コニカミノルタ

コニカミノルタについて

責任あるサプライチェーン

CSR調達の取り組み

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CSR調達推進プログラム

CSR活動の要請、CSR診断、CSR監査と改善支援によるCSR調達推進プログラムに取り組んでいます。

コニカミノルタは、サプライチェーンにおける労働(人権)、安全衛生、環境、倫理の課題を解決するために、4つのステップからなるCSR調達推進プログラムを展開しています。
まず、STEP1として、調達方針とサプライチェーン行動規範の遵守をお取引先に要請します。上流のお取引先には、直接調達しているお取引先から要請を依頼します。
次に、STEP2として、取引金額の大きさや、リスクの観点を考慮し「重要なお取引先」を特定します。特定した「重要なお取引先」に対して、 CSRアンケート診断リスク評価を行い、リスクが高いと判断したお取引先に対しては、自主的な改善が進められるよう、是正支援と継続的なフォローアップを行います。
それでも自主的な改善が困難な場合、あるいは深刻な人権侵害のリスクがあると判断した場合は「優先お取引先」としてSTEP3のCSR監査を実施します。そしてCSR診断やCSR監査で明らかになった課題に対しては、STEP4としてコニカミノルタが改善を支援していきます。コニカミノルタは最終的にはお取引先の自主的なCSR調達活動となるよう、このCSR調達推進プログラムに取り組んでいます。
なお、課題に対して支援などを行っても改善の見込みが立たないお取引先に対しては、取引を中止させていただく可能性もあります。


コニカミノルタのCSR調達推進プログラム

※RBA SAQのリスク評価区分を参考に設定。

CSR診断結果のランク分け
評価ランク 評価結果 説明
ローリスク 80以上100以下 社会的な要請をほぼ満たしている。
ミディアムリスク 60以上80未満 改善が必要な項目が一部あるものの、自主的な改善が可能。
ハイリスク 0以上60未満 改善が必要な項目があり、改善計画の提出とあわせて、早急な改善が必要。

取り組みのフレームワーク

STEP1 CSR活動の要請

コニカミノルタが求めるCSR調達の方針・基準を理解し、推進していただくために、「コニカミノルタ調達方針」、「コニカミノルタサプライチェーン行動規範」および「コニカミノルタ責任ある鉱物調達方針」を策定し、すべての一次サプライヤーに対してこの遵守を要請し、書面での合意確認を行っています。さらに上流のお取引先にも、直接のお取引先を通じて要請をかけていただくことを依頼しています。
実施頻度は、新規のお取引先には取引開始時に、既存のお取引先には方針の改訂時または少なくとも3年に1度のタイミングで書面による合意確認を実施しています。2024年度はコニカミノルタサプライチェーン行動規範の改訂を行ったので順次合意確認を進めており、2024年度末(2025年3月31日)時点での合意取得率は81.9%でした。従来は買収した会社に一任していたサプライチェーン管理を、2024年度からはコニカミノルタグループ全体のCSR調達推進活動に新たに統合したことにより一時的に合意取得率が低下しましたが、2026年度末までにすべての一次サプライヤーとの合意確認を完了させる予定です。

目標と実績

重点施策(KPI) 実績 目標
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
2024
年度
2024
年度
2025
年度
お取引先へのCSR要請割合 100% 81.9% 中期計画(2023年度~2025年度)期間中に100%のお取引先へCSRを要請(2024年度に100%実施予定)

