濃度計のツボ

濃度計について

フィルタタイプ濃度計と分光タイプ濃度計について

フィルタタイプ濃度計

フィルタタイプ濃度計は、反射してくる光をレッド、グリーン、ブルーのフィルタを通して測定します。

R,G,Bフィルタを介して固定波長の反射光強度を測定し、濃度を算出

ISO 準拠の濃度計は、CIE( 国際照明委員会) が規定する A 光源(タングステンハロゲンランプ)を使用。

このフィルタにはいろいろ種類があり、ISOでその分光波長の形が規定されています。この種類のことをステータスといいます。

印刷業界ではステータスTとEが使われますが、その分光波長の形は図のようにブルーフィルタが違います。これにより、イエローの濃度値に差がでます。
また、その光源はタングステンハロゲンランプを使用することがISOで規定されています。

フィルタには、 Status A、M、I、T、Eなどがありますが、印刷では主にTかEを使用。

分光タイプ濃度計

分光濃度計は、波長を1から10 nm位毎に小刻みに分け、各波長ごとの反射光の強度を測定します。これをスペクトルといいます。
このスペクトルから理論的な計算によって、濃度やL*a*b*を算出します。

回折格子を使い波長を10 nm位毎に分け各波長毎の反射光の強度を測定

波長域を回折格子などで分光する

フィルタタイプ濃度計はL*a*b*を測定できませんが、分光タイプ濃度計はL*a*b*を計れるため、色相、彩度など色を計るには分光タイプ濃度計が必要です。

分光濃度計の光源の種類

分光濃度計には2つの光源(照明と演算)があります

分光濃度計内部には、2つの光源があります。ひとつは分光反射率を得るために光を発するランプです。
もうひとつはスペクトルからL*a*b*値を計算するときに、計算式が参照する光源スペクトルデータです。前者を照明条件といい、後者を演算光源またはイルミナントといっています。
ISO13655では、分光濃度計用の照明条件として、M0からM3まで4種類規定しています。

蛍光増白剤の影響

用紙には一般的に蛍光増白剤が入っています。蛍光増白剤は、目に見えないUV光を吸収して目に見える近紫外域励起光を出します。色評価用とされているD50光源は、UV成分を含んでいるので、この光源で蛍光増白剤が入っている用紙を見ると、近紫外域が強く、すなわち青白く見えるわけです。光源の種類により、分光スペクトルの形が異なるとともに、含まれているUV成分の量も異なります。したがって、蛍光増白剤が入っている用紙上の画像を見る時、異なった光源下で見るとよりその差が広がります。
測定器で色を測定する場合、目視を再現するという意味で、目で見るのと同じ条件にするのが最も目視と一致するといえます。
したがって、D50光源下での目視観察に測定を一致させるには、測定器の光源をD50にするのがよいことになります。

測定器光源と目視観察の一致

印刷物を実際に見る色見台と通常の蛍光灯下において、測定器内部の光源の組み合わせのどれが観察と一致するかを考えましょう。
測定器内部の光源と目視観察光源が同じになるのが最も望ましい状態です。
色見台の光源はD50といっても、メーカーまたは型番により少しづつ異なります。したがって、色見台の光源を実測したデータを測定器の光源にできれば目視と色彩値は一致します。
また、一般の室内の蛍光灯下での観察では、室内の蛍光灯を実測したデータを測定器の光源にできれば目視と色彩値は一致します。

照明光源 ・・・ 測定器内部のランプ
演算光源 ・・・ 国際照明委員会(CIE)が測定器の演算光源を定めている
目視 ・・・ 観察する時の照明
色彩値と目視 ・・・ 目視観察は、各光源の組み合わせにより色彩値と一致するかどうかが決まる

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