濃度計のツボ

濃度測定について

濃度網点管理(AMの場合)

網点面積率

網点面積率は、画像の中の網点部分が占める面積の割合を百分率で表したものです。ベタ部と網点部を測定して各々の濃度から計算します。用紙の特性を組み入れる係数(例:コート紙 n=1.65、非コート紙 n=2.70)が入ったユール・ニールセン式もありますが、一般的にはよりシンプルなマーレイ・デービス式を使うことが多いです。

網点をルーペで見た場合

PS版上の網点面積率の測定には2つの方式があります

PS版上の網点を測定する場合によく使われている専用の網点面積率計は、CCDカメラで撮影した画像中の網点の面積から計算するものが多く、濃度から計算するものより精度が高く、微妙な調整を要する印刷機の調整用に使われることが多いです。

■濃度から計算する方式
基準に対する相対管理用に使われる。

■CCDカメラで撮影する方式
精度が高く、一般的に印刷機の初期調整に使われる。

調子再現

階調再現とも云いますが、最も色の薄いところから最も色の濃いところまでどれだけ滑らかに再現しているかを表します。途中で不連続に濃さが変わる点がある場合、トーンジャンプといって段ができるので好ましくありません。カーブで表した場合、滑らかに変化する必要があります。

パッチを測定して各濃度をプロットする

網階調再現

原稿の網%に対して実際に印刷されている網%で表します。通常、次に説明するドットゲインがあるため、真ん中がふくらんだ形状になります。各網%が滑らかにつながっているかどうかの指標で、グラデーションの図形でトーンジャンプの有無をチェックします。

各網点%のつながり具合と滑らかさを判断する

ドットゲイン

ドットゲインは、データより網点が太ることです。印刷機上でインキがつぶれて網点が太る物理的ドットゲインと、目視または測定時に用紙中で光が散乱して生じる光学的ドットゲインがあります。
通常、50%部分のドットゲインで表現することが多く、一般的に波10から20%太ります。

物理的ドットゲインと光学的ドットゲインがあり、両方を含んだ数値となります。また、JapanColor2011の基準値は14±3%以内となっています。

各網%のドットゲイン量を測定し、プロットする

良い印刷かどうか調べる時に、ひとつの指標としてドットゲインカーブを作成します。
0から100%まで10%程度の刻みで各%毎のドットゲインを計算し 、図のようなカーブを作成します。
理想は左右対称できれいな形になることですが、実際はいろいろな要因で、ある程度凸凹したりライト側が少し上がったりすることがあります。

トラッピング

トラッピングは、色の上に別の色を刷り重ねる時、後の色がどれだけ乗るかを表す指標で、刷り順は通常「K→C→M→Y」です。1色のみを刷る場合に比べ他のインキの上に刷る場合は、上に乗るインキは通常60から80%程度に減ります。
トラッピング率として「%」の数字で表しますが、大きいほど良い印刷です。算出にはプルーナーの式もありますが、一般的にはプルーセルの式が使われます。

M+Y:65%、C+Y:75%、C+M:63% 以上が標準

蛍光分光濃度計「FD-7/FD-5」は、ブルーナーの計算式に切り替えることができる。

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