※ 2020年度~2022年度/2023年度~2025年度の中期計画期間ごとにお取引先への要請を実施

STEP2 自己診断アンケートによるCSR診断

コニカミノルタサプライチェーン行動規範への実施レベルを診断するために、取引金額の大きさ(グループ調達金額の上位80%)、重要部品の取り扱い、代替可能性などの生産継続性の観点と、国・地域固有、事業セクター固有、商品固有、企業ガバナンス、社会、環境などのリスクの観点を考慮し選定した重要なお取引先に対して、RBAの自己診断アンケート(SAQ:Self-Assessment Questionnaire)を用いたCSR診断を行っています。
CSR診断では、労働(人権)、安全衛生、倫理に関する社会面と環境負荷低減に関する環境面を評価しています。CSR診断の結果はローリスク/ミディアムリスク/ハイリスクの3つにランク分けされ、ハイリスクとなった重要なお取引先に対しては自主的な改善が進められるよう、是正支援と継続的なフォローアップを行います。それでも自主的な改善が困難な場合、あるいは深刻な人権侵害のリスクがあると判断した場合は「優先お取引先」としてSTEP3のCSR監査を実施します。
2024年度は、重要なお取引先143社(一次サプライヤー119社、二次サプライヤー24社)にCSR診断を要請し、実施率は91.6%(143社中131社実施)でした。2024年度からはサプライチェーンリスク管理レベル向上を目的とし、重要なお取引先の選定基準の拡大、実施頻度を3年ごとだったのを毎年実施にしたことで実施社数を大幅に増加させています。2025年度以降では実施率100%を目指してさらに取り組みレベルを向上させていきます。また、実施した143社のうち総合評価がハイリスクとなったお取引先が3社あり、すべて現地訪問による改善支援を実施しています(STEP3にて詳述)。全体の傾向として安全衛生、環境分野において得点率が低い傾向が見られました。具体的には安全衛生の分野では緊急時に備えたトレーニングやマネジメントシステムの構築、環境の分野では資源使用量や廃棄物、GHGの削減プログラムに関する項目等が低下要因でした。評価が低下しているお取引先には自主的な改善をお願いしています。

2024年度 お取引先のCSR診断結果(総合、分野別ランク比率)

2024年度 お取引先のCSR診断結果(総合、分野別ランク比率)

目標と実績

重点施策(KPI) 実績 目標
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
2024
年度
2024
年度
2025
年度
CSR診断数 グループ生産拠点4拠点
お取引先40社
グループ生産拠点13拠点
お取引先30社
グループ生産拠点4拠点
お取引先28社
グループ生産拠点9拠点
重要なお取引先30社
グループ生産拠点30拠点
重要なお取引先131社
グループ生産拠点(30拠点)および重要なお取引先へのCSR診断の実施※1

24年度の重要なお取引先は143社
グループ生産拠点(30拠点)および重要なお取引先へのCSR診断の実施※1
CSR診断実施率(累積)※2 31% 91.6% 60% 100%
重要なお取引先社数※3 103 143
※1
サプライチェーンリスク管理レベル向上のため取り組みを拡大し、CSR診断を毎年実施に変更
※2
中期計画(2023年度~2025年度)の累積。実施数/実施計画の拠点数(拠点数は、FY2023=グループ生産拠点+重要なお取引先社数、FY2024/FY2025=重要なお取引社数)で計算
※3
重要なお取引先社数:毎年見直しを実施

また、コニカミノルタでは事業運営上不可欠な重要なパートナーである間接材のサプライヤーについてもRBAの要求を理解していただく活動に取り組んでいます。2024年度では重要な間接材のサプライヤーとして、主要な製造拠点における構内常駐業者や人材派遣会社などを特定し、CSR診断を実施しました。リスク評価の結果、実施率100%、ハイリスクと評価された間接材サプライヤーはいませんでした。

間接材サプライヤーの種類 リスク評価社数 結果
構内常駐業者 食堂 4 すべてローリスク
警備 3 すべてローリスク
保全 3 すべてローリスク
清掃 3 すべてローリスク
その他(物流、廃棄物処理等) 2 すべてローリスク
人材派遣・請負 11 すべてローリスク
物流倉庫業者 5 すべてローリスク
合計 31  

STEP3 CSR監査

STEP2で「優先お取引先」となったお取引先に対してはCSR監査を実施します。CSR監査は、コニカミノルタ社員が実施する「コニカミノルタCSR監査※1」と、RBAに認定された第三者監査機関が実施する「RBA VAP監査※2」を展開しています。

※1
コニカミノルタCSR監査:RBAの監査基準を使い、コニカミノルタ社員が監査員となり監査を行うもの
※2
RBA VAP(Validated Audit Program)監査:RBA行動規範に対する準拠状況を第三者監査機関が確認する監査。適合レベルに応じてPlatinum、Gold、Silverの認証ランクが付与される。社会的責任に関する第三者監査としては世界で最も信頼されている監査の一つ。

2024年度はSTEP 2でハイリスクとなった3社について、コニカミノルタから改善策を提案し、改善に向けて取り組みを進めていただいています。具体的に課題があった項目は、CSR方針の策定/行動規範の策定、公的な身分証明書の本人保管、母国語での書類提供、緊急時に備えたトレーニングなどです。進捗については現地訪問のうえ改善状況を一緒に確認することでお取引先の自主的な改善を支援しています。

