濃度計のツボ
印刷標準化に向けて
JMPAの概要
JMPA Ver.3.01とは
社団法人日本雑誌協会(Japan Magazine Publishers Asociation)が雑誌広告のカラー再現の統一性を図るために定めた色基準のことです。
雑誌カラー広告の標準管理
Ver.2.01までは当時のDDCPで再現可能な色を標準化、Ver.3.00ではCTP刷版から作成したオフセット輪転機での標準的な印刷物をベースに作成。
Ver3.01ではそれをインクジェットで作成したものです。いずれも共通の色基準で出力されています。
JMPAの標準管理
- JMPAの色調整は、まずベンダーキットに含まれているチャートを測定してプロファイルを作ります。そのプロファイルをターゲットにして色を合わせます。
- リファレンスサンプル(DDCP見本)との目視比較のみで評価します。通常、チャートから作成したプロファイルで、数字による調整を行ってもグレイとセピアのサンプルは目視で一致しません。 ここは微調整で合わせ込む必要があり、調整する人が苦労しているところです。
- JMPAの維持管理には、恒常性管理用カラーパッチが提供されています。このパッチを測定して、許容幅内かどうかを定期的に確認します。但し、提示されている許容幅は、この位にするとよいという参考事例であり、規定ではありません。あくまで画像が目視で合っているかどうかが、判断の基準になります。
恒常性管理用カラーパッチは提供されてますが、測定する道具は提供されていませんので検証するツールソフトなどを使うと便利です。
JMPA Ver.3.01ベンダーキット
JMPAの色調整には、まずベンダーキットが必要です。この中に含まれているチャートから色調整を行います。しかしながら、ベンダーキットは非常に高価であるため、調整はメーカーやベンダーに依頼するケースが多いのが実情です。
色を維持管理するためには、より安価なリファレンスキットを使用することができます。このキットは、チャートがないため調整はできませんが、画像があるので色が合っているかを確認することができます。
ベンダーキット
- 標準画像6点(人物、静物、風景等)のデジタルデータとDDCPサンプル
- 標準チャート(IT8.7/3、JMPAカラーパッチ)のデジタルデータとDDCPサンプル
- 取扱説明書
- ※
- 注) 高精細カラーデジタル標準画像データ ISO/JIS-SCID(日本規格協会発行)のS7、S8、S9及びS10の画像データを縮小及び再レイアウトし、1つの画像として改変したものです。
出典:(社)日本雑誌協会 雑誌広告基準カラー・ベンダーキットページ
NSACの概要
NSACとは
NSACとは、社団法人日本新聞協会が発表した、新聞輪転機の印刷特性を生かす新聞カラー広告色見本の基準(Nihon Shimbun AD Color)のことです。
2002年に新聞用のJapan Colorができ、これはいろいろな団体が一緒になって検討してできたもので、「Japan Color Newspaper」すなわちJCNといい、新聞全体の色基準でした。
その後、日本新聞協会ではカラーの新聞広告用にさらに色域の広い基準を検討し、2006年にNSACを作成しました。NSACはJCNの規格範囲内ですが、JCNより若干色域が広がり、より鮮やかになっています。
※全日本新聞広告製版会加盟社数25社(2012年10月末現在)
JCNより色の再現域を広げていますが、JCNの規格値に包含されています。
運用ガイドについては、社団法人日本広告業協会のホームページ(http://www.jaaa.ne.jp/)をご参照ください。
NSACのリファレンスキット
NSACの色調整には、まずリファレンスキットが必要です。この中に含まれているチャートデータを基に色調整を行います。
リファレンスキットには、DDCPで作成した画像が入っており、JMPAよりも比較的安価です。
リファレンスキット
- NSAC・DDCP出力カラーチャート(JCN2002-Ver1)
- NSAC・DDCP出力目視用ターゲット「人物」「静物」各1枚
- NSAC関連データを収録したCD-ROM
- NSAC仕様説明書
- NSAC普及用リーフレット
出典:(社)日本広告業協会 NSAC運用GUIDE VOL1.0