コニカミノルタ

コニカミノルタについて

方針・体制

気候関連財務情報開示の新しいフレームワークへの対応

TCFDの提言に基づく4つのテーマに関する開示

コニカミノルタは、事業運営における気候関連のリスクと機会を的確に評価し、投資家をはじめとする幅広いステークホルダーへ積極的に情報開示することが、持続的に成長できる企業の必須要件であると考えています。こうした考えから、G20金融安定理事会(FSB)が設置した「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」の最終報告書「気候関連財務情報開示タスクフォースによる提言」に賛同し、TCFDのフレームワークに沿って気候変動問題への取り組みを開示します。

ガバナンス

2008年に「2050年までに自社製品のライフサイクル全体におけるCO2排出量を2005年度比で80%削減する」という目標を設定し取締役会で承認しました。2017年には、パートナー企業とともに社会のCO2 排出量をマイナスにしていくコミットメントとして「カーボンマイナス」を目標に追加しました。そして2020年には、長期の経営ビジョンにおいてコニカミノルタが取り組むべき5つのマテリアリティの1つとして「気候変動への対応」を設定すること、気候変動への対応の目標としてカーボンマイナスの達成時期を2030年へ前倒しすることを取締役会で承認しました。
また、コニカミノルタでは、代表執行役社長が気候変動問題に対する最高責任と権限を有し、気候変動を含む環境マネジメントの有効性について責任を負うものとしています。そして代表執行役社長から任命された役員(グループサステナビリティ責任者)が環境マネジメントを推進し、中期計画を作成するとともに、環境マネジメントの進捗状況や気候変動問題を含む課題について、代表執行役社長及び取締役会議長、取締役会に設置された監査委員会へ毎月報告します。監査委員会は代表執行役社長を中心とした環境マネジメント全体の執行状況を継続的に監視・検証しています。

戦略

気候変動の影響が顕在化し地球環境が破壊されれば、経済や金融に混乱を引き起こします。これは、コニカミノルタの事業にとってもリスクであると認識しています。一方、ビジネスを通じて環境課題を解決することで機会を創出することができ、企業の持続的な成長へつながると考えています。

コニカミノルタは、最先端の技術を積極的に取り込み、強みとする画像IoT技術とデジタル入出力の技術を融合させることで、気候変動を含む社会課題の解決に寄与するソリューションを生み出すデジタルカンパニーへの業容転換を進めています。そして、2020年度に策定した長期の経営ビジョンにおいて「気候変動への対応」をマテリアリティとして特定し、2030年までに「カーボンマイナス」を実現することを目標に設定しました。モノからコトへ、お客様への提供物が変化していくなかで、製品プロダクツに関わるCO2 排出量だけではなく、サービスを加えてCO2 を削減し事業成長につなげることを目指します。この目標をバックキャスティングし、気候変動対策に関わる中期目標および年度計画を、製品の企画・開発、生産・調達、販売などの事業中期計画と連動させることで、ビジネスを通じてカーボンマイナス目標の達成を目指しています。 気候変動に関するリスクと機会の詳細は「コニカミノルタの気候関連リスクと機会」に記載しています。

リスク管理

コニカミノルタは、リスクマネジメントを「リスクのマイナス影響を抑えつつ、リターンの最大化を追求する活動」と位置づけ、中長期的な視点でリスクを評価しています。短期・中期的には、気候変動を含む環境リスクをグループ全体の経営リスクの一つとして位置づけ、リスクマネジメント委員会において管理しています。また、中長期的な観点から、「低炭素社会へ移行した場合」と「気候変動の影響が顕在化した場合」の2つのシナリオで気候変動リスクの影響度と不確実性を評価し、管理しています。気候変動への対応に関する計画や施策について、四半期ごとにグループサステナビリティ推進会議において審議するほか、リスクの変化度合いを見直すローリング作業を同会議にて毎年2回行い、リスクを再評価しています。計画の進捗状況については、グループサステナビリティ責任者から代表執行役社長に毎月報告されています。また重要な環境課題についても、グループサステナビリティ責任者から執行側の基幹会議、リスクマネジメント委員会等に報告されています。取締役会では、気候変動への対応に関する経営計画の進捗について定期的に報告を受け、その執行状況を監督しています。