ハイリスクとなった直接材のお取引先のうち、VAP監査/同等の監査を実施した事業所の割合:100%

また、CSR診断の結果にかかわらず、デジタルワークプレイス事業およびプロフェッショナルプリント事業に関わる一部のお取引先について、社会的要請、お客様からの要請や入札要件などに基づきRBA VAP監査を受審のうえ、認証の取得を推進しています。お取引先に監査を受審していただくにあたってはコニカミノルタの監査経験に基づき改善を支援しています。
2024年度ではお取引先3拠点にてRBA VAP監査を受審し、認証取得をしていただきました。

直接材の一次サプライヤーのうち、VAP監査/同等の監査を実施した事業所の割合:0.3%

目標と実績

重点施策(KPI) 実績 目標
2020
年度
2021
年度
2022
年度
2023
年度
2024
年度
2024
年度
2025
年度
CSR第三者監査(RBA-VAP)実施数 お取引先1社 グループ生産拠点2拠点
お取引先1社
グループ生産拠点3拠点
お取引先4社
グループ生産拠点3拠点
お取引先2社
グループ生産拠点4拠点
お取引先3社
グループ生産拠点3拠点
お取引先4社
グループ生産拠点3拠点
お取引先3社
CSR第三者監査実施率 100% 100% 100% 100%

STEP4 サプライヤー支援

コニカミノルタでは、サプライチェーンリスクの軽減のため、「顕在化した負の影響」と「潜在的な負の影響」の2つの観点から、社内関係者およびお取引先にキャパシティビルディングを実施しています。顕在化した負の影響に対しては、CSR診断やCSR監査、外部団体からの指摘事項をもとに、具体的な改善策を提示し、是正を促しています。
一方、潜在的な負の影響に対しては、お客様をはじめ社会が求める人権尊重やCSR調達に関する社会的要請、法規制動向、RBA行動規範の内容などを共有し、ビジネスとの関係性を理解していただくことで課題を自分ごととして捉え、主体的に取り組めるよう支援しています。
実施例として、CSR監査を実施した中国の東莞Konka Mould Plastic 有限会社に対して内部監査員向けの教育を実施するなど、自主的に内部監査を実施し、継続的な改善に取り組める体制づくりを支援しました。また、VAP監査を受審した複合機本体の生産委託先工場に対し、自社での改善事例を共有し是正を支援しています。

調達コラボレーションシステム

お客様満足の向上を目指して、調達コラボレーションを推進しています。

デジタルワークプレイス事業およびプロフェッショナルプリント事業では、コニカミノルタ調達方針に基づき、お客様満足の向上を目指して、お取引先とコニカミノルタが相互に協働して改善を進めていく「調達コラボレーションシステム」を推進しています。これは、品質、納期、生産性、環境、経営管理側面の総合的な改善に向けて、お取引先との対話や訪問を通じて課題を共有し、その解決のために必要な提案や具体的な支援を行う取り組みです。コニカミノルタ自身も、お取引先からのご指摘を受けて、取引上の問題点を改善しています。

含有化学物質管理の強化に向けた「環境コラボレーション」

環境面における「調達コラボレーションシステム」として、コニカミノルタ調達方針に基づき、お取引先とともに環境リスク低減を図る「環境コラボレーション」を実施しています。この取り組みは、サプライチェーンにおける含有化学物質管理を強化するために、お取引先の現場診断や教育支援を通して強力なパートナーシップを構築するものです。
2024年度は国内外51社のお取引先の製造事業所に直接出向いて現場診断を行い、お取引先とともに含有化学物質管理体制の強化に取り組みました。さらに、お取引先の製造事業所における労働、安全衛生、環境、倫理の活動を確認しています。
また、お取引先の自主的な含有化学物質管理を支援する活動として、法規制や現場管理を中心とした教育体制を構築し、お取引先の内部診断員を養成しています。2018年度からはCSR調達に関する社会動向やコニカミノルタの取り組みを教育に追加しています。2024年度は80件の内部診断を行いました。

「お取引先説明会」の実施

「調達コラボレーションシステム」の一環として、毎年「お取引先説明会」を開催しています。以前は対面式で実施していましたが、2019年度以降はCOVID-19の影響のためオンライン形式に切り替え、主に日本、中国、ASEANのお取引先を対象に開催しています。2024年度の参加社数は257社(447名)と多くのお取引先にご参加いただき、「コニカミノルタ調達方針」の説明や、CSR調達への協力要請、調達実績および次年度の調達計画の報告を行い、目標や課題の共有化を図りました。

また、「お取引先説明会」の場を活用して、お取引先の表彰を実施しています。品質、納期、生産性、環境の側面について、優れた実績があったお取引先を表彰することで、お取引先の皆様にさらなる改善の取り組みを進めていただくようお願いしています。

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