濃度計のツボ

濃度測定について

グレイバランス管理

グレイバランス

CMY3色を等量混ぜると何色になるでしょうか?理論的には黒ですが、実際は下のCMY色材の分光曲線に見られるように、理想的な形をしていないので黒にはなりません。3色の各ベタ濃度を測定すると、どの色材も下表のように主成分以外の成分があります。
3色を重ねた合計濃度を見ると、シアン濃度がマゼンタ・イエローに比べ低くなります。従って、3色等量の混合は、赤黒になります。これが、グレイを再現する場合、C50%、MとY40%などのようにシアンを多くしなければならない理由です。

CMYベタの全濃度を測定

印刷のTVI(ドットゲイン)管理

従来から、印刷を管理する指標はベタ濃度とTVI(ドットゲイン)でした。
ISO(国際規格協会)では、さらに中間のグレイバランスを数値で管理するためにミッドトーンスプレッドという指標を定義しています。一見難しそうな式になっていますが、50%のCMY各色の中で最もTVI(ドットゲイン)の大きいものと最も小さいものとの差を表したものです。
これは、TVI(ドットゲイン)がCMYの中間で基準とどの位外れているかを見ることにより、一つの数値でグレイバランスの崩れを確認する指標となっています。

S = max.[(Ac−Ac0),(Am−Am0),(Ay−Ay0)] − min.[(Ac−Ac0),(Am−Am0),(Ay−Ay0)]

Ac: シアンのある階調部における網点面積率の実測値
Ac0: シアンのある階調部における網点面積率の基準値
Am: マゼンタのある階調部における網点面積率の実測値
Am0: マゼンタのある階調部における網点面積率の基準値
Ay: イエローのある階調部における網点面積率の実測値
Ay0: イエローのある階調部における網点面積率の基準値
max.[A,B,C]: A,B,Cの中の最大値
min.[A,B,C]: A,B,Cの中の最小値

G7に準じたグレイバランス評価

現在、印刷は濃度管理だけではなくグレイバランスを管理するようになってきています。特にアメリカでは、IDEAllianceが主体になってG7(※)という規格を進めており、広く普及してきています。
これは、まずベタの濃度と色相を基準に合わせておき、その後、中間の階調再現曲線を基準に合わせるようにグレイのLabを測定して調整します。
手順書が用意されており、その通りに行えば誰でもできることになっています。これにより、どんな印刷方式(オフセット、グラビア、スクリーンなど)あるいはプリンタ出力でも同じ色再現が可能になるとしています。

G7とはGrayとCMYKRGBの7色の意で、アメリカのIDEAllianceが主体になって作った規格です。濃度階調とグレイL*a*b*を測定して階調再現曲線を標準の範囲に収めるための手法を指し、特徴は以下になります。
  • グレイのL*a*b*を測るので再現が正確であり、校正や印刷法が変っても同じ色再現が可能。
  • 手順書に従えば誰でも容易にできる。
  • 色を測定するので分光光度計が必要。

FD-7/FD-5のグレイバランスモードは、G7に準じたグレイバランス評価を行うことが可能です。

ページトップへ戻る