睡眠
Experiences 03

想像を超える育児の大変さ。誰かと共有することが大切

プロフィール/17歳の息子と10歳の娘のママ。1人目は里帰り出産。2人目は、上の子の小学校があったため、里帰りをせずに出産。夫は仕事が忙しく、1人目のときは完全にワンオペ育児を経験。

「授乳は3時間おき」の勘違い

産前産後のギャップはいろいろありましたが、一番は「授乳は3時間おき」への認識でした。出産前の私は、授乳の間に3時間自由な時間があると誤解していたのです。その間、「家事や他の用事ができる」とのんきに思っていました。しかし、実際はそんな余裕はありません。授乳間隔は3時間もあかず、30分おきのこともあれば2時間のこともあり、間隔はまちまち…。授乳と授乳の間に、自由な時間などなかったのです。

赤ちゃんのお世話のサイクルは?

私が勘違いしていた赤ちゃんのお世話のサイクルについてくわしくご紹介します。

まず、そろそろ授乳の時間だなと思ったら、おむつをチェックします。たいていうんちやおしっこをしています。特に、新生児期はゆるゆるうんちがでていることも多く、シーツや服につかないように気をつけながらお尻全体を丁寧にふいて、おむつの処理をし、手を洗い、着替えをさせます(うんちが服などについてしまったら予洗いして消毒液につけておきましょう)。これで約5~10分くらいかかります。

おむつ替えが終わると今度は授乳です。1回の授乳で、左右合わせて40分ほどかかりました。毎回これだけ長いと、抱っこのままでは腱鞘炎になってしまいます。そのため、授乳クッションに赤ちゃんを置き、胸の高さに合わせ負担を軽減しました。

授乳すると、たいていおっぱいに吸い付いたまま寝てしまうのですが、寝たと思っておっぱいから外すと泣き出すので、またくわえさせたりします。「今度こそ」と思って布団に寝かせると、また泣いてしまうのでまた抱っこ。なぜか座っての抱っこはダメなようで、今度は抱っこしながらリビングをグルグル歩き回らなければならず、ここでも40分くらいかかりました。さすがに腕、肩、腰が痛くなるので、家の中でも抱っこ紐を使っていました。「ぐっすり寝たな」と思って、そーっと布団に寝かせます。成功すると、ここでひとまず解放されます(失敗するとまた抱っこでリビングをグルグルです)。

ここまでで、約1時間30分。その後も、消毒していた服を洗濯したり、ミルクであれば哺乳瓶の殺菌をしたり、吐き戻してしまえば、服やシーツを交換して洗濯です。終わった時には「あれ? あと15分もすれば起きてこない?」という事実に気づき、愕然としました。これをエンドレスに繰り返すのです。

育児の本当の大変さとは?

「育児中、ママもなるべく寝ましょう」と言われても、隙間時間はたったの15分。たまにスムーズに布団に寝かせられた時くらいしかゆっくり横になって眠れません。その貴重な隙間時間を家事に使ってしまったら…いったいいつ寝ればいいのでしょうか? 夜間も睡眠は細切れで、質は低く、私にとっては「拷問級」でした。感覚的には、これまでの人生で自分が一番大変だったときの3倍はハードだった気がします。

育児の大変さは、おむつ替えや授乳など1つ1つのお世話ではありません。総体として、睡眠不足の中、絶え間ない赤ちゃんの要求に答え続け、異常がないか常に気を遣い、休みたいときに休めない状態が続くことが、精神的にも肉体的にもハードなのです。

この大変さは、質を変えながら思ったより長く続きます。一時的であれば、無理して乗り越えることもできるかもしれません。しかし、数年~10年単位でやってくるのです。これに対処するには、生活を根本的に見直す必要があります。大切なのは、「私が頑張らなくちゃ」と1人で抱え込まないこと。真面目で頑張り屋さんほど、産後うつや産後クライシスになりやすいので、パートナーとよく話し合ってくださいね。家事代行やベビーシッターさんなど、家族以外の人にお願いするのもおすすめです。

育児記録

写真は、下の子の生後1ヶ月頃の育児記録です。時刻の欄が授乳のマークです。これを見ると、1日に12~18回授乳していたことがわかります。+はおっぱいをしっかり飲めた、-はちょっとしか飲まなかったことを示しています。この子は、1回に少しずつしか飲めなかったので、しょっちゅうおっぱいにひっついていました。授乳マークが連続しているところは、赤ちゃんから離れていないという証拠。赤ちゃんは、確かによく寝ているのですが、それが「抱っこをしながら」というのは想定外でした。

おむつ替えも1日に10回前後あり、うんちが1回の日もあれば、7回の日も。日によって赤ちゃんの様子はまったく異なります。いつ寝てくれるのかわからないので、1日の計画が立てられないというのも、育児の大変なところです。

しかし、この大変さは、苦労を分かち合える人がいると不思議と軽くなります。育児の本当の辛さは1人で抱え込むこと。家族、友達、ヘルパーさん、先生、SNS…誰でもいいので、喜びも苦労も分かち合いながら子育てを楽しんでくださいね。