世代間ギャップ
Column 01

「今と昔の子育て方法は違うのに…」
周囲からの「アドバイス」、どう受け止める?

今と昔の子育ての違いに戸惑うことはありませんか?

私は、約30年前に3人の子育てをした管理栄養士です。今は、1歳の孫がいるので、ママと言うよりバーバの立場でしょうか。

最近の子育て方法などを見ていると、昔は普通にやっていたものでも、「今は避けたほうがいい」「このように変わった」ということが多々あるように思います。周りの子育て経験者たちは、自分たちの時代の子育て方法が基準になっていることがほとんど。絶賛子育て中のママにも、同じやり方をすすめることがあるでしょう。しかし、ママたちにとって、「昔はこうだったわよ」という周りからの子育てアドバイスが、かえって苦痛になることはありませんか?

親戚が自分のお箸で、赤ちゃんに食べさせている!?

たとえば、家族や親戚が大勢集まるお正月。祖父母や親戚の方が自分のお箸を使って、赤ちゃんにおせち料理を食べさせています。あなたは、大人の箸移しをして欲しくありません。さて、こんなときどうしますか。

1. 絶対にやめてください! お箸を通して大人の病気が移ったら大変です! 勝手にやらないでください!

2. 最近、お箸を通して大人が持っている歯周病菌やピロリ菌が赤ちゃんに移ってしまうことがあると保健センターで指導を受けました。それで、私達も気をつけるようになったんです。今日はこのスプーンで食べさせてくださると助かります。可愛がっていただき、ありがとうございます。

この選択肢を見れば、衝突を回避する方法はもうおわかりですね。2)が角が立たない伝え方です。箸移しに限らず、周囲の大人がよかれと思って知らずにやってしまうこともあるでしょう。「昔やっていたことが今は避けたほうがいいなんて、おかしな話だ」という人もいるかもしれません。

しかし、これまではわからなかったことが研究を重ねた結果、次第に明らかになることも世の中にはたくさんあるのです。避けられることは避け、積極的に進めることは進める姿勢が、子育てには必要なのかもしれませんね。

賢い子育て方針の伝え方

周囲に自分たちの子育て方針をわかってもらうには、相手に十分納得してもらえる「説明力」を身につける必要があります。しかし、理詰めで正論を押しつけてばかりいると、衝突の原因にも…。衝突を回避しながら、伝える工夫が大切です。そのためには、自分でしっかり勉強すること、誰を対象にどのような状況で得られた根拠なのかを確認して、情報を取捨選択する力(ヘルスリテラシー)が不可欠です。そして、何より伝える相手を尊重すること。そのうえで、最近の子育て方法を説明し、具体的にどのようにして欲しいかを伝えましょう。協力してもらえることへ感謝も忘れずに! もしよかったらこの方法を試してみてくださいね。

まずは人間関係の構築を

特に、子育てに頻繁に関わる祖父母とは、日頃から話し合える関係をきちんと築いておくことも大切です。ほとんど会話もしないのに、いきなり子育て方針を共有するのもハードルが高いものです。ですから、日頃からきちんと話すことを心掛けましょう。事あるごとに連絡を取り、自分たちの方針をそれとなく伝えておくと良いかもしれません。子育ては、周囲の協力が得られるとかなり楽になります。周囲との衝突をできるだけ回避する方法を知っておけば、ストレス軽減にもつながるでしょう。ぜひ、お試しくださいね。