リスク管理の対象となるマテリアリティの妥当性については「マテリアリティの評価・特定プロセス」を参照ください。

指標と目標

コニカミノルタでは、気候変動のリスクと機会を管理する指標として、製品ライフサイクルCO2排出量、およびカーボンマイナス目標を「エコビジョン2050」で定めています。2050年までに自社の製品ライフサイクルにおけるCO2 排出量を2005年度比で80%削減することを目標としています。 製品ライフサイクルCO2排出量の目標には、スコープ1・2のすべて(生産段階、販売・サービス段階のCO2排出量)と、主要なスコープ3(調達段階、物流段階、製品使用段階のCO2排出量)が含まれます。長期的には2050年までに80%削減、2030年に60%削減、短期的には2022年に53%削減の目標を設定しています。2020年度は、約82万トンで60%削減まで到達しております。
(目標と実績の詳細は、中期環境戦略およびサステナビリティ目標と実績を参照してください)

また、コニカミノルタが考えるカーボンマイナス目標とは、顧客や取引先の環境課題解決の支援を通じてスコープ1・2・3のCO2 排出量の範囲を超えるCO2 排出量を削減し、自社製品のライフサイクル全体におけるCO2 排出量を上回るCO2 削減貢献量を生み出していくコミットメントです。コニカミノルタでは2030年にカーボンマイナスを実現することを目標としています。カーボンマイナスに向けては、一企業の取り組みだけでは限りがあり、活動対象をお取引先やお客様に広げ、CO2排出量削減に取り組んでいます。サプライチェーン全体で環境への貢献度を高めていくと同時に、それを原価低減や売り上げ増へつなげています。

また、気候関連リスク対応として、化石燃料を利用できなくなる将来予測を踏まえ、自社の事業活動で使用する電力の調達を100%再生可能エネルギー由来にすること、再生可能エネルギー利用率を2050年までに100%、2030年までに30%とすることを目標として設定しています。2022年度を目標年度とする中期サステナビリティ計画では、再生可能エネルギー利用率を10%以上に高める目標を設定。その結果、2020年度は6.5%まで到達しました。詳細については「RE100」への加盟を参照してください。

再生可能エネルギー利用率

2016-2019年度は、コニカミノルタグループ全体の電力使用量(コジェネ発電量含まず)に占める再生可能エネルギー由来電力の比率
2020年度からは、コニカミノルタグループ全体の電力使用量に占める再生可能エネルギー由来電力の比率

コニカミノルタの気候関連リスクと機会

地球温暖化対策の枠組みであるパリ協定の合意のもと、世界全体が加速的かつ野心的に低炭素社会へ移行する可能性があります。一方、移行が思うように進まず世界各地で気候変動の著しい影響が顕在化してしまうおそれもあります。
コニカミノルタでは、この2つのシナリオを想定し、将来にわたりグループの業績に悪影響を及ぼす事業リスクと、気候変動における課題の解決に先手を打って対応することで創出できる事業機会を、それぞれで特定しています。

●気温上昇が2℃以下に抑えられ、世界全体が低炭素社会へ移行した場合:
移行的なリスクとして、温室効果ガス排出規制、エネルギー効率規制、欧州サーキュラーエコノミーに関する規制、炭素税など新規・追加税制など、環境関連の法規制が将来さらに厳格化した場合には、遵法のための追加的義務および費用が発生するおそれがあり、コニカミノルタグループでは原価上昇や事業機会の損失につながる可能性があります。また、ステークホルダーからの再生可能エネルギー調達の要求が高まることが想定され、もし対応できなければ投融資および販売機会の逸失、企業ブランド低下につながる可能性があります。また、気候変動の影響を抑えようと顧客の志向が変化し、オフィスにおける紙への出力機会の減少、化石燃料や化石資源の代替化による製造・調達コストの増加など、コニカミノルタグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
コニカミノルタでは、生産工程の効率化を追求するとともに、生産技術の開発・改善を進め、CO2 排出削減とコストダウンを同時に実現する「サステナブルファクトリー活動」を推進しています。また、自ら培った省エネ技術・ノウハウをデジタル化により提供し、サプライヤーと一体となってエネルギー削減に取り組む「DXグリーンサプライヤー活動」を通じて、サプライチェーン全体でのエネルギーコスト削減とCO2 排出削減の最大化を目指しています。また、化石燃料に依存しない再生可能エネルギー社会へいち早く適合し事業運営することが、持続的に成長できる企業の必須要件であるとの考えから、再生可能エネルギー100%での事業運営を目指す国際リーダーイニシアティブ「RE100」に加盟しています。2050年までに自社の事業活動で使用する電力の調達を100%再生可能エネルギー由来にする目標を設定しています。

