従業員エンゲージメントをテーマに開催) |
約800名(グローバル開催) 約180名(日本開催) |
| 2022年6月 | RETHINK EMPOWERMENT PROMOTING AWARENESS, INCLUSION, AND ALLYSHIP |
約340名(グローバル開催) 約150名(日本開催) |
| 2022年11月 | TALKING ABOUT RACE: WHY IT STILL MATTERS IN THE WORKPLACE(人種をテーマに開催) | 約250名(グローバル開催) |
| 2023年6月 | PROUD VOICES:Fostering Belonging in the Workplace | 約320名(グローバル開催) 約170名(日本開催) |
| 2023年11月 | DISABILITY INCLUSION:Opening the world of work for everyone (障がいをテーマに開催) |
約320名(グローバル開催) 約340名(日本開催) |
2024年6月
グローバル:PROUD VOICES:How Diverse Thinking Links to Business Success
「PROUD VOICES:How Diverse Thinking Links to Business Success」(多様な視点がビジネスを成功へ導く)をテーマに、なぜ、ビジネスにおいて多様な視点が必要なのか、ともに働く私たち一人ひとりにとって、会社や組織にとって大切なことを、ゲストスピーカーの経験を通して学びました。世界17カ国より約270名が参加しました。

2024年11月
グローバル:Sustainability/ESG in Action
日本:仲間との絆で最強のチームをつくる!
グローバルでは、「Sustainability/ESG in Action」と題して、CEOのオープニングスピーチで始まる社内外のゲストによるパネルディスカッションを開催。35カ国から約310名が参加、社会にとって、そしてコニカミノルタにとってサステナビリティ経営とESGの重要性を学びました。 また、日本においては「仲間との絆で最強のチームをつくる!」をテーマに、多様な人財がチームとなって力を発揮するために大切なことをゲストスピーカーと執行役員2名による講演とパネルディスカッションを通して学びました。対面とオンラインのハイブリッド開催で約440名が参加しました。また、一人ひとりの違いを活かしたチームづくりを体験するワークショップも開催しました。

各地域でのネットワーク活動
コニカミノルタは、人種、性別、国籍、年齢、障がい、性的指向・性自認、宗教、民族等の従業員一人ひとりの違いを歓迎します。そのために、互いの違いを理解し合う活動を積極的に行っています。
例えば、コニカミノルタ(株)では、より職場の実情に沿った多様性推進に取り組む地域別「サポーター」活動や、ムスリムの従業員が中心となり開催した異文化交流会など、従業員一人ひとりが行動を起こすことができるよう支援しています。
LGBTQ+ネットワーク「Vibrant」
「Vibrant」は、2020年10月にイギリスで発足し、「ウェルビーイング」「教育」「ネットワーク」の3つの基本理念のもと、活動を展開している従業員リソースグループです。2021年末に開催したオンラインイベント「Christmas Social」では、LGBTQ+への理解を深め、相互理解の重要性を認識することができ、「安心して働くことができる環境を創出している」というコメントも寄せられました。
また、2021年6月のグローバルでのDEIプログラムをきっかけに、他地域にも活動が広がり、欧州との交流を図りながら活動しています。
障がいを取り除くさまざまな活動
イギリスで2023年に発足したニューロダイバーシティに関する従業員リソースグループ「Prism」は、インクルーシブな企業文化の醸成、多様な視点によるイノベーションの推進、従業員の福利厚生とエンゲージメントの向上、人財の獲得と維持の支援を目的としています。Prism立ち上げ時には、「Let's Talk」セッションを開催し、従業員に対するこのネットワークへの認識を高め、対話を促進しました。インクルーシブ採用、意識の向上、パートナーシップのさらなる発展に寄与する活動を行っていきます。
