ポータブル分光測色計フラッグシップモデル CM-26dG

人の目が認識している「色」とは、「素材そのものの色」と「見た目の色」と「表面状態」に左右されています。
「素材そのものの色」は測色計によるSCIの測定が必要です。「見た目の色」は測色計によるSCEで判断します。また、「表面状態」の判断には光沢計による光沢度の測定が必要になります。

測色計と光沢計の違いとは?

「測色計」と「光沢計」は「照明受光光学系」が違うため、「測色」と「光沢」の同時管理を推奨しています。
以下のように「測色計」は「色」、光沢計は「正反射光」をそれぞれ見ています。

色の見え方の仕組み

一般的な試料における光の反射

試料表面からの反射光は正反射し、正反射光には色は付きません。
色素分子での反射光はランダムな方向に散乱するため拡散光となり、色素分子で光の選択吸収が行われるため、拡散光に色が付きます。

素材の色(色材)が同じで表面状態が異なる(光沢面と拡散面)場合の色の見え方

実際にモノの色を見る場合は、下図の様に照明光源の正反射光の影響を受けない角度=「視点1」で色を見ます。
「視点2」で色を見る場合は、映り込んだ照明光源を見ることになります。
(表面状態が光沢面の場合、より鮮明に照明光源が見えます)

色を評価する照明環境

一般的に試料の色を見る場合、拡散照明光の下で評価します。(環境光は屋内照明下や屋外など)
測色計ではその環境下に近似させるために、積分球※と呼ばれる内壁が白い球面を用いています。
積分球を用いて試料を拡散照明し、正反射光トラップで正反射光を取り除くと見た目の色に近い測定値が得られます。

※積分球は光をほぼ完全に拡散反射する硫酸バリウムなどの白い塗料で内面を塗布した球です。

拡散照明(積分球)方式

均一な拡散照明を作り出して試料を照明するde:8°(SCE)および
di:8°(SCI)では、試料をあらゆる方向から均等に照明し、試料面の法線に対して8°の方向で受光します。一方、8°:de(SCE)および 8°:di(SCI)では、試料面の法線に対して8°の方向で試料を照明し、あらゆる方向に反射する光を集積して受光します。
そのため、両者の光学系は光学的に等価となります。