一方、低炭素社会への移行が加速すると、事業機会を生み出す可能性があると考えています。
長期的には、データセンターの利用を最小化するエッジコンピューティングに代表される独自のエッジIoT技術の社会実装と普及拡大により、エネルギー負荷低減や温室効果ガス排出削減に大きく貢献できるため、社会全体の需要が高まり売り上げ増加の機会となる可能性があります。
中期的には、大量生産・大量廃棄など無駄な生産を抑え事業モデルを変革するオンデマンド生産プロセス、紙出力への依存を無くし多様な働き方を支えるコネクテッドワークプレイス、エネルギーおよび資源使用量を抑制する材料加工プロセス変革ソリューション、シェールガスなど温室効果ガスのパイプラインからの漏えいを非破壊で検査する画像IoTソリューション、企業の環境・サステナビリティ経営を支援するエコシステム、新たな資源採掘を回避する再生プラスチック・バイオ材料の活用技術など、顧客の需要や嗜好変化に対応することができれば、売り上げが増加する可能性があります。
短期的には、継続的な省エネルギー活動は、積極的に推進することで自社工場での原価低減にとどまらず、お取引先やビジネスパートナーと連携することで新たなビジネス機会を創出できる可能性があると考えています。

●気温上昇が2℃を超え、気候変動の影響が顕在化した場合:
物理的なリスクとして、世界各地で異常気象や森林火災が頻繁化し森林資源保護の規制や社会要求が強まることで、紙原材料の調達が不安定になり事業機会の損失につながる可能性があります。また、気候パターンの変化や干ばつの大規模化など気候変動の慢性的な影響が発現し続けた場合、自然資源の調達が不安定化し、原材料等の供給量が制限または一時停止して工場の稼働率に悪影響を及ぼす可能性があります。また、大規模な台風や洪水などの急性的な自然災害が発生すると、コニカミノルタグループの設備などが被害を受け、従業員の就業が困難になる可能性があります、その結果、自社拠点およびサプライヤーで一時的に操業が停止し生産および出荷が遅れる可能性があります。
コニカミノルタでは、自然資源への依存度が高いと評価された産業用材料では、自然資源を必要としない新たな機能性フィルムの開発を進めており、脱セルロース技術を搭載した製品ラインナップを拡大しています。複合機事業では、オフィスで用紙のプリントに依存しない新しいデジタルソリューションの開発を加速しています。強固な情報セキュリティを確立しながら遠隔での協働を実現する統合型のITサービスプラットフォームの新商品「Digital Workplace」の販売を拡大しています。気候災害への対応では、主力事業であるオフィス事業、プロフェッショナルプリント事業の消耗品における部品生産および印刷用トナーの充填を行う拠点として、欧州、北米にも自社生産拠点を展開し、消費地生産によるレジリエンスの高い供給体制の確保に努めております。また、大規模な自然災害の発生時に備えて、業務継続のための具体的な行動計画をまとめた「事業継続計画(BCP:Business Continuity Plan)」を策定しています。ワールドワイドに、かつサプライチェーンを含めた視点から、主要事業である情報機器事業、被災時のニーズの高い医療機器をはじめとして各事業部門・子会社で体制を構築するとともに、災害発生直後に被害状況などを情報収集してBCP発動の要否を判断する「初動体制」を整備しています。

一方で、気候変動による物理的影響が、事業機会を生み出す可能性もあると考えています。
中期および長期的には、急性的な自然災害への安全安心の期待から、異常気象への備えとしての画像IoT・センシングソリューションは、社会の新たな需要を獲得できる可能性があります。また、気候変動が及ぼす生態系への影響等により、予期せぬ疾病等(感染症を含む)が発生し拡大することが想定されます。コニカミノルタグループのエッジIoT技術を活用した画像診断ヘルスケアソリューションは、医療従事者の負担を軽減できる点においても、事業成長の機会は大きいと想定しています。

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