照度計、輝度計

ユーザーレポート

CA-2000

Vol. 1: 富士高分子工業株式会社

富士高分子工業株式会社
愛知県豊田市鍛治屋敷町175

熱や電気を伝える機能性シリコーンゴムの開発


フジポリの松村様、大森様、福井様

透明で安定性の高いシリコーンゴム。それ自体はシール材や緩衝材として広く使われていますが、熱や電気そして光を伝える 機能性シリコーンを作れる企業は多くありません。
富士高分子工業(以降フジポリ)はそのような企業のひとつで、1978年に世界的化学メーカーであるダウコーニング(株)の工業用シリコーンゴム事業部を(株)中外との共同出資により設立された老舗企業です。
フジポリのユニークなところは単なるシリコーン部品だけでなく、熱や電気を通す機能を付加したところにあります。熱伝導性・難燃性シリコーンラバー「サーコン」異方導電性シリコーンゴムシート「コネクタ」として商品化されています。

新たな挑戦―光を伝えるシリコーン

伝熱、導電製品を次々と立ち上げてきたフジポリですが、新たに取り組んだ課題は光を伝えるシリコーンゴムを開発することでした。透明なシリコーンゴムの性質を利用しながら、フジポリはさらに高い透過率、均一な発光面をめざし、日夜努力を重ねてきました。こうして導光フィルム(LGF)までもシリコーンゴムで作ってしまいました。薄さ0.2mmのシリコーンゴムフィルムに特殊な加工を行うことにより、高透過率、均一発光の面光源を実現しています。

[ フジポリの導光フィルム LGF]


発光するLGF


0.2mm の薄さを実現

CA-2000 による測定


(サンプルの設置)


(外光を遮断しての輝度、色度測定)

導入メリット

1. 明るさの定量化

発光面の均一性を高める為には、まず現状の発光状態を把握する必要があります。まず始めたのは人間の目そのもので明るさを確認 すること。明るい部分と暗い部分を人の目の感覚に基づいて記録していったそうです。
しかし、人の目では安定した結果を得る事ができず、スポットタイプの輝度計を導入されました。

2. 測定時間の短縮


(左)スポット式輝度計の場合時間もかかり、ばらつきも多い
(右)2次元色彩輝度計の場合多数の点が短時間で測定可能

次に待ち受けていたのが測定点数の多さでした。より高い均一性をめざすためには、より細かな発光分布の把握が必要となり、一つのサンプルで100箇所以上の測定を行わなければならないこともあったそうです。一回10秒で測定、記録を行っても1千秒の測定時間が必要となり、さらに複数のサンプルとなると大変な作業になってしまいます。ちょうどそのころ光の分布を一度に測定できる2次元色彩輝度計 CA-2000の存在を知りすぐに試して見たそうです。CA-2000は980点×980点を一度に測定できるため大幅な効率アップにつながりました。

3. わかりやすい結果表示


CA-2000 による輝度分布の比較結果 左:従来品 右:LGF

さらに測定結果をグラフィック表示することにより、LGFの効果が一目でわかるようになりました。
最後に、今回の取材を受けてくださった富士高分子工業株式会社の社員の方々は伝統ある中にも常に新しい可能性に目を向けておられました。今後も新製品開発に少しでもお役に立てますように、弊社としてもCA-2000御活用のサポートをさせて頂ければと思います。

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